ノルケイン「フリーダム 60 クロノ オート」をテストする

FEATUREWatchTime
2020.09.29

レトロスタイルのファンであれば、2019年にノルケインが発表した「フリーダム 60 クロノ オート」をきっと気に入るだろう。若いスイスブランド、ノルケインのクロノグラフは間違いなく魅力的だ。実機のテスト結果も伝えつつ、さまざまな魅力に迫ろう。

Originally published on watchtime.com
Text by Alexander Krupp
2020年9月29日掲載記事

ノルケイン「フリーダム 60 クロノ オート」

 2018年に誕生したスイスの新顔時計ブランド「ノルケイン」。19年に発表された「フリーダム 60 クロノ オート」は、優れたスタイリングを備える。多層構造の文字盤には先端にかけて細く形作られた時分針が組み合わされ、ケースにはハンマー型のプッシュボタン、ねじ込み式のリュウズ、サファイアクリスタル製ケースバックなどが取り付けられている。ヴィンテージ仕上げのカーフストラップには山並みを思わせるようなV字型のステッチが4カ所に施された。ストラップの先端には、ポリッシュ仕上げとサテン仕上げが組み合わされた入念な仕上げのピンバックルが付属する。

フリーダム 60 クロノ オート

Ref.N2200S22C/B221/20EO.18S。自動巻き(Cal.NN18/ETA 7753ベース)。27石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約48時間。SSケース(直径43mm、厚さ15mm)。100m防水。カーフストラップ。44万円(税別)。

多くのアピールポイント

 今回のテスト機、フリーダム 60 クロノ オートにはアピールポイントが多く、マイナスポイントは少ない。筆者はまず何よりも、ETA 7753をベースとした自動巻きムーブメントの安定した動きが気に入った。精度測定の結果、着用時の日差は+2.3秒、最大姿勢差は8秒となっている。この数値はうれしいことにクロノグラフ作動時にもほぼ変わりなく、それはストップウォッチ機能を気兼ねなく使えることを意味している。

 操作性の良さも気に入った点のひとつだ。ねじ込み式リュウズは滑りにくい形状をしており、リュウズとケースの間で爪を傷めずに引き出すことができる。プッシュボタンは十分な表面積を持ち、押し感もよく、問題なくクロノグラフをスタート・ストップ・リセットできる。レザーストラップはしなやかで、装着感に優れる。

 このモデルは他にもアピールポイントが多く、さらに見てみると魅力的なディテールがまだ出てくる。ブラックの日付表示は文字盤との調和性が高く、そしてアワーマーカーの文字盤内周側に塗布されたベージュブラウンの蓄光塗料が文字盤のレトロな魅力を引き立てている。外周部分のタキメーターは平均速度を導き出すのに便利だ。

 より細部にも注目したい。ノルケインは針の完璧な長さに注意を払っている。また面白いことにノルケインのすべての時計のケースサイドには、8時から10時位置にかけてブランドネームがエングレービングされたプレートがネジ留めされている。このプレートはオプションでパーソナルなエングレービングを入れたものと交換ができ、書体を選ぶこともできる。

フリーダム 60 クロノ オート

「フリーダム 60 クロノ オート」は細部まで見所が多い。

許容できるポイント

 あえてウィークポイントを挙げるならば、文字盤の読み取りの難しさが挙げられる。分表示と経過秒の目盛りが非常にスリムなのである。また、小さなタキメータースケールはなだらかに下る文字盤の端に配され、ドーム型サファイアクリスタル製風防の下で解読しにくい。センターの針は完璧な長さだが、針自体がサブダイアル上にあるときには認識しづらいのだ。暗所において、時分針とアワーマーカーは蓄光塗料により浮かび上がるが、例えばそれが夜であれば、朝までは持続しないこともある。

 しかし完璧ではない視認性は、魅力的なデザインを多く採用した結果でもある。コントラストの強い色合いのスモールダイアルは本機の重要なデザイン要素である。針のスリムな形状は、レトロ調の雰囲気を付け加えている。ドーム型サファイアクリスタルとボンベダイアルも、時計の歴史にインスパイアされたクロノグラフというテーマにおいて意味を持っている。

 結局のところ、総合的に見てノルケインのフリーダム 60 クロノ オートは、はっきりと肯定的な印象を残す1本なのである。

フリーダム 60 クロノ オート

搭載するのはETA 7753をベースに用いた自動巻きクロノグラフムーブメントである。

技術仕様

リファレンスナンバー: N2200S22C/B221/20EO.18S
機能: 時、分、スモールセコンド、センターのクロノグラフ秒針、30分積算計、12時間積算計によるクロノグラフ機構
ムーブメント: Cal.NN18/ETA 7753ベース、自動巻き、2万8800振動/時、27石、ストップセコンド機能、コレクターボタンによるデイト表示調整、耐震軸受け(インカブロック使用)、調整用偏心ネジ付き緩急調整装置、パワーリザーブ約48時間、直径30mm、厚さ7.9mm
ケース: ステンレススティール製ケース、ドーム型サファイアクリスタル製風防(両面無反射加工)、ねじ込み式リュウズ、サファイアクリスタル製ケースバック、100m防水
ストラップ&バックル: ステンレススティール製ピンバックル付属のカーフストラップ
サイズ: 直径43mm、厚さ15mm
価格: 44万円(税別)


精度安定試験

(日差秒単位、フル巻き上げ時/24時間後)
着用時: +2.3
文字盤上: +1/+2
文字盤下: +1/+3
3時上: +3/+5
3時下: +4/+5
3時左: -1/+0
3時右: +6/+8
最大姿勢差: 7/8
平均日差: +2.3/+3.8
平均振り角
水平姿勢: 301゜/277゜
垂直姿勢: 271゜/248゜

評価

ストラップ&バックル(最大10pt): 端正で個性的なスタイルのレザーストラップと高品質なピンバックル/8pt
操作性(5pt): リュウズとプッシュボタンの操作性には問題ないが、コレクターを使ってのデイト表示の調整には専用工具が必要/4pt
ケース(10pt): 風防とケースバックにサファイアクリスタルを使用した完成度の高いケース。10気圧防水/8pt
デザイン(15pt): レトロスタイルファンの夢/14pt
視認性(5pt): 適切な長さの針と夜光塗料の塗布。目盛りが非常に細いため、コントラストに欠ける/3pt
装着性(10pt): 完璧な装着感/10pt
ムーブメント(20pt): 信頼性の高い量産型のキャリバーを改良したクォリティで、装飾とカスタマイズされたローターを備える/12pt
精度安定性(10pt): フル巻き上げ時の日差は小さく(+2.3秒)、最大姿勢差も大きくはない(7秒)/8pt
コストパフォーマンス(15pt): クォリティに見合った価格だが、少し高めである/11pt
合計: 78pt

※この記事はクロノスドイツ版の翻訳記事です。



Contact info: ノルケインジャパン Tel.03-6864-3876

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