「ディオール バンブー パビリオン」が開業。壮麗なカフェで代官山限定メニューに舌鼓

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2026.03.04

2026年2月、新たなコンセプトストア「ディオール バンブー パビリオン」が東京・代官山に誕生した。緑に囲まれた1800㎡を超える壮大な敷地内には、ミシュランに輝く女性シェフ、アンヌ=ソフィー・ピック氏が手掛ける「カフェ ディオール」もオープンし、早くも大きな話題に。フードジャーナリストであり、『クロノス日本版』巻頭コラム「この世ならぬ美味のクリエイター」を連載する外川ゆいが訪れ、その魅力を紹介する。

ディオール バンブー パビリオン

外川ゆい:写真・取材・文
Photographs & Text by Yui Togawa
[2026年3月04日公開記事]


和の趣と植物界への情熱によって生み出された“夢の王国”

ディオール バンブー パビリオン

ライトアップされた幻想的な「ディオール バンブー パビリオン」。

 遂にベールを脱いだ「ディオール バンブー パビリオン」は、その外観からして圧巻だ。日本との揺るぎない絆を継承した新たな拠点、というコンセプトが、匠の技によって表現されている。ディオールの運命を導いてきた星に見守られた建築は、フランス・パリの本店「30モンテーニュ」のファサードをゴールドに染め上げたバンブーで再解釈。これは、日本の竹林に着想を得たものだ。著名なプラントハンターである西畠清順氏によるポエティックな庭園は、伝統と革新を融合させ、稀少な植物で構成されている。池を泳ぐガラスの鯉など随所にアート作品がちりばめられているので、じっくりと散策していただきたい。

ディオール バンブー パビリオン

「ディオール バンブー パビリオン」オリジナルの音楽が流れる店内。

ディオール バンブー パビリオン

テラス席の奥に広がるのは、西畠清順氏によるガーデン。

 自らを美食家と称した創設者クチュリエ、クリスチャン・ディオール氏が愛した「アール ドゥ ヴイーブル(暮らしの美学)」へのオマージュとして、敷地内には「カフェ ディオール」もオープンした。日本では、大阪・関西空港、東京のGINZA SIXに続く3店舗目となる。テラスに面した店内は、太陽の光がたっぷりと降り注ぎ、優しく穏やかな雰囲気が漂う。テラス席上部にある棚は、これからゆっくりと藤の花が成長していき、いずれ立派な藤棚になる予定。テーブルのランタンやカウンターの茶釜など日本ならではの伝統美がしっとりと融合している。ちなみに、隠し扉の広がる化粧室も息を呑むほどの驚きがあるので、そちらのチェックもお忘れなく。

植物への情熱を表現したアート作品が店内を彩る

東信「パルダリウム」

カフェのエントランスに置かれた東信(あずま まこと)氏による「パルダリウム」。

「カフェ ディオール by アンヌ=ソフィー・ピック バンブー パビリオン」の店内には、語らずにはいられないような物語あるアート作品が点在している。まず、カフェのエントランスで目を引くのが、フラワーアーティストの東信(あずま まこと)氏とのオフィシャルコラボレーションによる作品「パルダリウム」。“音室”をコンセプトにしたもので、音楽が流れ水蒸気が立ち上る演出など自動的に幻想的な雰囲気が生まれる設計になっている。季節に応じて花々の色調が変化していくのでお楽しみに。

東信「ブロックフラワー」

両サイドの壁にずらりと飾られている「ブロックフラワー」。

「レディ ディオール」のアートピース

東氏が手掛けた「レディ ディオール」のアートピース。

 壁を彩る「ブロックフラワー」も東氏による作品。レジンの中に生花を閉じ込めたもので、ムッシュ ディオールが生まれ育ったグランヴィルに咲いていた花と日本由来の花を集めて制作されている。それぞれに名前が表記されているのは、お気に入りのものを見つけていってほしいという想いから。

 天井から降り注ぐように飾られているのは、柴田あゆみ氏によるインスタレーション。以前、現代美術館で開催された「クリスチャン・ディオール、夢のクチュリエ」展で展示されたものを導入し、柴田氏自らが、こちらのカフェに合わせて丁寧に調整したもの。360度どこに目を向けても華やかなアートに包まれるような空間だ。

