一流のセレブたちは一体どんな腕時計を選ぶのか? 世界のセレブたちのプライベートなワンシーンを切り取り紹介する連載コラム「セレブウォッチ・ハンティング」。今回は現在放送中のTBSドラマ「病室で念仏を唱えないでください」や、NHKの大河ドラマ「麒麟がくる」に出演中の俳優・伊藤英明が選ぶ腕時計を紹介しよう!
伊藤英明
1975年8月3日、岐阜県生まれの伊藤英明。テレビドラマやバラエティー番組で人気の俳優だ。今回紹介する腕時計の購入経緯をご存じの方もいるかもしれない。左手の時計「マリーン ロイヤル 5847」は、2011年にフジテレビ系列「とんねるずのみなさんのおかげでした」でゲストが自腹で高級時計を買う企画において購入されたものだ。
場所はスペインを代表するジュエリーショップ「SUAREZ」。もともと「マリーン クロノグラフ5827」を所有するブレゲファンのとんねるず・石橋貴明がこの時計を薦め、伊藤は促されるままに購入へ至るという展開であった。しかし伊藤にとってはお気に入りの1本となったようである。今回の写真は番組放送の翌年にイタリアで撮られた彼の姿だ。当時は、伊藤の代表作となった『海猿』シリーズの映画4作目が公開された頃である。本作で海上保安官の潜水士の役を演じ、またプライベートにおいてもスキューバダイビングを趣味に持つ伊藤。海と縁の深い彼にとって、かつてブレゲ創業者であるアブラアン-ルイ・ブレゲがフランス国王から王国海軍時計師の称号を授けられたことにその名の由来を持つ「マリーン」は好ましい選択だったのだろう。
ブレゲ 「マリーン ロイヤル 5847」
「マリーン」は、クラシックなブレゲにスポーツテイストを加えて1990年に発表された、いわゆるスポーティーウォッチの先駆けである。伊藤が着用するのは、大径化と防水性強化を遂げた第2世代マリーン、かつアラーム機能を備えるモデルだ。水中でのアラーム音は、一般的に空気中の環境よりも雑音が少ないため認識されやすく、また水上に比べて音の伝わる早さが約4倍となる。伊藤もおそらくダイビング中にこの機能を活用したことだろう。
2009年発表の「マリーン ロイヤル 5847」は日本では在庫が非常に少なく、直営ブティックにほぼ残っていない希少モデルとなっている。
なお、現行モデルとなる第3世代は2018年よりスタートしている。スポーティーさを強調した前作とは異なり、インフォーマルな要素がより強められた。ベルトを留めるラグがプレートに改められたほか、文字盤のデザインが刷新されている。
「マリーン ロイヤル 5847」の後継機にあたるアラーム機能付きモデルが「マリーン アラーム ミュージカル 5547」だ。アラーム表示がセンターから3時位置のサブダイアルへ移ったほか、9時位置には第2時間帯表示が加わった。
「マリーン」第3世代のアラーム機能付きモデル
ブレゲ 「マリーン アラーム ミュージカル 5547」
なお、一般的には禁忌とされるスポーツウォッチへのアラーム機能搭載。強い衝撃を受けると、ケースと当たって音が鳴るためだ。ブレゲは音質を損なうことなくゴングの剛性を高め、ケースと接触しにくくすることでユニークな機能を載せるに至ったのだ。
ブレゲ「マリーン」をより楽しみたい方は、下記の記事をご高覧あれ。
・アイコニックピースの肖像 ブレゲ / マリーン Part.1
https://www.webchronos.net/iconic/32841/
・アイコニックピースの肖像 ブレゲ / マリーン Part.2
https://www.webchronos.net/iconic/32894/