一流のセレブたちは一体どんな腕時計を選ぶのか? 世界のセレブたちのワンシーンを切り取り紹介する連載コラム「セレブウォッチ・ハンティング」。今回は、映画「007」シリーズ最新作『ノー・タイム・トゥ・ダイ』の映画監督、キャリー・フクナガが選ぶ腕時計を紹介しよう!
キャリー・フクナガ
新型コロナウイルス感染症拡大によって衝撃のニュースが続いた2020年の春、大型展示会の行方をはじめ時計業界も大いに揺れた。映画ファンの時計愛好家には3月4日に報じられた「007」シリーズ最新作『ノー・タイム・トゥ・ダイ』の公開延期も、インパクトの強い知らせだっただろう。改めて11月20日の上映を心待ちに、カウントダウンを再設定していきたい。
今作から新監督に就任しメガホンを取るのは、日系アメリカ人のキャリー・フクナガだ。この写真は、2018年に撮られた1枚である。Netflixのダークコメディドラマ『マニアック』(女優エマ・ストーンと俳優ジョナ・ヒルの共演作)の上映発表を行う姿である。1977年、アメリカ・カリフォルニア生まれの若き新鋭はどんな腕時計を選ぶのだろうか。その手元を見てみよう。
ブラックスーツに合わせたのは、この角度からも時刻が判別できるほど良好な視認性の時計である。ジャガー・ルクルトの「ジオフィジック トゥルーセコンド」だ。
ジャガー・ルクルト
「ジオフィジック トゥルーセコンド」
「ジオフィジック」、その名称は「国際地球観測年(ジオフィジカルイヤー)」にちなんで付けられたものである。国際地球観測年とは、1957年から1958年にかけて実施された国際科学研究プロジェクトのひとつであり、この時期にオーロラ、太陽活動、宇宙線、地磁気、南極や北極、氷河といったさまざまな分野の観測が世界規模で行われた。これを記念してジャガー・ルクルトが1958年に発表したのが、ジオフィジックの原型となる腕時計だ。科学者や研究者が調査や実験をする際に使うことを想定し、耐磁性、防水性、視認性や正確さを重視した手巻き式の腕時計が製作された。
これにオマージュを捧げる形で2015年に誕生したのが「ジオフィジック トゥルーセコンド」である。ビジュアルは往年のモデルに範を取りながら、自動巻きムーブメントには同社の先端技術が用いられた。空気抵抗を軽減するための特殊な形状のテンプ「ジャイロラボ」や、秒針が1秒1秒進む「ステップ運針」機構の採用などだ。
キャリー・フクナガはこの腕時計を、カジュアルダウンした際にブルゾンと合わせたりと幅広いシーンで着用している。彼自身、187cmの長身と端整な顔立ちをしていることからその装いに焦点が当てられることも多い。
映画『007 ノー・タイム・トゥ・ダイ』、今作は俳優ダニエル・クレイグによる6代目ジェームズ・ボンドの最終作ともされている。「007」シリーズの監督として初のアメリカ人であり、また名だたるビッグネームの監督候補たちを押さえて大抜擢されたキャリー・フクナガ。シリーズ25作目をどう描いたのか、今後の活躍も含めて注目度の非常に高い監督だ。
Own a piece of film history with a clapperboard from Daniel Craig’s final film as 007. Signatures include Daniel Craig, @NaomieHarris, @LashanaLynch, @Ana_d_Armas and @billieeilish. The BLUE Auction is in aid of #NHS Charities Covid-19 URGENT APPEAL. https://t.co/yMn2v1khJC pic.twitter.com/DNStjNbKve
— James Bond (@007) April 28, 2020
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