実写版『ストリートファイター』でエドモンド本田役! 後藤洋央紀の腕元に光るパネライの腕時計

“荒武者”の異名を持つ新日本プロレスの後藤洋央紀。ヘビー級の最前線で長年闘い、G1 CLIMAX優勝やIWGPタッグ王座、NEVER無差別級王座など数々のタイトルを手にしてきた。2025年には9度目の挑戦でついに団体最高峰のIWGP世界ヘビー級王座奪取を果たした。そんな不屈のレスラーが、10月16日に全世界同時公開された映画『ストリートファイター/ザ・ムービー』でエドモンド本田役に抜擢された。リングと銀幕で闘う後藤の愛用時計に注目した。

後藤洋央紀

写真提供:東京スポーツ新聞社
2026年9月6日、東金アリーナで撮影された1枚。新日本プロレス『永田裕志Produce Blue Justice XIX~青義不撓~』の第6試合、8人タッグマッチに出場した後藤洋央紀は、見事勝利を収めた。
文:沼本有佳子
Text by Yukaco Numamoto
編集:土田貴史
Edited by Takashi Tsuchida
[2026年11月1日掲載記事]


世界の猛者が集う実写版『ストリートファイター』に、日本代表として参戦

 映画『ストリートファイター/ザ・ムービー』(原題『Street Fighter』)が、2026年10月16日(金)に全世界同時公開された。原作は1987年に日本でアーケードゲームとして誕生し、「対戦格闘ゲーム」というジャンルを確立して世界中にファンを持つカプコンの名作シリーズだ。実写化にあたっては、『ゴジラ』シリーズや『名探偵ピカチュウ』など、日本生まれの作品を数々ハリウッドで実写化してきたレジェンダリー・ピクチャーズと、生みの親であるカプコンが製作に携わっている。

 メガホンを取ったのはキタオ・サクライ監督。舞台は1993年で、疎遠になっていたリュウとケンが、謎の戦士・春麗によって「ワールドウォリアートーナメント」に招集されるところから物語が動き出す。キャストはケン役にノア・センティネオ、リュウ役にアンドリュー・小路、春麗役にカリーナ・リャン、ブランカ役にジェイソン・モモアと、ハリウッドの第一線で活躍する錚々たる顔ぶれだ。その中で、エドモンド本田を演じるのが、日本が誇るプロレスラー、後藤洋央紀である。

 エドモンド本田は日本代表の力士で、番付は大関。相撲という伝統文化の素晴らしさを世界に広めるため、あえてストリートファイトの旅に出たという異色のファイターだ。共演陣には、豪鬼役のローマン・レインズ、ガイル役のコーディ・ローデスといった米WWEを代表するトップレスラーも名を連ねる。そうしたスーパースターたちと、新日本プロレスから日本を背負って肩を並べる後藤の姿は、プロレスファンのみならず、映画ファンにとっても胸が熱くなる光景だろう。

 プロモーションの場でも、後藤は存在感を示した。9月1日に新宿で行われた来日イベントでは、「ファイトシーンで技が忠実に再現されている」と作品の完成度に太鼓判を押した。タレントの狩野英孝との『ストリートファイターII』対戦では、あっさりと狩野に敗れ、「手加減なしじゃないですか」と苦笑いする一幕も。屈強なファイターの意外な親しみやすさが、会場の笑いを誘った。後藤は、ゲームに熱中していた学生時代からエドモンド本田の使い手だったといい、出演の話が届いた際には運命的なものを感じたと明かしている。

 同イベントの予告上映では、本田の必殺技である「スーパー頭突き」や「百裂張り手」のシーンがスクリーンに映し出されると、会場からひときわ大きな歓声が上がった。公開2日前の10月14日に行われたジャパンプレミアでは、スーパー頭突きについて「リングの上でも効果的な技です」と自信をのぞかせつつ、「勢いがないと自分にもリスクがある危険な技なので、首を鍛えていない人はマネしないように」と、現役プロレスラーならではの注意喚起も忘れなかった。実際、9月27日の神戸大会でIWGPヘビー級王座に挑んだ際には、終盤にスーパー頭突きや本田ばりの手刀を繰り出している。鍛え抜かれたトップレスラーの肉体が体現するエドモンド本田には、本物だけが持つ説得力がある。


デビューから22年、9度目の挑戦で頂点をつかんだ“荒武者”の歩み

 後藤洋央紀は1979年、三重県桑名市生まれ。桑名工業高校のレスリング部で身体を鍛え、国士舘大学を経て、2003年7月6日、岐阜産業会館での田口隆祐戦でデビューを果たした。ヤングライオン杯優勝、IWGP Jr.タッグ王座獲得を経てヘビー級へ転向すると、過酷なリーグ戦として知られるG1 CLIMAXを制し、IWGPタッグ王座も獲得。ヘビー級の最前線で実績を積み重ねてきた。

 得意技は「GTR」と「昇天・改」。GTRは、相手の頭部を抱えた体勢から首にラリアットを打ち込み、同時に自身の右膝へ相手の首筋から背中を叩きつける複合技。昇天・改は、ブレーンバスターの要領で担ぎ上げた相手を振り子のように前方へ叩きつけ、同時に胸板へエルボーを落とす大技だ。いずれも数々の大一番でフィニッシュを飾ってきた、後藤の看板技である。

