IWC「ポートフィノ」のすすめ。時代に左右されないデザインを楽しもう

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2024.04.14

2024年、IWCは「ポルトギーゼ」から、豊富に新作モデルをリリースした。ポルトギーゼはIWCの中でも、高い人気を誇るコレクションだ。しかし、IWCで“人気”といえば、「ポートフィノ」も忘れてはならない。本記事では、時計愛好家からの注目も高い、ポートフィノの魅力について深堀していこう。

ポートフィノ


クラフトマンの技が光るIWC

一流の時計メーカーは多数存在するが、そのひとつであるIWCの特徴は、高い技術力にある。

ものづくりを追求する姿勢においては他社の追随を許さない。そんなIWCの歴史とポリシーについて触れてみよう。

アメリカ人創業のスイス名門ブランド

フロレンタイン・アリオスト・ジョーンズ

フロレンタイン・アリオスト・ジョーンズ(1841-1916)はマサチューセッツ州ボストン出身の時計職人で、南北戦争の終戦後にアメリカの時計製造会社E.ハワード&カンパニーに入社。1867年に渡欧し、翌1868年にインターナショナル・ウォッチ・カンパニーの前身となるF・A・ジョーンズ&カンパニーを設立する。

高級時計といえば、スイスをイメージする人は多い。実際、高級時計ブランドとして名を連ねているのは、スイスの熟練技師が彼の地で創設したものが大半だ。

IWCも、スイスの名門として知られるブランドで、1868年に産声を上げた際の正式な企業名は、International Watch Company(インターナショナル・ウォッチ・カンパニー)という。

だが、その創業はアメリカ人の時計技師であるフロレンタイン・アリオスト・ジョーンズによるものだ。この点に、大きな特徴がある。

アメリカで生を受け、時計に魅了されたジョーンズが、スイス人の職人であるヨハン・ハインリッヒ・モーザーと協力し、スイスのシャフハウゼンで設立したことが始まりなのだ。

高い技術を誇るがゆえの修理体制

IWCを一流時計メーカーに押し上げた背景には、同社の長い歴史のなかで培われた高い技術力がある。それゆえIWCの時計は、いずれも高い完成度を示している。

そして、時計作りに対する高いレスポンシビリティーも備えている。それを強く現しているのが「永久修理」と称されることもある、アフターサービス体制だ。

良い時計ほど、愛着が深まるものである。だからこそ、一生ものとして時計を選ぶ際には修理や保証といったサポートを注視する必要がある。

過去に製造した時計の部品をいつまでも保管しておくことは、大きな手間とコストがかかる。多くの有名メーカーでも、一定期間が経過したら修理を受け付けないケースがあるのはそのためだ。

しかしIWCは、一度オーナーの手に渡った時計は修理する姿勢を貫いている。1868年の創業から現在に至るまで、世に送り出したすべての時計の修理を受け付けているというのだ。


ポートフィノの歴史

長い歴史を有し、いくつもの時代を駆け抜けてきたIWCであるが、「ポートフィノ」はその輝かしい1ページを鮮やかに飾るコレクションだ。

時代によって流行が移り変わる中、基本的なコンセプトを維持しながらも、時流に沿ったデザインを施しながら高い支持を得てきた。そのポートフィノの歴史を見てみよう。

1984年に生まれたロングセラーモデル

ポートフィノ

1984年にクラシカルなゴールド製のラウンドケースを採用して、自社の伝統へと立ち返った「ポートフィノ」。その第1弾として発表されたRef.5151はシリーズを牽引するモデルとなった。

ポートフィノのデビューは、1984年のことである。誕生からわずか30年超の歴史において、たび重なる仕様変更が行われてきたが、基本的なデザインを守り抜きながら現在に至っている。

その名は、イタリアのリグーニア海外に面する漁村であり、高級リゾート地の「Portofino(ポルトフィーノ)」にルーツを持つ。絵画のような美しい港でも知られ、世界的テーマパークのセットのモチーフに採用されたことでも有名だ。

ポートフィノの多くで見られるのは、12時と6時のポジションにはローマンインデックスをあしらい、3時位置にはデイ表示を配したデザインで、時を刻む様子は実に優雅だ。

90年代から現在までの変遷

ポートフィノ・ハンドワインド

1990年代に入ると「ポートフィノ」はサイズダウンを図り、よりエレガントなたたずまいに。なかでも1993年に発表された2針モデル「ポートフィノ・ハンドワインド(Ref.2010)」は、ケース径32mmの繊細なルックスで注目を集めた。

