永遠に語り継がれるタイムピース #03 ベル&ロス「BR-X3」

PR:Bell & Ross

際立つ独創性は、フレンチブランドという出自にあるのかもしれない。成熟した個人主義の下、時には唯我独尊であっても、先駆として独自のスタイルを貫く。ベル&ロスの洗練されたオリジナリティーにはそんな気概が伝わる。何者にも似ない唯一無二の存在感に未来を切り開かんとする意思はマスターピースと呼ぶにふさわしい。

ベル&ロス「BR-X3」

「BR-03」は、2006年に「BR-01」のダウンサイジングバージョンとして加わり、クロノグラフ、GMT、ダイバーズといった多彩なバリエーションを取り揃える。一昨年には3針仕様のベースモデルを従来の直径42mmから41mmにケースサイズを見直し、デザインの基本を崩すことなく、ロングセラーの主力コレクションにふさわしい熟成を重ねている。
奥山栄一:写真
Photographs by Eiichi Okuyama
柴田充:文
Text by Mitsuru Shibata
Edited by Yuzo Takeishi
[クロノス日本版 2025年11月号掲載記事]


“四角の中に丸”のシンボリックな意匠が示す、フレンチブランドの揺るぎないスタンス

 ブランド名は、フランス人の創業者ふたりの愛称に由来する。ブルーノ・ベラミッシュとカルロス・ロシロ。高校時代の友人であり、卒業後はデザインとマネジメントというそれぞれ異なる道に進みながらも、時計への熱い情熱を共有し、1994年にブランドを立ち上げた。初期のオリジナルウォッチはドイツの時計ブランド、ジンとの協業から始まり、現在ではスイスのラ・ショー・ド・フォンを時計製造の拠点にしているが、本社はパリにあるフレンチブランドだ。

 20年以上前になるが、ベル&ロスはパリのサントノレ通りにあった伝説的なセレクトショップ、コレットにも並んでいた。ヴィンテージとモダニティが絶妙に融合したデザインは、まさにフレンチテイストに溢れ、コンテンポラリーなファッションやライフスタイルとの高い親和性を感じさせたのだった。

ベル&ロス「BR-X3」

ケニッシ社の特別開発による専用ムーブメントで、COSC認定を受けたBR-CAL.323は、高精度と約70時間のパワーリザーブを備え、保証期間も5年に設定したことで高い信頼性を裏付ける。

 ブランドのもうひとつの特徴は、創業者がいずれも時計師ではなく、ウォッチコンセプターであることだ。明確なブランディングから、コンセプト、デザイン、プロモーションまで一貫性を重視する。常に時代の感性を注ぎつつ、ブランドらしさは揺らぐことはない。そうした背景から生まれたのが「四角の中に丸」という独創的なデザインである。

 航空計器のパネルを切り取ったような斬新なスタイルは、ミリタリーやパイロットウォッチを規範に、機能美を追求してきたブランドのクリエイティビティを色濃く反映する。初出となった2005年発表の「BR-01」以降、ブランドを象徴するアイコニックなデザインコードとして広く認知されている。

 最新作「BR‐X3 ブラック チタニウム」は、現在の主力コレクション「BR-03」の上位モデルとして誕生した。昨年のスケルトン仕様に続き、新たにパフォーマンスとモダニティの融合を追求する「BR‐X」コレクションを統合し、その系譜を受け継ぐ。

ベル&ロス「BR-X3」

目盛りを刻んだフランジに囲まれたダイアルは、立体感とマットブラックの仕上げで視認性も優れる。

 角型の4隅にビスを配したデザインはそのままに、上下2枚のチタン製プレートに、ベゼルやミドルケースといったコンポーネントをサンドイッチ構造で固定する。さらにベゼルリングとサイドピラーにはブラックラバーを採用。まるでケースを貫くようにブラックがストラップにつながり、マットで仕上げたダークグレーのチタンとのシックなコントラストを生む。多層構造を生かし、異素材を組み合わせた絶妙なカラーリングだ。

 外装に採用するグレート2チタンは、航空や宇宙工学、モータースポーツの最前線で使われている素材で腐食や傷に強く、スティールの約3分の2という軽さと強度重量比を誇る。前衛的なスタイルにふさわしい先端素材と言えるだろう。

 ダイアルは、左右にパワーリザーブインジケーターと日付表示をシンメトリーにレイアウトする。これらを縁取るフレームは、コレクション名の「X」をモチーフにデザインされ、より計器感を増した。さらに、傾斜をつけた幅広いフランジをはじめ、アプライドインデックスや日付表示の小窓にも高低差をつけ、奥行きある立体感を演出している。

ベル&ロス「BR-X3」

側面からは多層構造が一目瞭然。リュウズガードはチタンにブラックDLCを施す。リュウズは、全体のデザインに合わせてノッチをより大きく設け、操作性も向上している。

 搭載するムーブメントはケニッシ社が専用開発したBR‐CAL.323。22年に登場した「BR‐X5」以降、上位モデルに採用する。約70時間のパワーリザーブとCOSC認定のクロノメーターの精度を誇り、パワーリザーブインジケーターは、既存の円形カウンターからデザインを変更し、斬新かつ全体と調和した印象を与える。

 ベゼルリングの採用やビスのサイズアップといった細部の見直しでフェイスのメリハリが増し、「四角の中に丸」をより強くアピールする。それは、航空計器をモチーフにしたDNAを宿しつつ、次世代に向けて独自に進化を遂げたデザインコードにほかならない。

 アイコニックなスタイルは、奇しくも本誌『クロノス日本版』と同様、今年20周年を迎えた。だが、それもひとつの通過点に過ぎないのだ。

ベル&ロス「BR-X3」

BR-X3
チタン製のモデル(左)に加え、メタリックな光沢感によって存在感を強めるステンレススティール製ケースに、精悍なブルーを組み合わせたバリエーション(右)もラインナップする。ベゼルリングとサイドピラーにブルーのアルマイト処理を施しつつ、ダイアル、ベゼル外周リング、ラバーストラップもカラーを統一したスポーティーなデザインは、成層圏を越えた宇宙を想起させる。自動巻き(BRCAL.323)。2万8800振動/時。パワーリザーブ約70時間。TiまたはSSケース(直径41mm、厚さ13.3mm)。100m防水。124万3000円(Ti)。97万9000円(SS)。



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https://www.bellross.com/jp/ja



Contact info:ベル&ロス 銀座ブティック Tel.03-6264-3989


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