なぜG-SHOCKはショックに強いの? 要となるケース構造を簡単に解説

FEATUREぜんまい知恵袋
2021.12.29

Q:なぜG-SHOCKはショックに強いの?

ムーブメントを複数のゴムで支え、外部からのショックを緩和する構造を導入しているからです。

広田雅将

2021年12月29日掲載記事

A:ムーブメントを中空で支えているから

腕時計の大敵のひとつが衝撃です。その創成期から、さまざまなメーカーが腕時計の耐衝撃性を高めてきましたが、長らく決定打はありませんでした。ほぼ唯一、ショックの問題をクリアしたのがカシオのG-SHOCKです。

「弾むゴムボールの中では衝撃は伝わらない」という発想から生まれたG-SHOCKの初号機。時間を表示するデジタルムーブメントを複数のゴムで支えることで、外部からのショックを緩和する構造を持っています。また、搭載するムーブメント自体も、ショックに強くするため、部分的にネジ止めに変更されました。

G-SHOCK メタルコアガード構造

MTGシリーズなどが採用するメタルコアガード構造。ミドルケースの中にムーブメントを内包するカーボンモノコックケースを入れていることが分かる。このカーボンモノコックケース内でムーブメントは中空状態で収められる。

ちなみに、ムーブメントを中空で支えてショックを伝わるにくくするという構造は、1960年代後半にIWCが「ヨットクラブ」で実現していました。また72年のオーデマ ピゲ「ロイヤル オーク」も、ムーブメントをゴムで支えて、ショックを吸収するケースに特徴がありました。しかし、ムーブメントに重い機械式ではなく、軽いデジタル式を採用したG-SHOCKは、衝撃を受けても極めて壊れにくくなりました。またプラスティック製の外装を大ぶりに作ることで、外部から強いショックを与えても、ガラスやボタンなどが壊れにくくなったのです。


スイスの高級時計メーカーへの影響も大きい

加えて最新の一部モデルでは、耐衝撃性に加えて、耐遠心力と耐振動性も高めた「トリプルGレジスト」に進化。基本的な構造はG-SHOCKの初号機と同じですが、ムーブメントを支える振動吸収材に、柔らかいαGEL®を採用することで、振動を吸収しています。また振動を受けると部品が緩む場合がありますが、アルミニウム製のワッシャーやOリングを組み合わせることで、部品を外れにくくしています。

中空ケースというアイデアを磨いて、衝撃と振動をほぼ完全にクリアしてみせたG-SHOCK。世界で最も頑強な腕時計、と言われるのには、明確な理由があったのです。ちなみに、いわゆる高級時計メーカーが作ったスポーツウォッチには、G-SHOCKの影響を受けたものがあります。世界に影響を与えたという点でも、G-SHOCKの功績は非常に大きいのです。


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