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第5回「機械式とクォーツ、どちらを買うべきか?」(1/3)

シチズン 2035
クォーツムーブメントの業界標準。今までに数十億個生産されている。極めて安価なムーブメントだが、主要な部品には金属を採用。そのため分解掃除が可能である。


広田雅将(クロノス日本版):文
Text by Masayuki Hirota(Chronos-Japan)

市場に並んでいる腕時計は、基本的にゼンマイで動く機械式か、電池で動くクォーツ製のムーブメントを搭載する。愛好家が注目するのは機械式。しかしクォーツのメリットも見逃せない。

クォーツと機械式は何が違うのか?

 1969年以降広まったクォーツ時計は、機械式時計に比べて時間が正確(高精度という)だった。当初の価格は高価だったが、製造体制の自動化により、低価格で買えるようになった。一方1990年代にリバイバルした機械式時計は、クォーツほど精度が高くない。しかし機械としての面白さなどが注目され、今や高価格帯の時計はその多くが機械式ムーブメントを載せるようになった。また、機械式ムーブメントのほとんどは、分解修理が可能である。そのため知られたメーカーの物だと、資産価値があり、長期の使用に耐えると考えられている。

●力は弱いが燃費が良く、狂いにくいクォーツ

正確。最低3年以上は動く。また磁気帯びに強い
×針を動かす力が弱い。また修理不可能な物が多い。機械式に比べて資産価値が乏しいと考えられている

 現在腕時計の標準となっているのが、電池を動力源とするクォーツムーブメントである。針などを動かすのはステップモーター、そして時計に正確さをもたらすのは、電圧で振動する水晶振動子である。そのメリットは高精度。安価なクォーツでも一月の遅れ進み(月差という)が30秒から15秒程度以内と、機械式よりはるかに正確である。また発表当初1年程度しかなかった電池寿命も、今では5年以上と長くなった。しかも日本のメーカーは電池の保ちをよくするため、太陽電池を備えた「エコドライブ」(シチズン)や「ソーラー」ウォッチを発表した。これらの光発電クォーツは、光がある環境ならば、理論上永遠に動き続ける。加えてクォーツムーブメントは、磁気の影響を受けても狂ったり止まる可能性が少ない。仮に止まっても、磁気から外せば動く場合が大半だ。

 万能なクォーツムーブメントだが、弱点もある。まずは機械式時計に比べてトルク(=力)の弱いこと。そのため多くのクォーツ時計の針は、機械式時計に比べて短く薄い。また力が足りないため、かつてクォーツ時計の多くは、機械式時計のように複雑な機能を載せられなかった。

 しかし日本のメーカーを中心に、クォーツの弱点を補う試みがある。「グランドセイコー」が載せるキャリバー(ムーブメントの型番を指す)9F系や、セイコーのダイバーズウォッチが載せる7C系は、機械式ムーブメント並の強いトルクを持っている。また最近日本のメーカーは、クォーツ時計の針の素材を軽くし、平たく成型することで、針を太く、長く作るようになった。ただし薄くて軽い針は、修理のたびに交換の必要がある。そのため、長く使える時計には向かない。

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