クロノスイス、エレクトリックブルーの「フライング・レギュレーター オープンギア レ・セック」

FEATUREWatchTime
2019.09.12

スイスのルツェルンに拠点を置くクロノスイス。同社の代表作と言えばレギュレーターウォッチだ。レギュレーターとは時分針が同軸上にない表示機構であり、19世紀に多く使われたこの機構を用いて、クロノスイスは新作や派生モデルを生み出し続けている。2018年には歯車やブリッジを文字盤上に配しオープンワークを施した「オープンギア」シリーズを発表。さらに2019年には同シリーズからスモールセコンドをレトログラード秒表示に変更した「フライング・レギュレーター オープンギア レ・セック」を追加した。この意欲的な新作において特筆すべきは、時計業界ではほどんど見られない「エレクトリック・ブルー」のカラーだろう。

Originally published on watchtime.com
Text by Mark Bernardo

クロノスイス「フライング・レギュレーター オープンギア レ・セック」

フライング・レギュレーター オープンギア レ・セック

クロノスイス「フライング・レギュレーター オープンギア レ・セック」。Ref.CH-6926-BLBL。自動巻き(Cal.C.301)。33石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約42時間。SSケース(直径44mm、厚さ13.35mm)。100m防水。世界限定50本。153万円(税別)。


 フライング・グランドレギュレーター オープン ギア レ・セックの人目を引く光沢あるブルーカラーは、ステンレススティール製ケースへのDLC(ダイヤモンドのようなカーボン)加工によるものである。これは4500ビッカースの硬度をもたらして、ケースの耐傷性を高めることに貢献している。17ピースから成る直径44mm、厚さ13.35mmのケースには、文字盤側にデザイン性をもたらすよう設計された自動巻きキャリバーC.301が収められている。一部分にスケルトン仕上げが施された輪列やブリッジはしっかりとネジ留めされており、12時位置にはオフセンターの時表示、大きな中央の分針、30秒ごとに元の位置に戻る120°の扇形の中を往復運動する、モデル名の由来ともなったレトログラードの秒表示が6時位置に備えられている。ケースの色合いと同じブルートーンの文字盤には手作業でローズのようなギヨシェ模様が施された。大きな円柱状のアワーインデックスはセラミックス製で、そのトップにはスーパールミノバが塗布されている。時分針にも内側にスーパールミノバが塗布されており、その縁取りと秒針にあしらわれた明るいブルーは、このモノクロームな色調を反映している。

レギュレーター

ケースにはエレクトリック・ブルーのDLCコーティングが施されており、文字盤には古い手動旋盤機を用いたギヨシェ装飾が施されている。

 ケースのラグには装着性を求めて緩やかなカーブがつけられている。ケースサイドにあしらわれたコインエッジのモチーフや、玉ねぎ型のリュウズはクロノスイスの特徴だ。レザーストラップには、ブルーのホーンバッククロコダイルが採用されている。サファイアクリスタル製のケースバックからは毎時2万8800振動、約42時間のパワーリザーブ、ケースと文字盤と同じブルーのローターによって巻き上げられるムーブメントが鑑賞できる。
 フライング・レギュレーター オープンギア レ・セックは、このブルーモデルの他にも4モデルを展開し、いずれも世界限定50本として発表された。

スーパールミノバを施した部分は、暗闇で明るいブルーに浮き上がる。


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