ノルケインCEOのベン・カッファーにインタビュー。「気持ちが若い人たちと共感し合いたいですね」

2026.07.23

待望の「ワイルド ワン」コレクション初となる「ワイルド ワン スケルトン クロノ」を発表したノルケイン。それに加え、コンセプトモデルの「ワイルド ワンスケルトン X-LITE リミテッドエディション」も同時発表された。自社のセカンドステージとなる新しいチャレンジを語るのは、1988年生まれのまだ年若いCEO、ベン・カッファーだ。

三田村優:写真
Photograph by Yu Mitamura
鈴木裕之:取材・文
Text by Hiroyuki Suzuki
Edited by Yukiya Suzuki (Chronos-Japan)
[クロノス日本版 2026年7月号掲載記事]


セカンドステージを迎えた若き挑戦者

ベン・カッファー

ベン・カッファー
ノルケインCEO。1988年、スイス生まれ。父はロベンタ・ヘネックスの前オーナーで、20年以上にわたってスイス時計協会の取締役会のメンバーでもあるマーク・ カッファー。2006年、ブライトリングに入社し、スイスとアジアのセールスマネージャーを務める。2017年に同社を退社後、ブライトリング前オーナーの一族であるテッド・シュナイダーなどの助力を得て、2018年にノルケインを創業した。

「2022年に最初のワイルド ワンが完成した時、次の目標をどうすべきかジャン-クロード・ビバーとディスカッションしたんです。ひとつは自社製クロノグラフを完成させること。もうひとつが軽量化でした」

 まずクロノグラフ開発のパートナーとなったのは、セリタの高級ムーブメント製造部門であるAMTだ。30分積算計とスモールセコンドを上下に並べた2カウンターのリスターティングクロノグラフである。

「このモデルはムーブメントの造形を見せることも重要でした。受けのマルチレイヤー化や、積算針のフローティングディスク化は、すべてオープンダイアルのためです」

 タッチ&フィールで実機に触ったが、フライバックも含めて、プッシャーの感触が素晴らしい。柔らかいのに節度があるのだ。

「その点に最もこだわったのは、昨年からアドバイザーとして参加しているジャン・ポール・ジラルダンです。彼が言うんですよ、とにかくソフトにしろって(笑)」

ノルケイン「ワイルド ワン スケルトン X-LITE リミテッドエディション」

ノルケイン「ワイルド ワン スケルトン X-LITE リミテッドエディション」
堅牢かつ軽量なノルテック製の樹脂ケースをベースに、新規開発されたX-LITE製のケーシングリングを追加。黄色い部分はラバー製のショックアブソーバーで、この部分も極めて軽い。自動巻き(Cal.NBK26/1)。24石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約65時間。ノルテックケース(直径41mm、厚さ11.95mm)。100m防水。世界限定200本。198万円(税込み)。

 コンセプトモデルのX-LITEは、重量が45g。4000m級を誇るスイスの山並みになぞらえて、同社が4Kと呼ぶマニュファクチュールキャリバーを搭載し、ケースインナーにノルテックの進化形となる新素材を用いることで、軽量化を成し遂げた。

「ノルテックを共同開発したBIWIのCEOも、僕と同世代なんです。だから共感し合える部分も多い。ワイルド ワンのデザインのまま軽量化することが目標でしたが、品質価格比も重要でした。超軽量だからといって、いたずらに高価にすることはチャレンジャーブランドらしくないですから」

 ベゼル下やケースサイドにラバー(HNBR)製のショックアブソーバーが仕込まれるが、この部分も軽いのだという。密度が1.2程度なので、単体ならば水に浮く。ところで新作のメインモデルがここまでハードな内容なのに、今年のノルケインは、山荘風のブースをポップに飾り付けた。このギャップはいったい何なのだろう?

「我々が目指しているのは究極のメカブランドですが、同時にファンブランドでもありたいのです。現在のノルケインが好きな人たちだけを顧客層に固定せず、リスクを取ることも大事だと考えています。気持ちが若い人たちと共感し合いたいですね」



Contact info:ノルケインジャパン Tel.03-6864-3876


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