来年までに手に入れたい、永久カレンダーの名作5選

2019.08.29

 時計は目にすることのできない時間の流れを表すために生まれてきた。
そのため4年に一度の閏年の月・日・曜日まで正確に自動的に表示する永久カレンダー=パーペチュアルカレンダーは、ある意味で、時計の究極といえる。そして、実際、永久カレンダーはトゥールビヨンやミニッツリピーターなどと並ぶ超複雑機構のひとつに数えられる、まさに機械式時計の究極でもある。

 さて。来年は、その4年一度のうるう年。そこで永久カレンダーを手に入れることをおすすめしたい。4年に一度「2月29日」を表示する精巧な動きは、永久カレンダーの最高の見どころ。それを来年、愉しめるのだから。

 ということで、永久カレンダーの名作を挙げてみた。いずれも超複雑機構を得意とする名門マニュファクチュールの作というのが特筆点。また、「カラトラバ」や「ロイヤル オーク」「トノウ カーベックス」といった、どれもがブランドを代表するコレクションであるのもポイントだ。つまり機構もデザインも完成度が高く、それこそ永久に愛用することができる。ならば価格は少々高く感じるかもしれないけれど、むしろ、お買い得。東京オリンピックの思い出に、というのも大おすすめだ。


パテック フィリップ「永久カレンダー Ref.5327」

永久カレンダー Ref.5327

パテック フィリップ「永久カレンダー Ref.5327」
直径39mm
自動巻き(Cal.240 Q)
27石
2万1600振動/時
3気圧防水
YG
927万円(税別)

世界初の永久カレンダー腕時計は1925年にパテック フィリップが制作した。そしてそれ以来さまざまな永久カレンダーを開発しているなかで、1970年代からのロングセラーを誇るのが「240 Q」。マイクロローターによりわずか3.88mm厚の超薄型を実現した傑作だ。これはその「240 Q」を搭載した代表モデル。端正なカラトラバケースや流麗なブレゲ数字も魅力だ。


オーデマ ピゲ「ロイヤル オーク・パーペチュアルカレンダー」

ロイヤル オーク・パーペチュアルカレンダー

オーデマ ピゲ「ロイヤル オーク パーペチュアルカレンダー」
直径41mm
自動巻き(Cal.5134)
38石
1万9800振動/時
20m防水
SS
635万円(税別)

1978年に世界最薄の自動巻き永久カレンダーモデルを発表。同モデルが搭載した永久カレンダームーブメントは異例ともいえる大ロングセラーとなり、そして1993年に基本をほぼそのままに進化した。このモデルは2015年に登場したさらなる進化版。ムーンフェイズがこれまでの59歯(29.5日周期)から122年と108日で1日の誤差という高精度になっている。


ヴァシュロン・コンスタンタン「オーヴァーシーズ・エクストラフラット・パーペチュアルカレンダー」

オーヴァーシーズ・エクストラフラット・パーペチュアルカレンダー

ヴァシュロン・コンスタンタン「オーヴァーシーズ・エクストラフラット・パーペチュアルカレンダー」
直径41.5mm
自動巻き(Cal.1120 QP/1)
36石
1万9800振動/時
5気圧防水
PG
990万円(税別)

「オーヴァーシーズ」は創業222周年を記念した「222」を祖として1996年に誕生したラグジュアリースポーツウォッチの名作。2004年に第2世代となり、2016年に第3世代へとフルモデルチェンジされた。これはその超薄型永久カレンダーモデル。ブレスレットをワンタッチで脱着可能の独自機構も魅力。付け替え用のレザーとラバーのストラップが付属する。


ジャガー・ルクルト「マスター・ウルトラスリム・パーペチュアル エナメル」

マスター・ウルトラスリム・パーペチュアル エナメル

ジャガー・ルクルト「マスター・ウルトラスリム・パーペチュアル エナメル」
直径39mm
自動巻き(Cal.868A/2)
46石
2万8800振動/時
5気圧防水
WG
世界限定100本
605万円(税別)

「マスター・ウルトラスリム・パーペチュアル」の新作で新開発ムーブメントを搭載。シリコン脱進機やLIGA製歯車などにより、精度アップやパワーリザーブの延長など、大幅な改良をしているのが特徴。ダイヤルレイアウトもムーンフェイズが12時位置から6時位置に、特徴的な西暦表示が8時位置から12時位置へ、などと変更されている。


フランク ミュラー「トノウ カーベックス パーペチュアルカレンダー 25th」

トノウ カーベックス パーペチュアルカレンダー 25th

フランク ミュラー「トノウ カーベックス パーペチュアルカレンダー 25th」
45×30mm
手巻き(Cal.FM2800)
21石
2万8800振動/時
日常生活防水
YG
世界限定25本
560万円(税別)

フランク ミュラーのアイコンのトノウ カーベックスケースは独立時計師の時代に注文主の女性から「独自のデザインを」と依頼されたことがきっかけで誕生。永久カレンダー+ミニッツリピーターのハイコンプリであった。これはそのデザインを忠実に再現したモデルで、つまりはフランク ミュラーのルーツとなるもの。オリジナルと同じ細身のケースが味わい深い。