ポートフィノの原型は、IWCの懐中時計「レピーヌ」にある。大型ケースを特徴としているのはそのためだ。

1990年代に入ると、ベーシックなコンセプトはそのままに、サイズダウンが図られていく。その結果、腕時計としての実用性がより向上することとなる。

「IW3513」には、90年代におけるポートフィノの特徴が随所に盛り込まれている。ケースは直径34mmと小ぶりなサイズで身に着けやすく、ファンも多い。

2003年に発表された「IW3533」では、大きな変化が見られた。それは、筆記体ロゴが無くなったことだ。

11年になると、また新たな変化が現れる。「IW3565」では、12時と6時にローマンインデックスが採用されたのである。

愛好家が好む筆記体ロゴ

IWCのかつてのモデルは「オールドインター」とも呼ばれている。クラシカルなデザインと永久保証による安心感からアンティーク市場でも高い評価を受ける同社の時計に対する、敬意を込めた呼び名だ。

そんなオールドインターのファンから支持を得ているのが、筆記体ロゴをあしらったモデルだ。

現在はブロック体であるロゴ表記だが、筆記体ロゴにIWCの歴史を感じ、ノスタルジーに触れる愛好家は多い。


ポートフィノの魅力

IWC「ポートフィノ・オートマティックデイ&ナイト 34」Ref.IW459801
ポートフィノの現行コレクションには、レディース向けのサイズや意匠を備えたモデルもラインナップされている。パートナーとシェアしたり、ペアウォッチにしたりするのも良いだろう。自動巻き(Cal.35180)。24石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約50時間。SS(直径34mm、厚さ8.9mm)。50m防水。95万7000円(税込み)。

IWCが誇る「ポートフィノ」は、クラシカルなデザインによってソフィスティケートされた雰囲気を生んでおり、あらゆるシーンにマッチする。

高級時計に関心を寄せ始めた人から熱心な時計ファンまで、幅広い層に支持されるポートフィノの魅力について掘り下げてみよう。

時代に左右されないデザイン

ポートフィノは、誕生から30年以上を経ても、年齢や性別を問わずに愛され続けるコレクションであり、IWCの中でも常に高い人気を獲得している。

その大きな理由に、時代に左右されることのないルックスが挙げられる。どの時代でもクラシカルなデザインは支持されるもので、ポートフィノはそうした声に確実に応えている。

シンプルな造形を追い求めた同シリーズは、スマートなリーフ型の針や立体感を生み出すアプライドインデックスを特徴とし、シンプルでエレガントなたたずまいに仕上げている。

流行におもねることなく、時計の伝統に裏打ちされた上品な魅力を追求。手にしてみればポートフィノだけがまとう品格を、存分に感じられるはずだ。

時計通からも愛される名機

実用性に優れたポートフィノは、大型のケースも特徴のひとつだ。視認性を確保した文字盤は、確実に時を教えてくれる。

ビッグサイズでありながらスマートさを感じさせるのは、ミニマリズムを追求した結果である。

不要な装飾を排除し、ディテールにまで研ぎ澄まされた意匠を凝らしたポートフィノには、名機の風格を感じさせる。

それゆえに、政財界などのトップが集うフォーマルなシーンにもふさわしい、時計通からも愛される、極上の逸品と言えるのだ。


ポートフィノのおすすめモデル

高い技術力に支えられつつ、いつの時代にもフィットするモデルがリリースされる「ポートフィノ」は、高級時計の世界への入口としても最適なコレクションといえる。

そんなポートフィノのおすすめモデルを紹介していこう。

ポートフィノ・クロノグラフ

IWC ポートフィノ・クロノグラフ

IWC「ポートフィノ・クロノグラフ」Ref.IW391502
繊細な表情が目を引く「ポートフィノ・クロノグラフ」は、1960年代のデザイン様式を再現したもの。ドーム型のサファイアガラスとベージュのカーフストラップが、クラシカルな雰囲気を強めている。自動巻き(Cal.69355)。27石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約46時間。SSケース(直径39mm、厚さ13mm)。5気圧防水。96万8000円(税込み)。

「ポートフィノ・クロノグラフ」は、シリーズ特有の伝統的なデザインを基に、スポーティーなテイストを加味した、幅広い世代に人気のモデルだ。

最大の特徴は、独特な形状のプッシュボタンで、ダイアルもクラシックカーのコックピットを思わせるレトロかつ機能的なデザインとなっている。

カーフストラップ、アリゲーターストラップがラインナップされており、いずれもクラシカルながら、行動力や若々しさが感じられる。それゆえ、若い時計ファンにも適したモデルだ。

ポートフィノ・ハンドワインド・ムーンフェイズ

ポートフィノ・ハンドワインド・ムーンフェイズ

IWC「ポートフィノ・ハンドワインド・ムーンフェイズ」Ref.IW516401
ダイアル12時位置のムーンフェイズ表示に加え、約8日間のパワーリザーブも備えた「ポートフィノ・ハンドワインド・ムーンフェイズ」。シースルー仕様のケースバックからは自社製キャリバー59800の繊細な仕上げが望める。付属するアリゲーターストラップはイタリア・サントーニ社製だ。手巻き(Cal.59800)。30石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約192時間。SSケース(直径45mm、厚さ13.1mm)。3気圧防水。192万5000円(税込み)。

