デビュー当時のキャッチフレーズは“天まで響け‼”。圧倒的な歌唱力と、デビューから50年を経てなお輝きを増す表現力で、岩崎宏美は今も第一線を走り続けている。デビュー曲「二重唱(デュエット)」や「ロマンス」といった難易度の高い楽曲を歌いこなし、「思秋期」や「聖母たちのララバイ」といった名曲で聴かせる圧巻の表現力は、多くの人の心に刻まれてきた。歌謡曲にとどまらずミュージカルの舞台にも立ち、多彩な活動を続ける岩崎宏美が愛用する時計に、今回は着目した。

Text by Yukaco Numamoto
編集:土田貴史
Edited by Takashi Tsuchida
[2026年8月23日掲載記事]
デビュー50周年を経て、なお精力的な音楽活動を続ける岩崎宏美
2025年、岩崎宏美はデビュー50周年という大きな節目を迎えた。「デビュー50周年記念コンサート~永遠のありがとう~」をはじめ、妹・岩崎良美と続けている「宝くじまちの音楽会 岩崎宏美・岩崎良美~ふれあいコンサート~」にも出演するなど、まさに日本中を駆け巡る一年となった。
直近ではビルボードライブ大阪でのライブ「岩崎宏美 アコースティックツアー2026」を開催。変わらぬ伸びやかな歌声と観客との一体感が絶賛され、家族との温かいエピソードも披露したという。自身のInstagramでは「今回初めて客席降りて、歌わせていただきました。大阪の熱気を全身に感じながら歌わせていただきました」と、熱い感謝の気持ちを綴っている。
テレビ番組への出演も相次いでいる。2026年4月には「徹子の部屋」にゲスト出演したほか、同月放送の音楽番組「SONGS」では大竹しのぶとの共演が話題を呼んだ。6月にはNHK「うたコン」のビートルズ特集に、7月には「3秒聴けば誰でもわかる名曲ベスト100」にも出演するなど、コンサートの舞台だけでなく、テレビの画面を通しても岩崎宏美の“今”を伝える機会が続いている。
「聖母たちのララバイ」など、色褪せぬヒットコレクション
デビュー50周年記念コンサートは、4つのメドレーを含む計38曲で構成された豪華なステージとなった。60曲以上のシングルの中から、できるだけ多くの楽曲をファンに届けたいという思いで組まれたセットリストに、往年のファンはキャリア50年の重みを感じたのではないだろうか。デビュー当時の楽曲を今の声で歌えることに喜びを感じている、と岩崎自身は語っている。
「家路」「橋」「夜の手のひら」から「愛という名の勇気」で締めくくる“火サスメドレー”もセットリストに組み込まれたが、『火曜サスペンス劇場』への提供曲として最も有名なのは、何と言っても「聖母たちのララバイ」だろう。1982年にリリースされた28枚目のシングルで、“火サス”初代エンディングテーマとして起用された楽曲だ。当初はエンドロール用に1コーラス分のみ制作され、発売の予定はなかったが、視聴者から作品化を望む声が殺到し、正式にレコード化されることとなった。
発売2週目にはオリコンシングルチャートで1位を獲得。「センチメンタル」以来、通算3作目となるチャート1位シングルに輝いた。森進一、宮村優子、杏里、都はるみ、島津亜矢など錚々たる顔ぶれがカバーしており、今なお高い人気を誇る岩崎宏美の代表曲のひとつだ。
芸能活動は20歳まで、という約束だった
岩崎宏美がデビューするきっかけとなったのは、オーディション番組「スター誕生!」への応募だった。同い年の森昌子が歌手デビューを果たす姿を見て、「もしかしたら私にもチャンスがあるのかもしれない」と行動したことを、のちに振り返っている。ただし、厳格な父との約束により、芸能活動は20歳までと決められていた。
18歳のとき、「思秋期」のレコーディング中に涙が止まらなくなったという。歌詞に登場する“卒業式”という言葉に、もうすぐ20歳を迎える自分の姿が重なり、歌をやめなければならない現実が胸に迫ったのだ。しかしこの「思秋期」を聴いた父は、芸能活動を続けることを許した。それほどまでに、聴く者の心を打つ表現力があったということだろう。
岩崎宏美の歌は、人生で重ねてきた経験とともに、今も進化を続けている。28歳で初めて演じたミュージカル「レ・ミゼラブル」のファンテーヌ役では、当時は声の強弱で女性の強さを表現していた。しかし初演後に結婚と離婚を経験し、幼いわが子と離れ離れになるという境遇を経て再び演じたファンテーヌ役では、自らの実感を歌に乗せて表現できるようになったという。
「若いときに歌っていた曲も、今は俯瞰して歌うことができます。何十年も前の歌でも、新たな気持ちで歌えるのです」——常に楽曲と真摯に向き合う前向きな姿勢は、デビュー当時から変わらない。
そんな岩崎宏美の素顔がのぞくのが、自身のInstagramだ。2025年12月14日には、ラジオ番組「LEGENDS 岩崎宏美 シアワセノカケラ」の放送内容を告知する投稿があった。通常はゲストを迎えてトークを繰り広げる番組だが、この回は紅白歌合戦の思い出を交えた特別な構成が企画されたという。その投稿画像で存在感を放っていたのが、印象的な1本の腕時計だった。
赤いベルトがフェミニンな印象。「トノウ カーベックス プティ ダイヤモンド」
岩崎宏美が着用しているのは、フランク ミュラー「トノウ カーベックス プティ ダイヤモンド」だと推察される。アイコニックなトノウ型ケースに散りばめられたダイヤモンド、ダイアルに刻まれたビザン数字に、赤のベルトがアクセントとして映える一本だ。ホリデーシーズンの装いにもぴたりとハマる、華やかなデザインに仕上がっている。
ケースサイズは縦27.0mm×横20.0mmとかなり小ぶりで、クォーツムーブメントを搭載する。「プティ」は横幅が華奢でケース自体が控えめな分、ベルトのカラーが引き立ちやすく、投稿された画像からも、岩崎宏美がフェミニンなコーディネートを楽しんでいる様子がうかがえる。白く輝く文字盤を彩るダイヤモンド、ホワイトゴールドケースと鮮やかな赤のクロコダイルストラップのコントラストが、大人の女性の気品を引き立てている。

クォーツ。18Kピンクゴールド×ダイヤモンドケース(横20.0mm、縦27.0mm)。日常生活防水。379万5000円(税込み)。※岩崎宏美着用モデルのケース素材・ストラップカラー違い(参考品)
さて、2026年末にかけても、多くのライブやコンサートが予定されている岩崎宏美。コンサートでは毎回「私の生の歌声を初めて聞く方は拍手してください」と来場者に呼びかけているそうだが、長いキャリアを重ねた今でも、初めて来てくれる人がいるという。岩崎自身まだ訪れたことのない街も多いといい、これからも日本各地に、あの変わらぬ歌声が届くことを期待している。
直近では2026年10月10日に兵庫・神戸国際会館こくさいホール、11月1日には栃木県総合文化センター、11月28日には東京・八王子市民会館(J:COMホール八王子)と、各地でのコンサートが控えている。さらに12月6日には妹・岩崎良美とのユニット公演「岩崎宏美&岩崎良美 Fantastic Concert 2026」で神奈川・鎌倉のステージに立つことも決まっている。デビュー51年目を迎えてなお衰えを知らない精力的なスケジュールこそ、岩崎宏美というアーティストの真骨頂と言えそうだ。



