ジェラルド・ジェンタの全仕事

FEATUREアイコニックピースの肖像
2018.08.09

2011年8月18日。ウォッチデザイナーの先駆けとして知られたジェラルド・チャールズ・ジェンタが世を去った。享年80歳。1954年頃から時計のデザインを試み始め、1972年のロイヤル オークで不動の名声を確立。以降、多くのアイコニックピースを世に送り出し、それ以上に多くのジェンタフォロワーを生み出した。巨匠ジェンタの手掛けた黎明期の作品から、最後に描き残したドローイングまで、実機取材を交えつつ、半世紀以上にわたる足跡を辿る。

広田雅将、鈴木裕之:取材・文 吉江正倫、三田村 優、ヤジマオサム:写真
[アイコニックピースの肖像 特別編/クロノス日本版 2012年3月号初出]

[1972] オーデマ ピゲ ロイヤルオーク
ロイヤル オークは1970年のデザイン画から、なにひとつ変えずに製品化された。初めてデザインを見せられたオーデマ ピゲのジャック・ルイ・オーデマはあきれかえったが、結局製品化の契約を結んだという。なおジェンタはデザインを一日で描き終えたが、それ以前にオーデマ ピゲと折衝を繰り返した。

[1976] パテック フィリップ ノーチラス
下はジェラルド・ジェンタ自身の筆による1974年のデザイン画。ベゼルの固定方法が製品版と異なる(上下でネジ留め)。なおジェンタは、ノーチラスの完全なプロトタイプを、落成間もないル・ブラッシュの新工房で完成させた。デザイン画の文字盤に「ジェラルド・ジェンタ」と銘打たれた理由だろう。