こんなにゴツいのに! カシオ プロトレック「PRW-69YB-3JF」が山でも街でもなじむ理由【着用レビュー】

2026.05.19

カシオのPRO TREK(プロトレック)はその名のとおり、プロユースに応える超本格派のアウトドアウォッチである。つまり中身も見た目もいい意味でゴツいのが持ち味。しかしながら近年は、過酷な状況下での使用を想定したタフネスと高機能を備えつつ、デザインや装着感に磨きをかけたモデルも散見される。この「PRW-69YB-3JF」も然り。実際に着用してみると、山と街をクロスオーバーして使える理由がいろいろと見えてきた。

プロトレック PRW-69YB-3JF

加瀬友重:写真・文
Photographs & Text by Tomoshige Kase
[2026年5月19日公開記事]


アウトドアウォッチひとすじ30年

 社会人になってから、ふとした縁で登山を覚えた。

 ただしハードなロッククライミングや冬山ではなく、軽登山である。とはいえ未舗装の山道を辿りピークを目指すという行為は、安全安心が行き届いた現代社会において、冒険の香りを残す数少ない遊びであった。すぐに夢中になり、休日には秩父、奥多摩、丹沢の低山に足繁く通った。今から30年ほど前、1995年のことである。

 調べると、1995年というのはちょうどカシオからPRO TREK(以下プロトレック)が誕生した年であった。思い起こせば確かにその頃から、プロトレックを愛用する山好きが増えていったように思う。

プロトレック DPX-500

プロトレックの最初のモデルが「DPX-500」である。方位、高度と気圧、温度を知るための3つのセンサーを搭載し、現状把握と的確な行動判断をサポート。ブランドのアイデンティティーを具現する、高い完成度を誇るモデルだった。

 週末、登山口に向かう路線バスは登山者で満員になる。手すりや吊り革に捕まるその手元を見れば、アウトドア時計のトレンドがなんとなく分かるのだ。私の山仲間のなかにも、プロトレックを購入する者が何人かいた。実際プロトレックの初号機である「DPX-500」は、高度や方位が分かる画期的な腕時計として、当時の多くの登山愛好家に受け入れられたという。

 以来プロトレックは30年以上にわたり技術革新を続け、現在では日本のアウトドアウォッチを代表する存在として、広い認知と厚い支持を得るにいたっている。

 数あるプロトレックのラインナップのなかから今回レビューするのは、クライマーラインの「PRW-69YB-3JF」。多機能表示を実現するデュプレックスLCD(二層液晶)を搭載した大型のデジタルフェイスと、質実剛健な角型フォルムが特徴的なモデルだ。

プロトレック PRW-69YB-3JF

PRO TREK「PRW-69YB-3JF」
登山、トレッキング、キャンプなど幅広いフィールドで活躍する本格アウトドアウォッチ。軽さと耐久性を兼ね備え、環境にも配慮した素材を用いて作られている。カシオ独自のタフソーラーにより太陽光や室内光で充電。長時間の山行でも安心して使用できる。タフソーラー。フル充電時約26カ月駆動。樹脂×SSケース(縦52.5×横46.4mm、厚さ13.8mm)。10気圧防水。4万8400円(税込み)。

 実際に装着してみると、まずその軽さに驚かされる。重量は68g。軽さの理由はケースおよびケースバックの素材にある。調理の火や焚き火に強く、環境負荷を低減する難燃バイオマスプラスチックを使用。アウトドアマンが求める実用性を確保し、そのマインドにも合致する素材と言えよう。

プロトレック PRW-69YB-3Jケースバック

ケースおよびケースバックは難燃バイオマスプラスチック製。ベゼルにはステンレススティールを使用。

 クロスバンドにも難燃加工が施されている。質感はやや固めだが、素肌に当たっても違和感や不快感はない。こちらもやはり軽い。耐摩耗性と環境配慮を両立した「CORDURA® re/cor™」というナイロン素材を使用している。

