近年最も重要な文字盤カラーのひとつであるブルー。今回は2026年に発表された新作から、ミドー、ベル&ロス、アンジェラスのブルーダイアルモデルをピックアップ。ブルーダイアルというテーマの多彩な表現を見ていこう。

[2026年9月16日公開記事]
2026年新作時計からブルーダイアルモデルを3本紹介
ブルーは長年にわたり時計業界における定番のダイアルカラーのひとつだが、このカラーは特定のスタイルに限定されるわけではない。時に海洋的で、テクニカルでも、クラシカルでもあり、さらには極めてジュエリー的な印象を与えることもある。今回ピックアップした3本のブルーダイアルモデルが、この色の持つ幅広いイメージをはっきりと示してくれている。
ミドーの「オーシャンスター 39」は、海にインスパイアされた明るいブルーを基調としたモデルで、価格は1320ユーロだ。
ベル&ロスの「BR-05 36MM ブルーダイアモンド イーグル」は、ディープブルーのアヴェンチュリンガラスにいくつものダイヤモンドを配したダイアルを備える。価格は6400ユーロで、日本での販売価格は95万7000円(税込み)だ。
手巻きのモノプッシャークロノグラフであるアンジェラス「クロノグラフ テレメーター ブルーミニステリアーレ」は、イタリアで公用車や公共機関で使用されている落ち着いたブルーを採用している。2万2700ユーロのステンレススティールケースモデルと、4万2500ユーロのレッドゴールドケースモデルが用意されている。
アズールブルーのダイバーズウォッチ、ミドー「オーシャンスター 39」

自動巻き(Cal.72)。2万5200振動/時。パワーリザーブ約72時間。SSケース(直径39mm、厚さ10.5mm)。20気圧防水。1,320ユーロ。
新しいミドーの「オーシャンスター 39」は、今回ピックアップしたなかでは最も手頃な価格帯に位置するモデルだ。浅瀬の海を思わせるアズールブルーは、文字盤だけでなくベゼルや付属するラバーストラップにも採用されている。
本作の文字盤には、レリーフのような波模様が施されている。海底の砂の上に残る波跡を思わせるこの模様は、差し込む光によって表情を変える。インデックスと針にはたっぷりとホワイトのスーパールミノバが塗布されている。3時位置にはデイト表示が配され、文字盤を保護するサファイアクリスタル製風防には無反射加工が施されている。
逆回転防止機能付きの回転ベゼルはシルバーカラーの目盛りが書かれたブルーのアルミニウム製リングを備える。スーパールミノバが塗布された12時位置のドットはゼロポジションを示すものだ。
サテン仕上げとポリッシュ仕上げを組み合わせたケースは、ねじ込み式のリュウズとクローズドケースバックにより200mの防水性能を備える。またケースバックには「オーシャンスター」コレクションでおなじみのヒトデのレリーフがあしらわれている。

搭載するのはETAのA31.111をベースとするミドーのCal.72である。この自動巻きムーブメントは約72時間のパワーリザーブを備え、2万5200振動/時で駆動する。さらにニヴァクロン製ヒゲゼンマイを採用することで、耐磁性・耐衝撃性を高めた。
オーシャンスター 39には、ブレスレットとラバーストラップが付属する。3連のステンレススティール製ブレスレットはポリッシュ仕上げのセンターリンクと、ウェットスーツの上からでも着用できるよう、工具なしで長さを調整できるエクステンション機能を持つフォールディングクラスプを備える。ダイアルと同じブルーのラバーストラップへ付け替えることも可能で、どちらにもクイックチェンジシステムが採用されている。これにより、クラシカルなステンレススティール製腕時計と、ブルーで統一されたスポーツウォッチというふたつの楽しみ方ができるのが特徴だ。
星空を表現した、ベル&ロス「BR-05 36MM ブルーダイヤモンド イーグル ダイヤモンズ」