ムーンフェイズ仕様の時計は、ロマンティックな雰囲気を醸し出すことで人気のスタイルだ。

「ポートフィノ・ムーンフェイズ」は、クラシカルなたたずまいに月の満ち欠けを示す表示機能を組み合わせることで、よりエレガントな装いを演出してくれる。

ポートフィノコレクションのうち、ハンドワインドやオートマティックのシリーズにおいてラインアップされるムーンフェイズから、好みのデザインを見つけて欲しい。

ポートフィノ・オートマティック・ムーンフェイズ

IWC ポートフィノ・オートマティック・ムーンフェイズ

IWC「ポートフィノ・オートマティック・ムーンフェイズ」Ref.IW459401
同じくムーンフェイズを搭載した、オートマティックモデル。自動巻き(Cal.35800)。25石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約42時間。SSケース(直径40mm、厚さ11.1mm)。3気圧防水。102万3000円(税込み)。

「ポートフィノ・オートマティック・ムーンフェイズ」シリーズのRef.IW459401は、ムーンフェイズ機能を搭載した時計としては初めて直径40mmのケースを採用したモデルだ。従来は37mmもしくは45mmというサイズであったが、ミドルサイズにすることで存在感と機能性を両立させ、より幅広い層からの人気を得ている。

すっきりとした文字盤を持つがゆえに、12時位置のムーンフェイズ表示が引き立つ。ケース厚も11mmほどに抑えられているため、エレガントな装いにぴったりの1本だろう。

ポートフィノ・オートマティック

ポートフィノ・オートマティック

IWC「ポートフィノ・オートマティック」Ref.IW356523
「ポートフィノ」シリーズの基礎であり、その繊細さを最も分かりやすく表しているのが3針モデルの「ポートフィノ・オートマティック」。写真のモデルは、ステンレススティール製ケースとディープブルーのダイアルにゴールドメッキの針とインデックスを組み合わせ、上品な調和を見せている。自動巻き(Cal.35111)。25石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約42時間。SSケース(直径40mm、厚さ9.2mm)。3気圧防水。70万9500円(税込み)。

「ポートフィノ・オートマティック」は、コレクション内で最もスタンダードなモデルとして根強い人気を集めている。

84年に発表されて以降、数回のモデルチェンジを経ており、いつの時代にも控えめでありながらも高貴な空気を生み出してきた。

シンプルで飽きのこないデザインは、いつまでも愛用できるモデルを探すユーザーに打ってつけといえる。


近年のモデル

「ポートフィノ」は、伝統に強く根を張りながらも、時代ともしっかりと歩調を合わせて進化を続けている。近年のモデルを紹介していこう。

男女問わず着用しやすい34mmサイズ

IWC ポートフィノ34

IWC「ポートフィノ・オートマティック 34」Ref.IW357403
自動巻き(Cal.35100)。25石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約42時間。SSケース(直径34mm、厚さ8.6mm)。3気圧防水。59万4000円(税込み)。

「ポートフィノ・オートマティック 34」は、ポートフィノコレクションの中でも小径の、34mmケースを備えることを特徴とする。

小ぶりなサイズ感によって、いっそうクラシカルとエレガンスが強調されており、男性のドレスウォッチとしてはもちろん、女性にもおすすめしたい1本だ。

なお、写真のシルバー文字盤のほか、グリーンやブルーなどのバリエーションも展開されている。

ブルーの文字盤を採用したRef.IW356522

ポートフィノ・オートマティック

ポートフィノ・オートマティック
自動巻き(Cal.35111)。25石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約42時間。18KRGケース(直径40mm、厚さ9.2mm)。3気圧防水。183万7000円(税込み)。

コレクションの中で最もスタンダードなスタイルを貫く「ポートフィノ・オートマティック」シリーズにラインナップされるRef.IW356522は、ブルーの文字盤を採用したルックスが異彩を放つモデルだ。

18Kレッドゴールド製のケースとブルーの文字盤のコントラストによって生まれる重厚な雰囲気は、強い存在感を導き出すことに成功している。

本作では、ケースにステンレススティールを採用し、引き締まった精悍な印象となっている。

シンプルでクォリティの高いポートフィノ

質実剛健というイメージがあるIWCの真骨頂は、伝統に支えられた技術力にある。虚飾を排したシンプルなたたずまいと高い品質に、その真価が表れている。

ポートフィノは、そんなIWCの理念を最も具現化した、代表的なコレクションである。真の時計ファンにこそ、その魅力にぜひ触れて欲しい。



Contact info:IWC Tel.0120-05-1868


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