誕生25周年を迎えたユリス・ナルダン「フリーク X」が新世代へ!

2026.08.13

ムーブメントそのものが時刻を表示する独創的な機構により、時計界に大きな衝撃を与えた「フリーク」も、今年で誕生25周年となる。その節目に、ユリス・ナルダンは人気の「フリーク X」に新世代機を投入した。マイクロローター式の新型ムーブメントの搭載により、一層コンパクトかつスリムなプロポーションを獲得し、シリーズとして初めてオールステンレススティールモデルも用意。100mの防水性能も確保するなど、日常での使い勝手がさらに向上している。革命的なフライングカルーセル搭載モデルを、アクティブなライフスタイルにも寄り添うように再構築した新傑作だ。

フリーク X ブルー

フリーク X ブルー
小径化とともに、あらゆるディテールが生まれ変わったフリーク X。従来はモジュラー構造のチタンケースだったが、モノブロック構造に変わり、一体型メタルブレスレットを装備したオールステンレススティールモデルも登場。ステンレススティールは80%リサイクルの素材を使用。よりアクティブな雰囲気を強めている。自動巻き(Cal.UN-232)。27石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約72時間。SSケース(直径41mm、厚さ10.35mm)。100m防水。676万5000円(税込み)。
星武志:写真
Photographs by Takeshi Hoshi (estrellas)
吉田巌:編集・文
Edited & Text by Iwao Yoshida
[クロノス日本版 2026年9月号掲載記事]


小径化で際立つ先進性

 2026年は、ユリス・ナルダンにとってふたつのアニバーサリーが重なる。ひとつはブランド創業180周年、もうひとつは代表コレクションである「フリーク」の誕生25周年だ。

 そんな特別な年を祝うべく、同メゾンは、ウォッチズ&ワンダーズ ジュネーブ 2026で「スーパー フリーク」を発表した。フリークをフリークたらしめるムーブメント自体が回転して時刻を表示するフライングカルーセル機構に、ディファレンシャルギアでつながれたふたつのフライングトゥールビヨンを組み込み、さらにシリーズで初めて秒表示まで与えられたこのモデルは、まさにシリーズの集大成と呼べるものだ。

 しかしアニバーサリーを祝うピースはそれだけではなかった。スーパー フリークの開発と並行し、フリークを日常使いしやすいようにアレンジした人気コレクションにおいても、メゾンのエンジニアとデザイナーたちは2年以上をかけて、全面的なリニューアルプロジェクトを進行していたのだ。この夏、その新生「フリーク X」がついにリリースされた。

 まず注目したいのが、新しい自社製の自動巻きムーブメント、Cal.UN-232だ。マイクロローターの採用により、従来のUN-230よりコンパクトになったこの駆動装置は、フリークXで初めてダイヤモンシル製の脱進機を採用。保護シールドの役割を果たすこのハイテクな表面処理により、年間2億5000万回以上の衝撃を受ける脱進機の耐久性が飛躍的に高められた。もちろん、精度や効率性も大幅に向上している。

Cal.UN-232

構造を一から再考した、新しい自社製キャリバーUN-232。ダイヤモンシル製脱進機をはじめ、5つの特許技術が組み込まれ、調速機構全体のノイズと摩擦を低減するとともに、エネルギー伝達を最適化しているという。香箱と対をなすように配置されたマイクロローターはローズゴールド製。視覚的な温かみをもたらすポイントになっている。

 新型ムーブメントに合わせて、ケースデザインも見直された。19年デビューのフリーク Xは、フリークシリーズの中で最小となる直径43mm、厚さ10.7mm(風防を含む厚さ13.92mm)のケースを特徴とするが、新作では直径41mm、厚さ10.35mm(風防を含む厚さ13.6mm)と、さらにコンパクトなプロポーションを得た。

 ケースの素材や構造も一新した。従来のフリーク Xは、基本的にモジュラー構造のチタンケースだったが、新作は80%リサイクルスティールを用いたSSケース、もしくは100%ローズゴールドケースとなり、構造もモノブロックに変更された。これにより堅牢性が増し、機械的振動の伝達も最小限に抑えられた。

フリーク X

(右)フリーク X グレー
ステンレススティールとなじむグレーの盤面で全体を同トーンでまとめたモデル。ステンレススティールは80%リサイクルの素材を使用。遠目にはシックだが、手作業で面取りされたアワーとミニッツ表示、オシレーターブリッジにより、フリーク Xの建築的な構造がしっかり際立つ。自動巻き(Cal.UN-232)。27石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約72時間。SSケース(直径41mm、厚さ10.35mm)。100m防水。655万6000円(税込み)。
(左)フリーク X ゴールド
ローズゴールドと艶やかなブラックのコントラストで、フライングカルーセルを一層格調高く見せたモデル。小径化を果たしたことにより、フォーマルなシーンでさりげなく非凡なセンスを主張する1本としても活躍してくれそうだ。自動巻き(Cal.UN-232)。27石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約72時間。18KRGケース(直径41mm、厚さ10.35mm)。100m防水。1017万5000円(税込み)。

 もちろん、その他ディテール面も細やかにアップグレードを果たし、洗練度を増している。特にサファイアクリスタル製風防は、新たにベゼルのぎりぎりまで覆うグラスボックス型となり、小径化と裏腹に、盤面への没入感がぐっと強まった印象だ。フライングカルーセルの動きも一層ダイナミックに感じられる。

 さらに、ねじ込み式リュウズの採用により、防水性能は50mから100mに向上。耐久性が強化された新ムーブメントとあいまって、よりアクティブなライフスタイルにも寄り添うフリーク Xとなっている。クイックリリース式のストラップ交換システムの導入に合わせて、交換用のストラップやブレスレットが全9種類用意されたことで、シーンや装いにマッチするルックスへと簡単にイメージチェンジできるのも良い。

 フリーク Xは、ユリス・ナルダンの高度な技術力と革新性の象徴であるフリークを、「毎日使えるコンプリケーション」とすべく誕生したシリーズであり、そのチャレンジはすでに世界中の愛好家から大きな支持を集めている。その実用性や美観レベルを一段階引き上げた新生フリーク Xは、フライングカルーセルという他にはない独創的機構を持つプレミアムウォッチの愛用者を、さらに増やすことは間違いないだろう。



Contact info:ソーウインド ジャパン Tel.03-5211-1791


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