2020年発表のグランドセイコー限定モデルをまとめて紹介

2020年はグランドセイコーの誕生60周年を迎えた年であり、それに合わせて数々の新型ムーブメントや、限定モデルが発表された。一体いくつの限定モデルが発表されたのであろうか？　既に完売してしまい手に入らないモデルも含め、2020年に発表されたグランドセイコーの限定モデルをまとめて紹介する。

「グランドセイコーブルー」ダイアルが彩るコレクション

2020年の幕開けは、グランドセイコーを象徴するカラーである「紺色」をまとった4本のコレクションから。それぞれの文字盤に採用された「グランドセイコーブルー」は、レギュラーモデルにはない特別な雰囲気を漂わせる。

セイコースタイルを体現した端正な顔付きの「ヘリテージコレクション」には、高振動で高精度を実現した「メカニカルハイビート36000」を搭載する機械式モデルと、特別精度の年差±5秒を誇る「9F85」を搭載するクォーツモデルがあるが、細かなデザインや文字盤表面の仕上げが異なる。グランドセイコーブルーのセラミックスをベゼルに採用した「スポーツコレクション」のクォーツモデルもあるが、それぞれに共通するのは中央から伸びる秒針が赤いこと。深い紺色の中に映える赤は、グランドセイコーが重んじる視認性にも大いに役立っている。

そして女性に捧げる「エレガンスコレクション」のメカニカルモデル。インデックスとベゼルにセットされたダイヤモンドがなんともきらびやかで、ビジネスシーンのみならずパーティーシーンにおいてもより一層輝くだろう。

ヘリテージコレクション メカニカルハイビート36000 SBGH281

ヘリテージコレクション クォーツモデル SBGP007

スポーツコレクション クォーツモデル SBGP015

エレガンスコレクション レディスメカニカルモデル STGK015

「雫石」がおくる技のエレガンス

グランドセイコーの機械式時計の心臓部である調速機を構成するヒゲゼンマイまでも一貫して製造することが可能なマニュファクチュールがセイコーであり、グランドセイコーのメカニカルウォッチを手掛けるのが「雫石高級時計工房」だ。「雫石」は、約1000年前に名づけられた現在の雫石町の語源となった言葉。この地の森にあった洞窟の天井から岩の上に落ちる「雫」が、その下にある「石」に当たった音が共鳴して森の静寂の中に響き渡っていたそうで、その不思議な音を聞きに来た人々が呼び始めたのだと言い伝えられている。

エレガンスコレクション グランドセイコー60周年記念モデル SBGW263

その幻想的な情景を彫金によって描いたのが本作。「現代の名工」照井清氏の熟練の技が光る文字盤は目を見張るものがある。時・分針は滑り落ちる水滴を、インデックスには石に当たって跳ねた水を表現しており、まるでその情景が浮かんでくるほど繊細である。

メンズ初のジュエリーウォッチ

グランドセイコーがこれまでダイヤモンドをセットしていたモデルは、女性向けばかりだったが、2020年は初めて男性へ向けた豪華絢爛なジュエリーウォッチを発表した。この時計を生み出す高級時計の専門工房である「マイクロアーティスト工房」が位置するのは長野県の諏訪地方。この地でごく稀に見られる「細氷」は、氷点下10℃以下の晴れて澄んだ朝に起こる自然現象で、ダイヤモンドダストとも呼ばれる神秘的な光景だ。

スプリングドライブ 8 Days ジュエリーウォッチ SBGD205

この「細氷」の美しさが、宝石で彩られたきらびやかな文字盤の上で見事に表現されている。熟練した職人たちの技巧によって入念にセッティングされたバゲットダイヤモンドの輝きは、白銀の世界そのものだ。文字盤の中央部には、グランドセイコーの象徴である獅子にちなみ、獅子座を構成する星々が描かれている点においても、非常に芸が細かい。また、最大約8日間の駆動時間を誇るスプリングドライブムーブメントを搭載している点にも注目だ。