 黒いケースとオリーブグリーンのバンドの色合わせもいい。アウトドアらしさを十分に感じさせつつ、街の服装にもなじむ落ち着いた佇まいがある。

プロトレック PRW-69YB-3JF

難燃加工を施したバンド。調理や焚き火の際にも安心である。

 見た目と装着感は正直かなり好みだ。続いて、プロトレックのデジタルモデルの本領といえる、液晶表示について見ていこう。


簡単なボタン操作と高い視認性が◎

 本作「PRW-69YB-3JF」の最大の特徴は、視認性を高めた大型のデジタルコンパスだ。東西南北がひと目で分かるグラフィックが手の動きに追随し、60秒間の連続計測が可能。またデュプレックスLCDの採用により、コンパス使用時にも時刻が表示されるのがありがたい。

プロトレック PRW-69YB-3JF

 プロトレック PRW-69YB-3JF
 プロトレック PRW-69YB-3JF
(上)大型で見やすいデジタルコンパス。60秒間の連続計測が可能だ。(右下)高度表示。(左下)気圧/温度表示。ケース左下のボタンを2秒以上長押しすると、どの表示のときも時刻モードに戻る。

 登山で主に用いるコンパス表示(右上ボタン)、気圧/温度表示(右中ボタン)、高度表示(右下ボタン)はいずれも、時計表示からそれぞれワンプッシュで切り替えられる。ローレットパターンをあしらった大型のボタンは、グローブ装着時でも確実に操作できそうだ。

プロトレック PRW-69YB-3JF

滑りにくいようにローレットパターンがあしらわれたボタン。雨天時や手が濡れているときでも快適に操作できる。

 また実際の山行でかなりの頻度で使う機能のひとつが、文字盤のライトである。山小屋やテントで過ごす夜、日の出前のピークハント、日帰り登山の薄暮の帰路。できるだけ明るいライトを装備している時計が安心で、ありがたい。

 本作は高輝度なフルオートLEDバックライトが液晶全体を均一に照射し、圧倒的な視認性の高さを実現している。6時位置のボタンを押せばライトが点灯。腕を傾けるだけでライトがつく自動点灯も、ボタン操作により簡単に設定できる。

プロトレック PRW-69YB-3JF

ベゼル下の6時位置のボタンを押すとLEDバックライトが点灯する。

 多機能表示をかなえるデュプレックスLCD搭載のデジタルフェイスは、日中や屋内での見やすさも抜群だ。山はもちろん街においても、ストレスフリーの視認性を約束してくれる。

プロトレック PRW-69YB-3JF

プロトレック PRW-69YB-3JF

太陽光のもとでも室内の暖色灯でも、デジタル表示の視認性はきわめて良好であった。


シリアスなクライマーじゃなくたって

 この「PRW-69YB-3JF」はアウトドアでの使用が本筋ではあるが、街での着用にも十分なポテンシャルを発揮してくれる時計だ。

 アウトドアの気分を盛り上げる黒×オリーブグリーンのカラーリングは、いまどきのカジュアルな服装にもマッチする。

 無駄を排したフォルムと68gという軽さは、荷物の軽量化を追求するクライマーにはもちろん、着けていて疲れない時計を志向するウォッチファンにもおすすめできる。

 コンパス表示、気圧/温度表示、高度表示はまさにクライマーのための機能だが、日々の散歩や街歩きの際に使っても当然便利であるし、“ツールをいじる感覚”というのは無邪気に楽しいものだ。

 山と街をクロスオーバーして楽しめるプロトレックの「PRW-69YB-3JF」。クライマーやハイカー、キャンパーにはもちろん、アウトドアライクなギアや服が好きな方にも、ぜひ一度試してほしい時計である。おそらく、きっと、いや間違いなく、気に入ってもらえると思う。

プロトレック PRW-69YB-3JF

ふと思い立ち、自宅から徒歩1時間の湧水公園へ足を運んだときの写真である。アウトドアウォッチには、アクティブな気分を後押する不思議なパワーが備わっている気がする。

Contact info: カシオ計算機お客様相談室 Tel.0120-088925


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