その存在と価値が多くの人に認められ、それゆえに新品を手にすることが困難となってしまったブランドは少なくない。NX ONEはこうした稀少で価値のあるCPO(正規認定中古)ウォッチを取り扱う「プレミアムウォッチ セレクトショップ」。中でも、同店の柱となるリシャール・ミルにおいては“伝説的”と評される超稀少モデルに出合える可能性も、ゼロではない。
Photographs by Eiichi Okuyama
竹石祐三:編集・文
Edited & Text by Yuzo Takeishi
[クロノス日本版 2025年11月号掲載記事]
NX ONEが取り扱うリシャール・ミルのCPOウォッチ
開発に約5年を費やしながら2003年に発売された歴史的モデルのひとつで、手巻きトゥールビヨンとスプリットセコンドクロノグラフ機構を組み合わせたCal.RM008-V1を搭載。V字型のセンターブリッジによって耐衝撃性能を持たせたほか、ゼンマイのトルク状態を確認できるトルクインジケーターも備える。写真右はレッドゴールド、左はチタンをケース素材に使用。このように、タイミングによっては、稀少モデルのバリエーションを比較できるような機会に恵まれるのもNX ONEの魅力だ。頻繁に足を運びながら入荷状況を確認したい。
「時計の価値をしっかりと維持するためには、セカンドハンドをオフィシャルで取り扱うことが絶対に必要」と言うリシャール・ミル本人の意向を汲み、東京・銀座のNX ONEは、他のブランドに先駆けてCPOウォッチの取り扱いをスタートさせた。しかも同店は世界のどこよりも早く、リシャール・ミルのCPOサービスを開始した店舗でもある。
2001年にファーストモデルとなる「RM 001 トゥールビヨン」を発表して以来、リシャール・ミルは数多くのモデルをリリースしてきた。しかし、リシャール・ミルの時計は生産本数が非常に少ないうえ、近年では人気の高まりに加えてその価値が広く知れわたることとなり、新品はもちろん、中古品の購入さえも困難となっている。こうした稀少性の高いリシャール・ミルの中でも、とりわけ二次流通市場に出回ることが少なく、入手できる可能性が極めて低いのが、初期に製作されたモデルだ。

「RM 008 V1 トゥールビヨン スプリットセコンド クロノグラフ」は、デビューから2年後の03年に発表された、ブランドの黎明期を代表するモデルのひとつ。ムーブメントには手巻き式のキャリバーRM008-V1が搭載され、トゥールビヨンとスプリットセコンドクロノグラフというふたつの複雑機構を組み合わせた、ブランドの歴史上においても革新的とされるタイムピースである。
このモデルもまた、年間数本しか生産されなかったレアピースだが、NX ONEの魅力は、こうした稀少性の高いモデルに出合えることにある。もっとも、中古品であるため、時計が店舗に入荷するタイミングは未定。仮に入荷したとしても、即日売れてしまう可能性がある。また、RM 008 V1は発売当時、チタン、レッドゴールド、ホワイトゴールドという3種類のケース素材がラインナップされていた。そのうちのひとつに巡り合えることさえも稀なのだが、長年、リシャール・ミルのCPOウォッチを取り扱っているNX ONEであれば、上の写真のように、素材の異なる2本を同時に見比べられるようなチャンスもある。
もちろん、NX ONEで販売されるのはブランドによって正規品であると認められ、本社または公認の時計師によって精度調整や品質検査、外装の仕上げが行われたCPOウォッチのみ。購入時には正規認定中古時計の保証書が発行され、購入後2年間はブランドのアフターサービスも受けられるので信頼性も十分だ。
入手困難な状況が続くリシャール・ミルの時計だが、NX ONEでの入荷状況をこまめにチェックしながら最初の1本を手に入れ、革新を続けるブランドの世界へと足を踏み入れてほしい。
住所/東京都中央区銀座8-4-2
営業時間/11:00~19:00
定休日/火曜
www.nxone.jp