シチズン時計の修理の流れは?修理項目詳細や保証内容について紹介

FEATUREその他
2021.01.26

シチズン時計は、高品質の時計を数多く手掛ける日本の時計メーカーである。時計はもちろん、世に送り出すムーブメントは、世界でもトップクラスのシェアを誇る。同社の時計を愛用し続けるために、修理の流れや保証の内容などについて知っておこう。

シチズン


シチズン時計の修理サービスの流れ

シチズン時計の前身は、貴金属商の山崎亀吉が1918(大正7)年に創業した尚工舎時計研究所にある。

山崎は「国産の懐中時計を広めたい」との理念を掲げて開発に邁進し、24年に現在のシチズン時計のブランドの基礎となる懐中時計「CITIZEN」を発表した。

シチズンの名は、山崎と親交があった政治家・後藤新平によって「永く広く市民に親しまれるように」との意味を込めて名付けられ、後に社名ともなっている。

「市民に愛されるように」という理念は、その後、製造・販売のみならず修理やメンテナンス業務でも徹底されている。シチズン時計の修理の流れを見ていこう。

申し込みから発送

まず、手元に保証書を用意しよう。購入時期や保証期間、機種番号(キャリバーナンバー)をチェックし、期限切れなどが発生していないかを確認する。不明確な点があれば、正規品と見なされない場合があるので気を付けたい。

時計修理申込書

ホームページの「サポート」から「修理のご案内」に進むと、「時計修理申込書」をダウンロードできる。時計の症状や機種番号などを記入するだけの分かりやすい内容だ。

次に、確認した内容をもとに「時計修理申込書」を記入する。用紙は同社公式サイト内からダウンロード可能だ。プリンターがない場合は同内容を記載した紙でもよい。その際、記載済みの申込書はコピーや写真をとり、手元に置いておこう。

時計を梱包し、作成した修理申込書と保証書を同封して送付する。送り先は、同申込書に記載されているので参照してほしい。また「MY CITIZEN シチズン オーナーズクラブ」会員サイトにて登録しているMY CITIZEN会員であれば、ウェブ修理依頼の申し込みができる。この場合は、ウェブ申し込みでピックアップしてもらうことが可能だ。https://my.citizen.jp/s/login/

CITIZEN|通常の修理の流れ

見積もりから完了まで

同社が時計を受け取ると、シチズン時計の専門スタッフによってチェックが行われる。

その後、速やかに見積もりが作成され、申込書に記載されている連絡方法でユーザーにアナウンスがなされる。

提示された修理内容や金額について問題がなければ、作業に入る。通常、作業に必要とする期間は2~4週間程度である。

修理が完了すると、代金引換便で時計が届けられる。受け取る際に、修理費用および代引手数料を現金で支払う。

ただし、大掛かりな修理が必要な際には、作業期間や費用が平均を上回るケースもあることは理解しておこう。また、場合によっては修理が不可能で、同社から返送されることもある。


修理項目の詳細

時計は数多くの細かなパーツや機能を備えるため、修理にはいくつもの項目がある。

時計の修理項目について、そのポイントを確認していこう。

内装や外装の修理

シチズン 修理

時計の修理は、国家資格である時計修理技能士の資格を持ったスタッフによって行われる。また、傷が付いてしまったり、長年の使用で汚れてしまったりした場合でも、研磨可能なモデルであれば熟練の職人が研磨を行い、美しく蘇らせてくれる。

ここでは内装と外装に大別し、その内容を紹介したい。「時計が止まった」「時刻に遅れる(もしくは進む)」「各機能に不具合がある」といった場合には、ムーブメントの修理になる。

主な作業は分解掃除やパッキンの交換、防水検査であり、それぞれに修理費用と部品代が発生する。

外装の修理に該当するのは、リュウズやボタンの外れ、ケースや装飾の損傷、針の外れ、バンドの不具合などがある。こちらも修理費用+部品代が必要だ。

例として、分解掃除とリュウズ外れなどのように、内装と外装の修理を同時に行うケースも起こり得る。その際は、外装修理費用は発生しない。内装修理費+内装部品代+外装部品代となる。

指定箇所の修理

バンドやバネ棒の交換、中留の交換、そしてピンチェックといった、指定ポイントの修理を依頼することもできる。

これが適用されるのは、指定する箇所が裏蓋を開ける必要がなく、単一の場合である。

指定するポイントが複数にわたる場合は、外装修理の扱いになるので留意しておこう。


シチズンの保証とサービスについて

クォリティーの高さには定評のあるシチズン時計だが、保証やサービスについても十分な体制を整えている。

ユーザーに大きな安心を与える、充実の中身について紹介しよう。

保証内容

シチズン時計に限らず、購入したアイテムに対して保証書による保証を受けるには、同書への必要事項の記載が求められる。購入の際には、ショップにおいて記載内容を確認しておきたい。

また、保証には日本国内に限定したものと、海外においても保証が受けられるものとがある。海外で時計を使用することが多いユーザーは、購入時に国際保証書の発行を依頼しよう。

シチズン オーナーズサイトとは

「エコ・ドライブ ワン」「ザ・シチズン」「カンパノラ」の3ブランドについては、機能・性能ともに優れた時計をいつまでも大切に使用してもらえるよう、シチズン時計では会員専用のウェブサイト「MY CITIZEN シチズン オーナーズクラブ」を設置して、ユーザーをしっかりとフォローしている。

愛機の保護には、定期的な点検が必要だ。同サイトに登録すると、メンバー専用電話「シチズン オーナーズデスク」との併用で、時計に必要な点検や修理がスムーズに申し込めるようになる。

登録すると、専用サイトへのメモが自由に記載できるようになる。「プロポーズの記念に」「就職の記念に」など、大切な思いでも一緒に残しておこう。

受付店舗

CITIZEN FLAGSHIP STORE

写真はシチズンフラッグシップストア東京の修理工房。東京・銀座と大阪・心斎橋にある「CITIZEN FLAGSHIP STORE」には、修理・メンテナンス工房を併設。ここには時計修理技能士の資格を持ったスタッフが常駐しており、メンテナンスの相談に乗ってくれる。

シチズン製品は、直営のシチズンフラッグシップストアのほか、シチズンプレミアムドアーズやシチズンコンセプトショップをはじめ、全国に数多くの正規取扱い店があり、点検や修理の依頼が可能だ。


適切に修理を受けよう

ハイクォリティーで馴染み深い時計は、単なる道具とはいえない。人生における長い時間をともにする友人のような存在だといえる。

大切なタイムピースには、適切な修理とメンテナンスを施したいものだ。シチズン時計の修理の流れを理解して、いつまでも愛用してほしい。



Contact info: シチズンお客様時計相談室 Tel.0120-78-4807



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