【85点】オーデマ ピゲ/ロイヤル オーク 復刻モデル

FEATUREスペックテスト
2012.09.03

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もはやブレスレットは、芸術性豊かに細部まで作り込まれたマスターピースと言っても過言ではない。

高額な価格設定

もうひとつ、当時と変わらないことがある。スティールウォッチにしては、価格が並外れて高いことである。今日でも、183万7500円を支払えば、自社製ムーブメントを搭載したゴールド製のドレスウォッチを手に入れることができる。だが、ステンレススティールは機能的で、ゴールドのように容易に傷が付いたりしないので、むしろゴールドよりも優れた素材と見なされることもある。また、今日であっても、ディテールに富み、加工品質の完璧なスティールウォッチの魅力から逃れるのは難しいことだ。もちろん、デザインが秀逸で作り込みが精巧であることが必須条件となるのは言うまでもない。

洗練されたゴールドウォッチなら、他の選択肢を恐れる必要はない。だが、ロイヤル オーク 復刻モデルの場合はどうだろうか。キャリバー2121よりも新しい自社製自動巻きキャリバー3120を搭載したロイヤル オークの別モデルのほうを選ぶべきかどうか、逡巡する愛好家もいることだろう。この「ロイヤル オーク オートマティック」(Ref.15400ST)は、何といっても復刻モデルより47万2500円も安く、秒針を搭載している。また、厚さが9・8mmあるとはいえ、まだまだ薄いほうだ。2012年にマイナーチェンジされたばかりのこのロイヤル オーク オートマティックの先代モデル(Ref.15300ST)も、今ならまだ手に入るのではないだろうか。新作は直径41mmと、サイズアップされているが、この先代モデルは直径39mmで、今回のテストウォッチと同じサイズである。針とインデックスだけは、先代モデルよりも新作の方がややモダンな仕上がりとなっている。

こうして見ると、復刻モデルでは薄いムーブメントがゆえにかなりの追加プライスが生じていることになる。だが、初代モデルのオリジナルデザインが抗しがたい独自の魅力を備えていることは確かである。この魅力に圧倒され、かつこの金額を工面することができる愛好家にとっては、まさに夢の時計と言えるだろう。

技術仕様
オーデマ ピゲ/ロイヤル オーク 復刻モデル

製造者: オーデマ ピゲ
Ref.: 15202ST.OO.1240ST.01
機能: 時、分、日付表示
ムーブメント: キャリバー2121、自動巻き、1万9800振動/時、36石、耐震軸受け(キフ使用)、グリュシデュール製テンワ、バランスウェイト付きフリースプラングテンプ、パワーリザーブ約40時間、直径28.4mm、厚さ3.05 mm
ケース: SS製、サファイアクリスタル風防、モノコックケース、トランスパレントケースバック(サファイアクリスタル使用)、50m防水
ストラップとバックル: SS製ブレスレット、セーフティーボタン付きSS製トリプルブレードフォールディングバックル
サイズ: 直径39mm、厚さ8.1mm、総重量111g
バリエーション:
価格: 183万7500円

*価格は記事掲載時のものです。記事はクロノス ドイツ版の翻訳記事です。

精度安定試験 (T24の日差 秒/日、振り角)

平常時    
文字盤上 +7
文字盤下 +7
3時上 -13
3時下 +3
3時左 +2
3時右 -13
最大姿勢差: 20
平均日差: -1.2
平均振り角:
水平姿勢 315°
垂直姿勢 280°

評価

ストラップとバックル(最大10pt.) 10pt.
操作性(5pt.) 4pt.
ケース(10pt.) 10pt.
デザイン(15pt.) 15pt.
視認性(5pt.) 5pt.
装着性(10pt.) 9pt.
ムーブメント(20pt.) 17pt.
精度安定性(10pt.) 4pt.
コストパフォーマンス(15pt.) 11pt.
合計 85pt.