ブレゲ「スースクリプション」が文句なしで優勝！ ロック福田が選ぶ2025年の新作時計ベスト5

2025年に発表された新作時計の中から、時計のプロがベスト5を選ぶ年末恒例企画。今回はロック福田こと、時計ライター・編集者の福田豊が悩みに悩み抜いて選出した5本を紹介する。「優勝！」と真っ先に挙げたのはブレゲ創業250周年を記念した「クラシック スースクリプション 2025」だ。

優勝：ブレゲ「クラシック スースクリプション 2025」

創業250周年記念の第1作。ブレゲ針やブレゲ数字、グランフー エナメル、パラシュートなどブレゲの歴史がいっぱいに詰まったところが魅力。修復工房の熟練職人が手掛ける青焼き針やパンタグラフによるシークレットサインも見どころだ。

2位：ゼニス「G.F.J.」

創業160周年を記念して名作ムーブメント「Cal.135」を復刻。ロービート（5振動）で大きなテンワがゆっくりと回るところが愉しい。この限定作は即完売。来年、レギュラーモデル（価格がややこなれた）が登場することを大いに期待する。

3位：オーデマ ピゲ「ロイヤル オーク パーペチュアルカレンダー」

開発に5年かかったという「オールインワン」リュウズ機構は、リュウズの4つのポジションにより月、日、曜日、ムーンフェイズなどのすべてを個別に調整可能。正真正銘、世界一操作性に優れた革新的永久カレンダーモデルだ。

4位：NAOYA HIDA & Co.「NH TYPE 6A」

飛田さんがブランド設立時から計画していたという永久カレンダーを遂に実現。加納さんの彫金がもたらす視認性のよさは白眉。デュボア・デプラ製モジュールの使用の模索からハブリング2に行き着くストーリーも愉しい。これは名作である。

5位：グランドセイコー「エボリューション9 コレクション スプリングドライブ U.F.A. SLGB003」

日差、月差をはるかに超えた、年差±20秒という桁外れの高精度を実現した快作。かつての「V.F.A.」を思わすネーミングもマニア好みで大きな魅力。「V.F.A.」の「Adjusted」に対し「U.F.A.」は「Accuracy」というところもグッとくる。

総評

　2025年は、やはりブレゲの250周年が最大のイベント。それを象徴する「クラシック スースクリプション 2025」は、2025年を代表するモデルでもあり、これは文句なしの優勝！　おそらく10年後、20年後、30年後にも語り継がれることになる名作だと思う。また、ブレゲは記念作をシリーズで発表、他にもベスト5に入れたいモデルが多数の大充実ぶり。オーデマ ピゲも創業150周年で意欲作を複数発表、同じく他にも入れたいモデルがあった。

　なお、ロレックス「オイスター パーペチュアル ランドドゥエラー」は実機に直接触っていないので選外としたが、間違いなく今年のハイライトのひとつだろう。

　その他、A.ランゲ＆ゾーネ「1815」の34mmモデル、カルティエ「タンク フランセーズ スケルトンウォッチ」、ショパール「アルパイン イーグル 41 XP CS プラチナ」、ジラール・ペルゴ「ロレアート フィフティ」、IWC「インヂュニア・パーペチュアル・カレンダー 41」、ジャガー・ルクルト「レベルソ・トリビュート・モノフェイス・スモールセコンド」ミラネーゼブレスレット、パルミジャーニ・フルリエ「トリック パーペチュアルカレンダー」、大塚ローテック「5号改」などなど、個人的に「欲しい」と思う魅力的な新作がたくさん。選出に大いに苦労した。

選者のプロフィール

福田豊

ライター、編集者。もともとは建築家であったが、ひょんなことから、出版界に移籍。『エスクァイア日本版』広告営業、編集部の後、現職。『LEON』『ENGINE』『GQ』『クロノス日本版』などの雑誌やwebで、ファッション、時計、クルマ、旅など、男性のライフスタイル全般について執筆。webマガジン『FORZA STYLE』で時計を担当。動画連載「ロック福田の腕時計魂！」に出演中。https://www.instagram.com/fukuda1959/?hl=ja