2025年9月4~7日まで、スイスで開催されているジュネーブ・ウォッチ・デイズ。ローラン・フェリエからは、オンライン限定で販売される「セリエ・アトリエ」コレクションの第7弾が登場した。この新作「クラシック・トゥールビヨン ティール – セリエ・アトリエ VII」は、同社初採用となるプラチナ製ケースに、グリーンとブルーが調和したティールカラーのグラン・フー エナメル文字盤を備えている。
Text by Chieko Tsuruoka(Chronos-Japan)
[2025年9月5日公開記事]
ローラン・フェリエの「セリエ・アトリエ」コレクション第7弾が登場
2025年の開催で第6回を迎えるスイスの時計見本市、ジュネーブ・ウォッチ・デイズ。今年は66ものブランドが参加しており、ジュネーブのホテルやブティックで新作モデルがお披露目されたり、各ブランドの時計が展示されたりしている。
この見本市に参加するローラン・フェリエからは、「クラシック・トゥールビヨン ティール – セリエ・アトリエ」が発表された。

手巻き(Cal.LF619.01)。23石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約80時間。Ptケース(直径41mm、厚さ12.50mm)。3気圧防水。世界限定5本。19万5000スイスフラン。
ローラン・フェリエは2025年、ブランド設立15周年を迎える。そこで「自身の時計づくりの原点に立ち返る」として、「クラシック・トゥールビヨン」をオマージュして、本作を発表したという。
特徴のひとつは、ローラン・フェリエでは初めての採用となる、プラチナを素材に用いていることだ。従来の「クラシック」同様、直径41mmのケースは小石のような滑らかなフォルムをたたえており、また、同コレクションにアクセントを添えるボール型リュウズも備えている。これらの要素が白い輝きを持つプラチナによってつくられており、エレガントな装いに仕上げられている。
もうひとつの特徴は、クラシック・トゥールビヨンらしいグラン・フー エナメル文字盤やローマ数字インデックス、レイルウェイのミニッツトラックを有しつつも、ホワイトゴールドをベースとした文字盤に、グリーンとブルーが調和したティールカラーが採用されていることだ。このブルーを際立たせるために、ミニッツトラックとロゴはスカイブルーのエナメルで、転写仕上げが施されている。
6時位置のスモールセコンドも、ミニマルながら目を引く。ローラン・フェリエらしく、丁寧に手作業で面取りされたホワイトゴールド製のフランジが、段差を設けられたインダイアルを縁取っているのだ。なお、スモールセコンドのスケールもスカイブルーのエナメルで仕上げられている。一方で視認性を高めるために、アワーマーカーのローマ数字は明るいホワイトエナメルによって縁取られた。
アセガイ型の時分針、バトン型の秒針はゴールド製。この針も、本作のミニマルなスタイルに独創性を与える、大切な要素と言える。

搭載するムーブメントは、従来のクラシック・トゥールビヨン同様に手巻きのCal.LF619.01だ。2010年のジュネーブ・ウォッチメイキング・グランプリ(GPHG)でメンズウォッチ賞を獲得したのがこのクラシック・トゥールビヨンで、クラシックらしいミニマルなスタイルを維持するために、ケースバック側にトゥールビヨンが設けられている。また、このトゥールビヨンはふたつのヒゲゼンマイが向かい合って配置されており、視覚的にユニークであるだけでなく、テンプの重心の水平方向の変位を中和し、高精度を維持するための機構となっている。約80時間を有するパワーリザーブとともに、実用的なムーブメントと言える。

トランスパレントバックからは、ムーブメントを観賞することができる。クラシック・トゥールビヨンの特徴的なブリッジにはコート・ド・ジュネーブが装飾されていたが、本作ではルテニウム仕上げを組み合わせた、水平方向のサテン仕上げに置き換えられた。このムーブメントは19世紀に製造された、高精度時計から着想を得ているが、今回仕上げが変更されたことで、モダンな意匠となっている。ロジウムメッキされた歯車やテンプの輝きとコントラストをなしているのも見どころだ。
こういったムーブメントの美観に加えて、懐中時計に見られたロングブレードラチェット機構を備えた手巻きシステムを導入することで、良好な主ゼンマイの巻き上げ感触が得られるようになっている。実用性、趣味性が両立されたムーブメントなのだ。
今回発表された「クラシック・トゥールビヨン ティール – セリエ・アトリエ VII」は、ローラン・フェリエの公式HP(URL:https://laurentferrier.ch/products/classic-tourbillon-teal)で、わずか5本が販売される。