たった3mmの違い。ブルガリ「オクト フィニッシモ」37mmモデルが時計界のゲームチェンジャーになる理由

FEATURE WatchTime
2026.04.30

ブルガリは「ウォッチズ&ワンダーズ ジュネーブ」において、極めて高い人気を誇る「オクト フィニッシモ」コレクションの新作を発表した。ファン待望の37mm径へのサイズダウンを実現すべく新開発された自社製ムーブメント「Cal.BVF 100」の搭載や、それによって獲得した完璧なプロポーションなど、エルゴノミクス(人間工学)を極めたアプローチが際立っている。本記事では、スクエアケース特有の存在感と理想の着用感を見事に両立させた注目の新作を、『ウォッチタイム』のゼン・ラブが詳しく紹介する。

Text by Martin Green, originally published by watchtime.com
Text by Zen Love
[2026年4月30日掲載記事]

待望の37mm径!ブルガリ「オクト フィニッシモ」が新ムーブメント搭載で理想のプロポーションを獲得

 たかが3mmの違いと大げさに騒ぎ立てるつもりはないが、ケース径の縮小はブルガリの「オクト フィニッシモ」にとってゲームチェンジャーである。コレクターたちは以前からこれを求めていたが、実現には新しいムーブメントが必要であった。

 そして今、それがついに現実のものとなったのだ。厚さは、愛好家たちが12年にわたって親しんできた40mmモデルよりもほんのわずかに増しているが、そのフィット感とプロポーションは全く異なる着用感をもたらしてくれる。

ブルガリ「オクト フィニッシモ」Ref.104089

ブルガリ「オクト フィニッシモ」Ref.104089
自動巻き(Cal.BVF100)。毎時2万1600振動。パワーリザーブ約72時間。Tiケース(直径37mm)。30m防水。262万9000円(税込み)。

 これは私が常々「こうであってほしい」と望んでいたオクト フィニッシモの姿そのものであり、ウォッチズ&ワンダーズ ジュネーブにおける目玉のひとつになることは間違いない。

ブルガリ「オクト フィニッシモ」Ref.104351

ブルガリ「オクト フィニッシモ」Ref.104351
自動巻き(Cal.BVF100)。毎時2万1600振動。パワーリザーブ約72時間。Tiケース(直径37mm)。30m防水。予価270万6000円(税込み)。2026年9月発売予定。

 発表された3つの「ソロテンポ」(3針)バリエーションのうち、ふたつはチタン製だ。既存コレクションのケース仕上げを踏襲し、ひとつは全面サンドブラスト仕上げのマットな質感、もうひとつはサテンとポリッシュのミックス仕上げとなっている。もうひとつのソロテンポモデルは18Kイエローゴールド製だ。

ブルガリ「オクト フィニッシモ」Ref.104120

ブルガリ「オクト フィニッシモ」Ref.104120
自動巻き(Cal.BVF100)。毎時2万1600振動。パワーリザーブ約72時間。18KYGケース(直径37mm)。30m防水。753万5000円(税込み)。

 さらに嬉しいことに、この新サイズには(サンドブラスト仕上げのチタン製で)ミニッツリピーターも用意されているが、それは当然ながら全く別のムーブメントを搭載した別次元の代物である。本稿では、主役であるソロテンポモデルに焦点を当てていこう。

新ムーブメント「Cal.BVF 100」の全貌

 なぜこれまで他のサイズオプションが存在しなかったのか。その答えは、40mm版オクト フィニッシモのケースバックを美しく埋め尽くすムーブメント、すなわち直径36.6mmの「Cal.BVL 138」の存在にある。今回搭載された新しいムーブメントは「Cal.BVF 100」と名付けられており、それに勝るとも劣らない美しい外観を持っている。

 直径31mm、厚さ2.35mmのこのムーブメントは、Cal.BVL 138より0.12mm厚く、結果としてケース厚は6.45mmとなっている。これは40mmモデル(5.15mm)よりも1.3mm厚い数値だ。

Cal.BVF 100

裏蓋からは新開発された自社製ムーブメント「Cal.BVF 100」のコート・ド・ジュネーブ装飾を見ることができる。

 どちらの自社製ムーブメントも自動巻き用のマイクロローターを備えているが、寸法だけでなく性能面でも違いがある。新ムーブメントは約3日間(72時間)へと延長されたパワーリザーブを誇り、テンプから放射状に広がる美しいコート・ド・ジュネーブ装飾が施されている。ブルガリによれば、このムーブメントの開発には3年の歳月を費やしたという。

スクエアケース特有の存在感と「完璧」な着用感

 なぜ37mmモデルの登場がこれほどまでに重要なのだろうか。ブルガリのオクト フィニッシモは、極めて人気の高い腕時計である。しかし、この時計を最高にクールにしている要素の数々と、実際に手首に巻いた時の感覚との間には、常にわずかな乖離があった。少なくとも私にとってはそうだったし、おそらく他の多くの人々も同じように感じていたはずだ。

 非常に薄く軽量であること(多くのバリエーションがチタン製であった)は当然プラスに働くが、私の6.5インチ(約17cm)の手首には、40mmのケースはやや不格好に大きく鎮座していた。これは、その独特の形状に起因する部分が大きい。

40mmのブルガリ オクト フィニッシモ(左)と、隣に並ぶ新作の37mmモデル

40mmのブルガリ オクト フィニッシモ(左)と、隣に並ぶ新作の37mmモデル。

 確かに、オクト フィニッシモのダイアルとケースは名目上は八角形で、ベゼルは円形である。そして40mmという数字自体は決して大きく聞こえない。しかし、実際の専有面積は正方形に近く、腕時計のサイズ感に詳しい読者ならご存知の通り、スクエアケースやレクタンギュラーケースは、伝統的なラウンドウォッチと同じスペックでも、より大きく感じられるものだ。

 したがって、37mmというスクエアに近い腕時計は、想像するよりも少しだけ強めの存在感を放つことになる。では、それによって「完璧」になったのだろうか。

 それは実際に手首に乗せてみるまでは、あくまで抽象的な話でしかない。しかし、実際に試着してみることで私の中で確信へと変わった。これまでこのモデルが持っていたあらゆるクールさや面白さが、突如としてプロポーションとエルゴノミクス(人間工学)に見事に合致したのだ。

 私は発表に先駆けて、このオクト フィニッシモ 37をほんのわずかな時間だけ拝見し、試着して簡単な写真を何枚か撮る機会に恵まれた。これらの写真が、その優れた装着感を伝えてくれることを願っている。我々はウォッチズ&ワンダーズ ジュネーブの会場に足を運んでおり、今後さまざまなバリエーションの追加写真や更なる情報をお届けできるはずだ。

Contact info:ブルガリ ジャパン Tel.03-6362-0100


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