2021年 パテック フィリップの新作時計まとめ

FEATURE2021年新作時計
2021.12.19

《アドバンストリサーチ》フォルティッシモ 5750P

《アドバンストリサーチ》フォルティッシモ 5750P

パテック フィリップ「《アドバンストリサーチ》フォルティッシモ 5750P」
自動巻き(Cal.R 27 PS)。39石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約48時間。Pt(直径40mm、厚さ11.1mm)。非防水。世界限定15本。価格要問い合わせ。

 ヴィンテージカーのスポークホイールに着想を得たダイアルが特徴的な「《アドバンストリサーチ》フォルティッシモ 5750P」。パテック フィリップの研究開発を担うアドバンストリサーチ部門が生み出した、独自の音響増幅・伝搬システムを搭載したミニッツリピーターウォッチである。

Cal.R 27 PS

 このシステムに対する同社の自信は、音響学的に不利とされるプラチナ素材をケースに用いていることからもうかがえる。マイクロローター式の自動巻きムーブメントはシースルーバックから確認することが可能であり、澄んだ音色を実現するためのハンマーやゴング、音叉型のサウンド・レバーを鑑賞することができる。

Cal.R 27 PS




グランド・コンプリケーション 5204

グランド・コンプリケーション 5204

パテック フィリップ「グランド・コンプリケーション 5204」
手巻き(Cal.CHR 29-535 PS Q)。34石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約65時間。18KRG(直径40mm、厚さ14.3mm)。3気圧防水。3559万6000円(税込み)。

 パテック フィリップは、パーペチュアルカレンダーとスプリットセコンドクロノグラフを搭載したグランド・コンプリケーション「5204」に、新たなバリエーションを追加した。今作は、18Kローズゴールドケースにスレートグレーカラーのダイアルとストラップを組み合わせることで、現代的な印象に仕上げたモデルである。シースルーバックからは、手仕上げが施されたレバー類を満載するファン垂涎の複雑な手巻きムーブメントCal.CHR 29-535 PS Qを鑑賞可能であるが、より古典的なデザインを好むユーザーにも合わせてソリッドケースバック化もできる。

Cal.30-255 PS




グランド・コンプリケーション 5930P

グランド・コンプリケーション 5930P

パテック フィリップ「グランド・コンプリケーション 5930P」
自動巻き(Cal.CH 28-520 HU)。38石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約55時間。Pt(直径39.5mm、厚さ12.86mm)。3気圧防水。1155万円(税込み)。

 フライバッククロノグラフを搭載したワールドタイマー「5930」のグリーンダイアルモデル「5930P」が登場した。ケースは、鮮やかなグリーンにマッチするプラチナ製。ダイアルのセンターに施された複雑なパターンのギヨシェは、職人の手仕上げによるものであり、6時位置にはクロノグラフ用の30分積算計が配されている。タイムゾーンの変更は、10時位置のプッシュボタンを押下することで簡単に行うことが可能だ。ケースバックはシースルーとなっており、精緻な仕上げが施されたCal.CH 28-520 HUを鑑賞することができる。ダイアルと同色のアリゲーターストラップが装着されている。

Cal.CH 28-520 HU




グランド・コンプリケーション 5905/1A-001

グランド・コンプリケーション 5905/1A-001

パテック フィリップ「グランド・コンプリケーション 5905/1A-001」
自動巻き(Cal.CH 28‑520 QA 24H)。37石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約55時間。SS(直径42mm、厚さ14.13mm)。3気圧防水。679万8000円(税込み)。

 パテック フィリップは、フライバッククロノグラフを搭載した年次カレンダーウォッチ「5905」に、初となるステンレススティール製ケースモデルを追加した。ダイアルは昨今のトレンドカラーでもあるグリーンが採用されており、エレガントなデザインの中にカジュアルさを感じることのできる1本に仕上がっている。ステンレススティール製ブレスレットが装着されており、日常使いにも適する。搭載するムーブメントCal.CH 28‑520 QA 24Hは、ディスクタイプの垂直クラッチを採用することによって、クロノグラフ秒針を常時作動させ、センターセコンドとしても使用可能としている。

Cal.CH 28‑520 QA 24H




カラトラバ《クルー・ド・パリ》6119G & 6119R

カラトラバ 6119G

パテック フィリップ「カラトラバ《クルー・ド・パリ》6119G」
手巻き(Cal.30-255 PS)。27石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約65時間。18KWG(直径39.0mm、厚さ8.1mm)。3気圧防水。339万9000円(税込み)。