自動巻き(Cal.BR-CAL.329)。パワーリザーブ約54時間。SSケース(縦36×横36mm、厚さ8.7mm)。100m防水。95万7000円(税込み)。(問)ベル&ロス ブティック 銀座 Tel. 03-6264-3989
ベル&ロスの「BR-05 36MM ブルーダイヤモンド イーグル ダイヤモンズ」は、ブルーダイアルをまったく異なる方向で表現したモデルだ。文字盤はディープブルーのアヴェンチュリンガラス製で、夜空の星を思わせるインクルージョンがきらめく。文字盤上に配されたダイヤモンドのうち、7個はわし座を描き、12個はインデックスの役割を果たしている。
ラテン語で「Aquila」とも呼ばれるわし座は北半球で夏から初秋にかけて見ることができ、そのなかで最も明るい星であるアルタイルは、夏の大三角形を構成する星のひとつだ。本作では、10時と11時位置の間に配されている最も大きなダイヤモンドがアルタイルを示している。
アヴェンチュリンガラスは真鍮製のベースプレートに取り付けられているため、ダイヤモンドのセッティング用の穴は高い精度で加工される必要がある。個々のダイヤモンドは4本の爪でそれぞれの真鍮製台座にセットされており、文字盤にセッティングする際にアヴェンチュリンガラスに加わる負荷を軽減するような構造となっている。

文字盤には3つのサイズからなる計18個のダイヤモンドが配されている。それに加え、ポリッシュ仕上げされたベゼルの面取り部分に108個のダイヤモンドがセッティングされている。これにより本作はジュエリーウォッチの領域へと近づいているが、角を丸くしたスクエアケースに丸い文字盤を収め、4本のビスで留めるというBR-05のベースとなる幾何学的なフォルムは維持している。幅36mm、厚さ8.7mmというケースサイズは、BR-05の中では最も小さい仕様だ。
ステンレススティール製ケースはポリッシュ仕上げとサテン仕上げが組み合わされており、ステンレススティール製ブレスレットへとつながっている。ケースバックにはレーザー加工によりわし座が刻印され、防水性能は100mである。
搭載するのは、約54時間のパワーリザーブを持つ自動巻きムーブメントのCal.BR-CAL.329だ。表示機能は時・分・秒のみで、アヴェンチュリン文字盤の美観を損なわないよう、デイト表示を省いている。
イタリアの権威を象徴するブルー、アンジェラス「クロノグラフ テレメーター ブルーミニステリアーレ」

手巻き(Cal.A5000)。23石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約42時間。18KYGケース(直径37mm、厚さ9.25mm)。3気圧防水。4万2500ユーロ。
アンジェラス「クロノグラフ テレメーター ブルーミニステリアーレ」は、ブルーというテーマをオート・オルロジュリーの世界へと持ち込んだモデルだ。この特別仕様は、2025年の「クロノグラフ テレメーター×マセナ・ラボ」の系譜を継ぐものであり、本作でアンジェラスはイタリアの時計販売店4社とタッグを組んだ。
モデル名の「ブルーミニステリアーレ」とは、イタリアにおいて大統領公用車のカラーリングに使用されるなど、国や公的機関を象徴するシックなダークブルーを指す。ネイビーブルーとブラックの中間に位置する色合いで、落ち着いた控えめな印象を与えるカラーだ。
グレイン仕上げの文字盤は光の当たり方によって表情が異なり、サテン仕上げのフランジとのコントラストが際立つ。ゴールドカラーのインデックスと針がデザインに温かみを与える一方、随所に使われたレッドがアクセントを効かせている。一部の個体は、文字盤にタッグを組んだ販売店の名前が書かれており、これは著名な販売店とのダブルネームが施されていた往年の名作たちへのオマージュとなっている。
本作のケースサイズは直径37mm。クロノグラフのプッシャーはリュウズと一体になっており、ケースのクラシカルなデザインを損なわないようになっている。プッシャーを1回押すごとにスタート、ストップ、ゼロリセットが行われる。

ケース内部では、完全一体型手巻きムーブメントのCal.A5000が駆動する。このムーブメントはコラムホイールと垂直クラッチを備えている。スモールセコンドは9時位置、30分積算計は3時位置に配されており、パワーリザーブは約42時間だ。Cal.A5000は古典的なクロノグラフの設計を踏襲しており、モジュール式や自動巻きの構造とは大きく異なる。
クロノグラフ テレメーター ブルーミニステリアーレは合計30本が生産され、その内訳はステンレススティールケースモデルが20本、18Kイエローゴールドケースモデルが10本となっている。ケースバックには"Uno di Venti(20本のなかの1本)"もしくは"Uno di Dieci(10本のなかの1本)"というエングレービングが施されている。なお、本作はミラノのVerga 1947、ジェノバのMontres & Bijoux、トリエステのCamparini Gioielli in Reggio Emilia and P. Bastianiのみの取り扱いとなっている。




