新たにコレクションに加わった「ロンジン スピリット」を早くもハンズオン!!

FEATUREWatchTime
2020.09.08

良作が多かったロンジンの2020年新作の中で最も注目を集めたのは、「パイロットウォッチの伝統的な要素を現代的なラインとコードに組み合わせた」新コレクション「ロンジン スピリット」だろう。大きなサイズの刻みのついたリュウズや、せり出した段差のあるベゼル、外周のミニッツスケール、大きなアラビア数字とダイヤモンドシェイプのインデックス、大きな夜光の針などが特徴である。現在のところロンジン スピリットには3針デイト表示付きモデルとクロノグラフモデルが展開されている。今回はこのうちの、計時機能とデイト表示に特化した3針モデルを紹介しよう。

ロンジン「ロンジン スピリット」

ロンジン スピリット

ロンジン「ロンジン スピリット」
自動巻き(Cal.L888.4)。21石。2万5200振動/時。パワーリザーブ約64時間。SS(直径40.0mm)。10気圧防水。26万8000円(税別)。
Originally published on watchtime.com
Text by Mark Bernardo

モダンとクラシカルの融合

「ロンジン スピリット」のケースデザインはがっしりとしたパイロットウォッチの要素に、はっきりとしたコンテンポラリーな仕上げが組み合わされている。

 今回のブラック文字盤を持つテスト機では、傾斜がついたベゼルトップの表面はヘアライン仕上げ、サイドはポリッシュ仕上げとなっており、同様のコンビネーションがケースの他の部分をエレガントにまとめている。

ロンジン スピリット

ロンジン スピリットはロンジンのヒストリカルなパイロットウォッチを彷彿とさせる。

 カーブしたラグのトップとサイドは艶消しのヘアライン仕上げで、エッジ部分に施されたツヤのあるポリッシュ仕上げがアクセントとなっている。

 刻みのついたリュウズは玉ねぎ型のクラシックなパイロットスタイルであり、インスピレーションの源となった1930年代のパイロットウォッチほどの大きさではないが、ロンジンではそれを「オーバーサイズ」と表現している。

ロンジン スピリット

レザーストラップにはパイロットスタイルのコントラストの効いたステッチが施されている。

 リュウズは100m防水を実現するべくねじ込み式となっている。よく知られた、羽の生えた砂時計を細かくかたどったロンジンのロゴが、リュウズの表面のヘアライン仕上げにレリーフで施されている。

 ブラック文字盤上で目を引くのは、蓄光性塗料が塗布されたアラビア数字のインデックスである。ヴィンテージ調のフォントが使用され、シルバーカラーのラインで縁取りされたそれぞれの数字にはやはり蓄光性のダイヤモンドシェイプのアイコンが組み合わされている。

ロンジン スピリット

5つの星はムーブメントの高いパフォーマンスの証である。

 ダイアモンド形のアイコンはアワーインデックスと組み合わされていると同時に、文字盤を取り巻く12のポイントに配された5分ごとのミニッツスケールにも対応している。

 3時位置にはデイト表示が配されているが、同機能の搭載も「コンテンポラリーな時計づくり」の一環である。純粋なビンテージのパイロットウォッチはどちらかというとシンプルなアレンジを好み、デイト表示は意図的に省かれることが多い。針はバトン状で先端がとがっており、時針の方が分針よりも短く、幅広となっている。

 センターセコンド針の先端はインデックス横のアイコンと同様、ダイヤモンド形をしている。6時位置にはロンジンの伝統的なマークである「5つ星」が描かれている。これはムーブメントの品質と信頼性の高さを表したもので、その下には「CHRONOMETER」の表記がある。

ロンジン スピリット

シリコン製ヒゲゼンマイを搭載するCal.L888.4

 搭載するムーブメントはCal.ETA A31.L11.をベースとした自動巻きCal.L888.4だ。ロンジンとムーブメントの供給元であるETAは、両方がスウォッチ グループであるため完全な「自社製」ムーブメントとは言えないが、「同じ企業製」ではある。

 約64時間というパワーリザーブを保持する同ムーブメントは文字盤上の表記からも明らかな通り、C.O.S.C.クロノメーター認定を受けている。ロンジンのためだけに製造されているCal.L888.4は、「レコード」コレクションに最初に搭載されたムーブメントであり、ロンジンにとって最初にC.O.S.C.の認定を受けたものとして知られる。

ロンジン スピリット

エングレービングが施されたケースバック内には自動巻きキャリバーが搭載されている。

 なお、現在のL888.4は非磁性素材であるシリコン製ヒゲゼンマイを採用しているため、耐磁性能にも期待が持てる。ケースバックは6本のネジで留められたステンレススティール製のため、その姿を見ることはできないが、ロンジンの羽の生えた砂時計のロゴに地球儀を組み合わせたエングレービングが彫られている。

 ストラップはブラウンのカーフスキンが装備されている。表面に少しオイリーなツヤを持つこのストラップは、古いパイロットウォッチのようなコントラストの効いたライトベージュのステッチを持つ。

 ストラップの手首にあたる部分はソフトで装着感に優れる。ステンレススティール製バックルのピンは、しっかりとレクタンギュラーの穴に収まり確実に時計を固定する。

ロンジン スピリット

ケースにはサテン仕上げとポリッシュ仕上げが組み合わされている。

 ロンジンのロンジン スピリットは航空関係のビンテージツールウォッチの外観をモダンに仕上げ直し、そこに歴史的な特徴を加えている。歴史を受けついだ外観を持った、わずか24万8000円という価格のパイロットウォッチは、心を高い空へ解き放ってくれるだろう。


Contact info: ロンジン Tel.03-6254-7350


ロンジンより偉大な飛行士や探検家たちに敬意を表した新コレクション「ロンジン スピリット」が発表


https://www.webchronos.net/news/49730/
2020年 ロンジンの新作時計


https://www.webchronos.net/2020-new-watches/45333/