 シンプルな3針仕様のカラトラバに新しいムーブメントが与えられた。ムーブメント径31mmの「Cal.30-255 PS」は、ツインバレルによる約65時間のパワーリザーブを備えた厚さ2.55mmの薄型ムーブメントだ。このムーブメントが搭載されるのは、1985年に発表された「3119」の特徴的なクル・ド・パリベゼルを踏襲した「6119G」と「6119R」。直径39mmと、現代的な大きさとなったケースは新型ムーブメントとの相性も良い。スモールセコンドはバランスよく配され、ムーブメントはシースルーの裏蓋いっぱいに詰まっている。僅かに長い砲弾型インデックスとファセットカットが施された細身のドーフィン針が、大型化したダイアルの間延びを防いでいる。「6119G」は、ホワイトゴールド製ケースに縦サテン仕上げのチャコールグレーダイアルを合わせたモデル、「6119R」はローズゴールド製ケースにグレイン仕上げのシルバーダイアルを合わせたモデルとなっている。色調だけでなくダイアルの仕上げをも変えることで、「6119G」はモダンなドレスウォッチを、「6119R」は往年のドレスウォッチを想起させるデザインに仕上がっている。

カラトラバ 6119R

パテック フィリップ「カラトラバ《クルー・ド・パリ》6119R」
手巻き(Cal.30-255 PS)。27石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約65時間。18KRG(直径39.0mm、厚さ8.1mm)。3気圧防水。339万9000円(税込み)。




インライン永久カレンダー 5236P

インライン永久カレンダー 5236P

パテック フィリップ「インライン永久カレンダー 5236P」
自動巻き(Cal.31-260 PS QL)。55石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約48時間。Pt(直径41.3mm、厚さ11.07mm)。3気圧防水。1494万9000円(税込み)。

 曜日・日付・月をひとつの窓でインライン表示するパーペチュアルカレンダーモデル「5236P」が発表された。インライン表示は、かつて同社のアメリカ向け懐中時計に採用例があったものの、腕時計としては初採用の機構となる。新開発された「Cal.31-260 PS QL」は、この機構を実現させるために、通常のパーペチュアルカレンダーに対し、出願中の3つの特許を含む118個もの部品を追加している。安定した動力を確保するため、同社のムーブメントで多用される22Kゴールド製マイクロローターは、より比重の高いプラチナ製に改められている。4時位置の小窓は閏年表示、8時位置の小窓は昼夜表示がなされ、6時位置にはスモールセコンドと共にムーンフェイズが配されている。ダイアルは縦方向のサテン仕上げが施されたブラックグラデーションのブルーカラーだ。外周に連れて暗くなるグラデーションが、繊細なサテン仕上げを際立たせている。

インライン永久カレンダー 5236P




ムーンフェイズ付き年次カレンダー 4947/1A

ムーンフェイズ付き年次カレンダー 4947/1A

パテック フィリップ「ムーンフェイズ付き年次カレンダー 4947/1A」
自動巻き(Cal.324 S QA LU)。34石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約45時間。SS(直径38mm、厚さ11mm)。3気圧防水。551万1000円(税込み)。

 カラトラバタイプ初となる、ステンレススティール製アニュアルカレンダー「4947/1A」。3時位置には月が、9時位置には曜日が、それぞれ指針式で表示される。日付窓は6時位置に配され、シンメトリーなデザインを保っている。6時位置のムーンフェイズは、1日の誤差が生じるまでに約122年かかるほどの高精度仕様だ。これらの複雑機構は、ケース側面の4つのコレクターで調整することができる。ミッドナイトブルーのダイアルは、縦横にサテン仕上げを用いた「山東絹仕上げ」が施されている。優雅なアラビア数字インデックスはアプライドとなっているが、レイルウェイ上のアワーマーカーや針にはスーパールミノバが塗布されており、暗所でも視認性が確保されるよう配慮されている。しなやかな5連リンクのブレスレットは、4つの独立した止め金を持つ折り畳み式バックルが備えられ、しっかりと固定される。裏蓋はシースルーとなっており、内部の「Cal.324 S QA LU」の精緻な仕上げを鑑賞することができる。

ムーンフェイズ付き年次カレンダー 4947/1A
ムーンフェイズ付き年次カレンダー 4947/1A