ミリタリーウォッチをルーツに持つモデル5選

FEATUREWatchTime
2020.08.11

軍用車から派生したジープや全地球測位システムのGPS、そしてインターネットのように、元々、軍事用途に開発されて、のちに民間に広がったものは数知れない。そしてそれはもちろん、腕時計においても同様だ。ここでは陸海空の兵士のために作られた時計を起源に持つ、5本のミリタリーウォッチを紹介する。

Originally published on watchtime.com
Text by Mark Bernardo

ブランパン「フィフティ ファゾムズ オートマティック」

フィフティ ファゾムズ オートマティック

ブランパン「フィフティ ファゾムス オートマティック」
自動巻き(Cal.1151)。28石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約96時間。SS(直径40.3mm)。300m防水。完売。(問)ブランパン ブティック銀座Tel.03-6254-7233

 1953年発表の「フィフティ ファゾムス」は、近代的ダイバーズウォッチの祖として知られる。同作はダイバーとしての顔を持つ、当時のブランパンCEO、ジャン-ジャック・フィスターが、フランス海軍のロベール・マルビエ大尉とクロード・リフォ中尉の意見を取り入れながら開発しており、完成後は世界各国の海軍で使用された。

 写真の「フィフティ ファゾムズ オートマティック」は2017年に発表された限定モデルだ。1957年に発表され、アメリカ海軍に納品されていた「Mil-Spec1」を復刻したモデルである。

 特筆すべき特徴は6時位置の大きなディスクで、ケース内に液体が入り込むとホワイトの部分がレッドへ色を変えるというものだ。ケースは300m防水と、オリジナルモデルの約91.45m(=50ファゾムズ)からアップグレードされている。搭載されているのはブランパンの自社製自動巻きムーブメントCal.1151で、連結されたツインバレルから約96時間のパワーリザーブを生み出す。

 500本が限定で発売され、すでに完売済みだ。


チューダー「ブラックベイ P01」

ブラックベイ P01

チューダー「ブラックベイ P01」
自動巻き(Cal.MT5612)。26石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約70時間。SS(直径42mm)。200m防水。38万8000円(税別)。(問)日本ロレックス/チューダーTel.03-3216-5671

 1950年代よりアメリカ海軍へのサプライヤーとしてダイバーズウォッチを提供していたチューダーは、製造中止になった「オイスター プリンス サブマリーナ」Ref.7928に代わるダイバーズウォッチを67年より開発していた。このダイバーズウォッチのプロトタイプがコードネーム「コマンドー」であり、「ブラックベイ P01」のオリジナルモデルだ。

 ブラックベイ P01ではコマンドーから踏襲された点も多くみられ、42mm径のステンレススティール製ケース、4時位置のリュウズ、エンドリングを外してロックを解除させる両方向回転ベゼルなどを備えている。

 マットブラックの文字盤には、蓄光塗料が塗布されたインデックス、69年からチューダーのダイバーズウォッチに採用されている「スノーフレイク針」が合わせられている。ケースは200mの防水性能が与えられた。

 搭載されるムーブメントは自動巻きのCal.MT5612で、約70時間のパワーリザーブとシリコン製ヒゲゼンマイ、フリースプラングテンプを備える。ブラックベイ P01には、ラバーベースにブラウンレザーを合わせたストラップがケースに取り付けられている。クラスプはプロトタイプと同じサテン仕上げだ。


ブレモン「アームドフォース ブロードスウォード」

ブレモン

ブレモン「アームドフォース ブロードスウォード」
自動巻き(Cal.BE-95-2AV)。31石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約38時間。SS(直径40mm)。100m防水。日本未入荷。

 英国防衛省とのパートナーシップに基づいて開発された「アームドフォース」コレクションは、そのインスピレーションを第二次世界大戦中に英国軍のために作られた「ダーティダース(Dirty Dozen)」から得ている。

 ブレモンの軍用時計としては初めて民間での購入が可能で、ケースバックにはこれもブランド初となる、英国海軍・陸軍・空軍(RAF)の紋章が入っている。戦時中に使われていた時計同様、この時計も高い防水性能と夜間の視認性、クロノメーター取得の高い精度など、戦場で求められる厳しい基準に合致している。