柴田あゆみ氏によるインスタレーション

柴田あゆみ氏による紙で作られたインスタレーション。

フランスで唯一の三つ星女性シェフによる限定メニュー

アンヌ=ソフィー・ピック

「カフェ ディオール」を手掛けるアンヌ=ソフィー・ピック氏。

「カフェ ディオール」が大きな注目を集める理由のひとつにシェフの存在がある。祖父、父に続き、親子三世代にわたりミシュラン三つ星を獲得するアンヌ=ソフィー・ピック氏は、女性シェフとして世界で最も多くミシュランの星を保持。世界のベストレストラン50による世界最優秀女性シェフにも選出された。ローヌ渓谷の街ヴァランスの人里離れた一角にあるレストラン「メゾン・ピック」では、4~5時間かけてコース料理を愉しみ、40名弱のゲストに対し、サービスが28人、ソムリエが21人でもてなす。アロマティック・プラント(香草)を育てる屋上庭園が存在し、料理には新鮮なハーブが活用されることも特徴的だ。そのような少し聞くだけでも実に魅力あふれるシェフによって、エクスクルーシブなメニューが提供されている(今回はかなわなかったが、いつかじっくりとインタビューさせていただきたい)。

「カフェ ディオール」では、植物界への情熱という共通の想いのもと、彼女の哲学「インプレグネーション(浸透)」を表現。アーカイブに没頭し、象徴的な形やモチーフを通じて自身の料理とブランドのアイデンティティーを反映した料理を生み出している。今回は、代官山でしか味わうことができない「ディオール バンブー パビリオン」限定の3つのメニューをご紹介しよう。

ル トレフル

「ル トレフル」5000円(税込み)。

 四つ葉のクローバーを象った「ル トレフル」は、ピスタチオ風味のタルト生地をベースに、抹茶や玄米茶などのビスケットを重ね、内部には柚子のコンフィを忍ばせたケーキ。抹茶とエストラゴンのムースにとまるてんとう虫はチョコレートで作られている。こちらは、ディオールの新クリエイティブ ディレクターに就任したジョナサン・アンダーソン氏へのオマージュ。

ル カナージュ シュクレ

「ル カナージュ シュクレ」5000円(税込み)。

 ディオールを象徴する「カナージュ」模様を表現した「ル カナージュ シュクレ」は、チョコレートコーティングしたお米のシュトロイゼルをベースにしたライスプディング。ピック氏が愛する苺、米、日本酒を緻密に調合している。日本酒にみりんや酒粕をあわせたジュレが数か所に入っており、ほのかな香りが徐々に広がっていくような印象を受ける。いずれもディオールならではの愛らしい遊び心と和の素材が見事に融合している。

ル パン クジュ マン

「ル パン クジュ マン」5000円(税込み)。

「ル パン クジュ マン」は、南フランスで人気のスナック「パン・バニャ」を再解釈したサンドイッチ。そば茶の繊細な風味を加えたソフトなパンに、旬の野菜、マリネしたマグロ、バジルペーストを挟んでいる。ムッシュ ディオールが休暇を過ごした南フランスのラ コルノワール城からアイデアを得たものだ。

ラテ

スターを描いたホットの「ラテ」2000円(税込み)。

 ケーキやサンドイッチに合わせるドリンクには、ブランドを象徴するアイコンを天面にあしらったホットラテやカプチーノがおすすめだ。スター、千鳥格子、蜂、ローズ、ミッツァの5種類の絵柄からチョイスできる楽しみが。また、代官山店では日本茶に特化しており、陶芸家の岩崎龍二氏や中里博恒氏による茶器で提供される。

 味わいだけでなく、その世界観に感銘を受けるであろう「カフェ ディオール by アンヌ=ソフィー・ピック バンブー パビリオン」。ぜひ予約をして、エレガントなひと時を過ごしてみてはいかがだろうか。

店舗概要

カフェ ディオール by アンヌ=ソフィー・ピック バンブー パビリオン
住所:東京都渋谷区猿楽町8-1
TEL:03-6455-0713
営業時間:11:00~19:00(LO18:00)
URL:https://www.dior.com/ja_jp/fashion/boutique/bamboo-pavilion
てんとう虫のコンパス(ARナビゲート):https://diorbamboopavilion-arnavigation.com/



外川ゆい氏のプロフィール

外川ゆい

フードジャーナリスト。つくり手のストーリーや思いを伝えることを信条に、レストラン、ホテル、スイーツ、お酒など、食にまつわる記事を執筆する。『クロノス日本版』巻頭連載IN THE LIFEにて「この世ならぬ美味のクリエイター」を担当。



Contact info: クリスチャン ディオール Tel.0120-02-1947


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