自分の時計はエコ?未来を見据え、社会貢献活動に取り組むブランドの努力(前編)

FEATUREWatchTime
2020.01.29
ショパールは「エシカルゴールド」(写真左)のみを使用するにとどまらず、南米の小さな鉱山にも投資を続けている(写真右)

 2018年夏、ショパールが公開したレポートは業界にセンセーションを巻き起こした。それ以来ショパールでは、金に関し同社が「エシカルゴールド」と呼ぶものだけを製品に使用している。「エシカルゴールド」とは2つの条件にて定義されており、ひとつはRJCが認定したサプライヤーから購入すること。そしてふたつめの基準は非常にユニークだ。なんとウォッチ・ジュエリーブランド自らが、ゴールド採掘の現場で活発に活動しているのである。コロンビアに拠点を置くAlliance for Responsible Mining(ARM)と協力し、職人たちが自ら作業をする南米の小さな鉱山に投資を行っているのである。同時にショパールは世界的にも有数の、公正に採掘されたゴールドの買い手でもある。ショパールの副社長であるクリエイティブディレクターのキャロライン・ショイフレは、あるときこの点について次のように発言し注目を集めた。

「真のラグジュアリー・ブランドは、自分たちの製品がどのように原料調達されたかを理解しておくべきと考えます。また私たちは、お客様にショパールの美しい製品がどのように生まれたかを伝えられることに誇りを感じています。これらのストーリーを耳にしたお客様が、ジュエリーピースを身に着けるとき、それをさらに誇らしげに感じて下さるのではと、私達は考えているのです」

 時計業界の持続性において、原料がどこで調達されたかということは実に重要なポイントだ。その他の重要な環境的要素は、日々の時計製造から引き起こされている。その点IWCは、率先して気候に与える影響についての行動を起こしてきた。スイスのシャフハウゼンに拠点を置くIWCは、100%リサイクル可能な原料に基づくエネルギーを使用している。それに加え2018年にオープンした工房では、現代の気象環境に優しい建築方法が採用され、2020年には二酸化炭素排出の10%削減を目指しているという。

レース・フォー・ウォーター財団は、海洋環境保全と海洋廃棄物撤去に力を入れている団体だ。ブレゲは最新の「マリーン」コレクションを、当該団体との活動を世に広めるプラットフォームとして採用している。

 倫理的、環境的責任を果たそうとしているのは、なにもIWCだけではない。IWCもそのメンバーの一員であるリシュモン・ラグジュアリーグループは、「リシュモン・グリーン・ハンドブック」を考案し、そのなかで原材料の原産地保証や環境保全の指針に関する規定について触れている。特に商品を包むカバーやパッケージ類は環境に直結した側面を持っており、リシュモンでは“軽減・再利用・リサイクル”を掲げ、より良い方向へ踏み出す取り組みを進めているのだ。またIWCでは持続可能なパッケージ採用に向けて委員会を設立し、2020年までにパッケージの重量と体積の30%の削減を目指しているという。

 スウォッチグループもまた大きなスイスのラグジュアリーグループであり、持続可能な建築という面で多くの注目を集めている。プリツカー賞を受賞した日本の建築家である坂茂は、ビエンヌのスウォッチブランド新本社社屋計画を担当した。革新的な木造建築物はエネルギーを節約し、排気を削減するという設計が話題となった。

(後編へ続く)