 写真の「アームドフォース ブロードスウォード」はダーティダースが持っていたクラシカルな「フィールドウォッチ」の外観を踏襲している。40mm径の2部構造の硬化させたステンレススティール製ケースに、3時位置のデイト表示と時分針、そしてスモールセコンドを組み合わせたシンプルな構成がそうだ。

 ブラックの文字盤上にあるホワイトのアラビア数字インデックスと時分針にはミントカラーのスーパールミノバが塗布されている。搭載される自動巻きムーブメント、Cal.BE-95-2AVはC.O.S.C.のクロノメーター認定を受けているが、パワーリザーブが約38時間しかない点のみ残念だ。


ロンジン「ロンジン アヴィゲーション タイプA-7 1935」

ロンジン アヴィゲーション タイプA-7 1935

ロンジン「ロンジン アヴィゲーション タイプA-7 1935」
自動巻き(Cal.L788)。27石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約54時間。SS(直径41.0mm)。3気圧防水。41万2000円(税別)。(問)ロンジンTel.03-6254-7350

 ロンジンのヘリテージコレクションから展開される「ロンジン アヴィゲーション タイプA-7 1935」は、1935年にロンジンがアメリカ軍のパイロットに供給していた時計の復刻モデルである。

 オリジナル同様、精度、視認性、堅牢性の厳しい基準をクリアして作られ、文字盤は3時位置側に40度傾いており、これによってコックピットのパイロットが操縦桿から手を放さずに時間を確認できるようになっている。

 ヴィンテージ調の要素は大きく視認性の高いアラビア数字インデックス、コブラ針、外周部分のレイルウェイミニッツトラックなどに見て取れる。ケースは41mm径のステンレススティール製で、パイロットが手袋をしたままで操作がしやすいよう大ぶりの玉ねぎ型リュウズが合わせられている。

 ETA A08.L11をベースとしたロンジン専用ムーブメントCal.L788を搭載している。同キャリバーはコラムホイール機構を採用したモノプッシャークロノグラフだ。時計にはスティール製バックルが付属したブラウンアリゲーターストラップが合わせられている。


パネライ「サブマーシブル ヴェルデ ミリターレ – 42mm」

サブマーシブル ヴェルデ ミリターレ – 42mm

パネライ「サブマーシブル ヴェルデ ミリターレ – 42mm」
自動巻き(Cal.OPXXXIV)。23石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約72時間。SS(直径42mm)。30気圧防水。世界限定500本。96万円(税別)。(問)オフィチーネ パネライTel.0120-18-7110

 パネライの多くのモデルは、第二次世界大戦のイタリア海軍の潜水士達の為に作られた初期のダイバーズウォッチの後継機種で占められている。だが、サブマーシブルシリーズの祖は、1950年代にエジプト海軍のために作られた「エジツィアーノ」である。

「サブマーシブル ヴェルデ ミリターレ – 42mm」(PAM01055)は、サブマーシブルでは初めてグリーンが使われているのである(Verdeはパネライの母国語であるイタリア語でグリーンを意味する)。

 サテン仕上げの42mm径ステンレススティール製ケースには逆回転防止ベゼル、そしてパネライが特許を取得しているブリッジ型のセーフティ機能を持ったリュウズガードが備わり、ねじ込み式リュウズの安全を(300mの防水性能と共に)担保している。

 文字盤のインデックスと針は暗闇や深海でブルーグリーンに明るく浮かび上がり、文字盤裏では自社製ムーブメントのCal.OPXXXIVが稼働。約72時間のパワーリザーブをシングルバレルの完全巻き上げ時に提供している。

 もともとパネライでは異例だった薄型モデル、「ルミノール ドゥエ」に搭載されていたムーブメントの採用により、ケースの厚みを14.37mmまで抑えることに成功している。時計にはサテン仕上げのスティール製クラスプが付属したグリーンのラバーストラップが合わせられる。


チューダー、クロノグラフ50年の歴史


https://www.webchronos.net/news/42336/
ブランパン「フィフティ ファゾムス」/時計にまつわるお名前事典

https://www.webchronos.net/features/40570/
2020年 パネライの新作時計

https://www.webchronos.net/2020-new-watches/44695/