2021年 アーノルド&サンの新作時計まとめ

FEATURE2021年新作時計
2021.04.23

ルナマグマ

ルナマグマ

アーノルド&サン「ルナマグマ」
手巻き(Cal.A&S1021)。35石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約90時間。18KRG(直径44mm、厚さ15.9mm)。30m防水。世界限定28本。583万円(税込み)。

 アーノルド&サンは、立体的な月を6時位置に配してムーンフェイズ表示を行う「ルナマグマ」を発表した。月の満ち欠けは、月が地球を周回することで、太陽と地球、月の位置関係が変わることによって生じる。月が太陽の光を受ける部分のうち、地球から見える明るい部分の角度が変わってゆくからだ。これを表現するために多くのムーンフェイズ表示では、満月の一部を覆い隠すようにダイアルを切り欠くことで月の見え方を模擬してきた。これに対しルナマグマは、暗部と明部を備えた球状の月モデルを6時位置に配し、ダイアル側からの見え方によって月の満ち欠けを表現する点が特徴である。

ルナマグマ

直径12mmの月モデルは、明部を白い大理石で、暗部はアベンチュリンガラスで作られている。この月モデルが、月の満ち欠けと同じ周期で回転することでムーンフェイズ表示を実現している。また、12時方向にオフセットされた時分表示のダイアルを備え、それ以外の空間は夜空を表現したアベンチュリンガラスで満たされている。今作のムーブメントA&S1021はこの他に、ケースバック側に月齢の詳細を表示するセカンダリディスプレイを備えることで、正確に合わせることが難しい122年で約1日しかズレが生じない高精度ムーンフェイズの調整を簡単に行えるようにした。今作は世界限定28本である。

Cal.A&S1021




パーペチュアル・ムーン・オブシディアン

パーペチュアル・ムーン・オブシディアン

アーノルド&サン「パーペチュアル・ムーン・オブシディアン」
手巻き(Cal.A&S1512)。27石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約90時間。18KRG(直径42mm、厚さ11.43mm)。3気圧防水。世界限定28本。422万4000円(税込み)。

 メキシコ産の金黒曜石をダイアルに使用した「パーペチュアル・ムーン・オブシディアン」が追加された。黒曜石(オブシディアン)は火山岩の一種で、アメリカ先住民が古くから宗教行事に用いるなど重用されてきた。今作のダイアルに使われる金黒曜石はブロンズの色調で、輝く細かな結晶を備えることが特徴である。このダイアルの色調に合わせて、42mm径のケースは18KRG製が選ばれた。アーノルド&サンのパーペチュアル・ムーンの特徴は、ダイアル12時側のほぼ半分を占めるムーンフェイズ表示である。ムーンフェイスディスクにはロジウムプレート仕上げで大きく月が描かれ、その凹凸まで表現されている。搭載する手巻きCal.A&S1512は、ケースバック側にムーンフェイズ指針表示を備えており、正確に合わせることが難しい高精度の月齢調整を簡単に行うことができる。