世界5本限定のローマン・ゴティエ「ロジカル・ワン」アメリカ限定モデルが日本でお披露目

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2020.05.28

「ロジカル・ワン」アメリカ限定モデルが日本上陸

ローマン・ゴティエ「ロジカル・ワン」のアメリカ限定モデル(世界限定5本)が発表され、タカシマヤウオッチメゾン 東京・日本橋で5月27日より展示されている。独自に改良を加えたフュゼチェーン機構と圧倒的なクオリティの仕上げが魅力のこのモデルを間近で鑑賞できるチャンスである。

ローマン・ゴティエ「ロジカル・ワン」
一見奇抜なデザインに映るかもしれない。しかし、その根底にはテクニカルスクールや時計部品メーカー、そしてフィリップ・デュフォー氏の下で培った時計製造の伝統が確かに息づいている。基本を重んじるローマン・ゴティエ氏は、起業するにあたってMBAを取得するほどの凝り性だ。香箱はプッシュボタンによって巻き上げる。手巻き(Cal.Logical One)。63石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約46時間。18KYG(直径43.0mm、厚さ14.3mm)。5気圧防水。世界限定5本。1750万円(税別)。

タカシマヤウオッチメゾン 東京・日本橋でローマン・ゴティエの哲学を堪能する

 2013年のジュネーブ・ウォッチメイキング・グランプリ(GPHG)において、メンズ複雑時計部門賞を受賞したローマン・ゴティエの「ロジカル・ワン」。そのアメリカ限定モデルが日本でお披露目された。その舞台はタカシマヤウオッチメゾン 東京・日本橋にて開催中のローマン・ゴティエ フェア(会期:~6月9日)だ。会期中は「ロジカル・ワン」だけでなく、デビュー作となった「プレスティージ HM」や初の自動巻きモデル「インサイトマイクロローター」も展示される。

「ロジカル・ワン」の最大の特徴は何といっても独自に進化を遂げたフュゼ・チェーン機構だろう。これは主に懐中時計において、主ゼンマイのトルクを一定に保つために用いられるコンスタントフォース機構の一種である。ただし、従来のフュゼチェーン機構では、チェーンの耐久性や動力伝達時のロスなど、一部に課題を抱えていた。ローマン・ゴティエはこれに対し、チェーンの内部にルビーを組み込んだチェーンを考案し、更にチェーンを巻き付けるフュゼをスネイルカムに変更することで、堅牢性、耐摩耗性の向上、動力伝達の効率化、そしてメンテナンス性を上げることに成功した。巻き上げは9時位置のプッシュボタンによって行われ、チェーンが10時位置のスネイルカムに引き込まれていく様をダイアル側から鑑賞することができる。

タカシマヤウオッチメゾン 東京・日本橋は現在、時間を短縮して営業中だ。詳細は下記URLを参照のこと。
「ローマン・ゴティエ フェア」:https://watch.takashimaya.co.jp/news/detail/index/id/574?site=tokyo

 同社を語るにあたって忘れてはならないのは、細部への徹底した仕上げだろう。受けを仕上げるにあたり、まずはスティールのやすりで角を落とし、エメリーペーパーで磨くだけでなく、ダイヤモンドペーストを塗布したジャンシャンを用いて鏡面になるまで磨き上げる。これはジュウ渓谷の伝統的な仕上げ方であり、時間がかかるため採用しているブランドは極々限られるが、その分比類ない輝きを得ることができる。

「ロジカル・ワン」でも、ダイアル側から見事に面取りがされたテンプ受けが確認できる。いつでもこの仕上げが見られるオーナーは幸せ者だろう。見るべきは仕上げだけではない。同社はパーツの約95%を自社内で製造するマニュファクチュールなのだ。特別に製造されるねじは独特のS字の頭を持っており、美観に優れるだけではなく組み立てる際の工具の滑りを防止することも考慮されている。それに伴って、マイクロメーカーでありながら使用する工具も自社内で作ってしまうのだから驚きだ。“神は細部に宿る”という言葉はまさに同社のためにあるといっても過言ではない。

 展示されるアメリカ限定モデルは、多様なバリエーションを持つ「ロジカル・ワン」としては珍しくYG製のケースが採用されている。時計業界で長年使われてきた素材だけあり、同社が大切に守っているスイス時計産業の伝統に、より忠実なモデルに仕上がっている。


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