 キャリアのハイライトは2025年に訪れた。2月11日の大阪大会でザック・セイバーJr.を撃破し、9年ぶり、通算9度目の挑戦で団体最高峰のIWGP世界ヘビー級で悲願の初戴冠。試合翌日の会見では「デビューから22年かかりましたけど、ようやくIWGPのシングルを手にできた」と万感の思いを語った。戴冠の場では亡き父への思いも口にした。家業を継がずにプロレスの道を選んだ男が父に捧げたベルトは、ファンの胸をいっそう強く打った。

 2026年は1月にYOSHI-HASHI、ボルチン・オレッグとともにNEVER無差別級6人タッグ王座を獲得し、「もう一度、新日本のトップに返り咲いてやるぞ」と宣言。5月に同王座を手放したものの、夏のG1 CLIMAXではIWGPヘビー級王者(2026年にIWGP世界ヘビー級王座から名称変更)・辻陽太を公式戦で破り、9月27日の神戸大会で王座に挑んだ。惜しくも返り咲きはならなかったが、47歳の今なおリングの第一線で闘い続ける現役の闘神である。


リングの外の後藤洋央紀。SNSに写り込んだのはパネライだった


2026年4月15日、新日本プロレス公式インスタグラムへの投稿。強面でありながら愛嬌をたたえる後藤洋央紀だが、その腕元にはトップアスリートのこだわりが垣間見える。

 私服姿の一コマを切り取った写真で、後藤の極太の腕元にしっかりと巻かれているのが、パネライのアイコンウォッチ「ルミノール」だ。プロレスラーならではの分厚く頑強な手首に、44mmという大ぶりのクッションケースが少しの窮屈さもなく収まり、むしろ持ち主の体躯と見事に調和している。この“圧倒的なサイズ感”こそ、屈強な男たちがこぞってパネライを選ぶ理由だ。

 後藤の腕で確かな存在感を放つパネライ。その代表作「ルミノール マリーナ」について、その歴史と哲学を紐解いていこう。パネライは1860年、イタリア・フィレンツェで創業。イタリア海軍の特殊潜水部隊に軍用精密機器や腕時計を納入してきた歴史を持ち、極限の環境に耐えるタフさと、暗闇でも抜群の視認性を誇るデザインを代名詞としている。

 「ルミノール」の名は、同社が1949年に特許を取得した自発光塗料「ルミノール」に由来する。そして、このコレクションを象徴する最大の特徴が、ケース右サイドに備わるレバーロック式のリュウズプロテクターだ。1955年に特許を取得したこの機構は、過酷な任務の最中でも外部からの衝撃や誤操作からリュウズを物理的に守り抜き、高い防水性を確保する。さらに、手首になじむクッションケースや、3時位置に日付表示、9時位置にスモールセコンドを配したサンドイッチ文字盤も見逃せない。2枚のプレートを重ね、上層の切り抜きから下層の夜光塗料をのぞかせる構造により、数字やインデックスが暗所でもくっきりと浮かび上がる。まさに機能美の結晶といえるモデルである。


50気圧防水を実現した、最新世代の「ルミノール マリーナ」

 ルミノール マリーナは、近年2つの世代を経て進化してきた。2016年に登場した先代(PAM01312など)は、自社製キャリバーP.9010を搭載し、3日間のパワーリザーブと30気圧(300m)防水を備える。そして2025年に誕生した最新世代がPAM03312だ。自動巻きのCal.P.980を搭載し、ケース厚を13.7mmに抑えながら、防水性能は50気圧(~500m)へと向上。P.980のコンパクトな設計が、ケースのプロポーション改善と軽量化にも貢献している。さらに「PAMクリックリリースシステム™」により、工具を使わずにストラップを交換可能。標準のアリゲーターストラップから付属のラバーストラップへ瞬時に付け替えられ、ドレスからスポーツまで、シーンに応じて表情を変えられる。

 海軍特殊潜水部隊の過酷なミッションに耐え抜くため、リュウズを頑強なレバーロックで守り抜くパネライの「ルミノール」。その姿は、デビューから22年、幾度もの挫折を味わいながらも折れることなく、9度目の挑戦でついにIWGPの頂点へとたどり着いた後藤洋央紀の不屈の生き様と、あまりにも重なる。奇しくも、パネライが初の民間向けコレクションを発表したのは1993年9月10日。舞台はイタリア海軍の駆逐艦の船上だった。そして映画『ストリートファイター/ザ・ムービー』の舞台設定も、同じ1993年である。パネライが軍用時計の枠を超えて広い世界へ歩み出したその年を舞台にした作品で、後藤もまた、リングを飛び出して新たな闘いの場へと踏み出したのである。

 劇中のエドモンド本田が、相撲という日本伝統の魂を世界へ広めるために旅立ったように、後藤もハリウッド大作への出演をきっかけに、日本のプロレスの熱量をスクリーンの向こうの世界へと届ける存在になった。リングという主戦場、そして世界が注目する銀幕。タフな相棒を腕に巻き、“荒武者”は国境を越えて闘い続ける。

パネライ「ルミノール マリーナ」Ref.PAM03312

パネライ「ルミノール マリーナ」Ref.PAM03312(※現行モデル)
自動巻き(Cal.P.980)。23石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約72時間。SSケース(直径44mm、厚さ13.7mm)。50気圧防水。140万8000円(税込み)。



Contact info:オフィチーネ パネライ Tel.0120-18-7110


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【84点】パネライ/ルミノール マリーナ