G-SHOCKの新作「GBA-950-1A」は一見シンプルだが、実はトレーニングの強い味方だ。アナログ表示に加え4つのディスプレイで目標達成度や運動中の負荷を確認でき、トレーニングを妨げない。スマートフォンのアプリケーションとも連携しており、“アナデジ”G-SHOCKのトレーニングウォッチを求める人へ、新たな選択肢を提示している。アメリカ版『ウォッチタイム』編集者マーティン・グリーンがその魅力をレビューする。
クォーツ。樹脂ケース(縦48.5×横43.9mm、厚さ16mm)。20気圧防水。2万5300円(税込み)。
“アナデジ”仕様のトレーニング向けG-SHOCK
G-SHOCKのランニング向けトレーニングウォッチといえば「G-SQUAD」シリーズが挙げられるだろう。フルデジタル表示で、現在のペースなど、トレーニングに役立つ情報を教えてくれる。
だが、G-SHOCKの“アナデジ”モデルからもトレーニング向け機能を搭載したモデルが登場した。それが「GBA-950-1A」だ。アナログ表示に目が入ってしまうが、実はトレーニングに役立つ表示機能が「しっかり」と搭載されているのだ。
控えめな外観に、さりげなく仕込まれた4つの表示
2025年の新作G-SHOCKであるGBA-950-1Aは、その文字盤を「あえて」落ち着いた印象にまとめあげている。その中でも下半分の大型液晶ディスプレイと、9時位置の丸型表示は、その存在がひと目で分かることだろう。それに加えて、12時位置と3時位置にもバー状の液晶表示を忍ばせている。
モードによっても異なるが、前者は目標値への達成度、後者は今行なっている運動の強度(どれだけ身体に負荷がかかるか)を示すことができる。どちらの表示も「さりげない」自己主張に抑えられたものだが、画面を見ただけで、これらの情報をひと目で見ることができるのがこのモデルの非常に重要な要素だ。
スマートフォンとも連携。ボタンでも操作可能
Bluetoothによりアプリと接続すれば、詳細なログの確認や各種設定がスマートフォンから行うことができる。加えて、G-SHOCKおなじみの4ボタン操作単体でも、直感的に扱えるのがG-SHOCKらしい美点だ。アラーム5本、カウントダウン、1/100秒ストップウォッチ、デュアルタイム、2099年までのフルカレンダーなど、実用的な機能は一通りそろう。
大ぶりに見えて軽快。通気性にも配慮
スペック上は縦48.5mm×横43.9mmと存在感があるが、八角形のケース形状と、折り工学を応用したベゼル一体型ストラップの効果のためか、装着時は思いのほか収まりがよい。バイオ樹脂の採用により、総重量の実測値は約53gと軽めだ。ストラップのルーバーはフィット調整の自由度を高めるだけでなく、日常の着用での通気性にも寄与するのである。
夜間視認と耐久性
LEDライトはボタンで即時点灯でき、時針と分針に施されたインデックスの夜光と相まって、暗所でも時刻を読み取りやすい。一方で、4つの液晶表示は暗所での視認性に限界があることは事実だ。だが、価格帯を踏まえれば妥当な落としどころではあるだろう。ケースは風防とボタンをしっかり保護する構造で、20気圧防水とあわせて日常使いの安心感を高めている。
価格以上の満足度
控えめなルックスの中に、必要な情報をひとつの画面の中に「さりげなく」常時表示するというトレーニングのための設計、軽快な装着感、そして堅牢性。これらを2万円台で実現しているカシオの手腕には脱帽せずにはいられない。