2026年9月2〜6日まで、スイス・ジュネーブで開催された「ジュネーブ・ウォッチ・デイズ」を現地取材。4月の新作見本市に引き続き、この晩夏のイベントの様子を、悲喜交々(“悲しみ”多め)とともに日記としてお届けする。

Photographs & Text by Chieko Tsuruoka(Chronos-Japan)
[2026年9月8日公開記事]
ジュネーブ・ウォッチ・デイズ初日は大塚ローテックの取材からスタート
9月2日、ジュネーブ・ウォッチ・デイズ2026(以下GWD)がスタートする。前夜は1時過ぎの就寝であったが、4時にベッドから抜け出し仕事をスタート。日本は11時。弊社はすでに始業時間であるため、やり取りもスムーズだ(白目)。
現在更新中の「ジュネーブ日記・夏」の0日目の文末に、GWD期間中、睡眠時間が著しく短くなった旨を書いた。その理由は、取材が忙しかったというのもあるが、もうひとつには『クロノス日本版』127号にて定期購読者向けの付録とする『時計用語辞典2026』の担当編集になったということがある。担当編集とはいえ実際は編集長の広田雅将が執筆し、副編集長の鈴木幸也がレイアウト作成やら用語の確認やらをほとんどやってくれたのだが、鶴岡も画像・図版集めや確認があり、取材以外の時間で集中して作業する必要があったのだ。次号の定期購読者の皆さん、楽しみにしてくれよな(いつもありがとうございます)。
そんなこんなで仕事後に朝食を取り、8時過ぎに細田と宿を発つ。今回の宿は、ウォッチズ&ワンダーズ ジュネーブ(以下W&W G)と同じ、フランス・アンヌマスのホテルだ。W&W Gは世界中のジャーナリストやリテーラーがジュネーブに集うため、ジュネーブ中心地の宿泊費は軒並み高騰する。そのためこの期間は周辺地域に宿を取る参加者は少なくなく、筆者もそういった理由で4月はアンヌマスだった。しかし2024、2025年のGWD取材では、まだ参加者がそこまで多くなかったこともあり、小誌編集部はコルナヴァン近くに宿を取った。しかし今年はGWD期間すら高騰しており、参加者数が増えていることがうかがえてその点は喜ばしく思いつつも、悲しきサラリーマンは経費を節減しなくてはならないため、再びのアンヌマスとなったのだ。

初っ端のアポイントメントは9時の大塚ローテック。今回のGWDには、同見本市としては初めて日本のブランドが参加することとなった。片山次朗氏が創設した大塚ローテックと、飛田直哉氏が創設したNAOYA HIDA & Co,である。
大塚ローテックがブースを構える建物が位置するQuai de l'Île(ケ・ド・リル)へと向かう。ケ・ド・リルはローヌ川の中洲「イル島」の岸通りであり、ヴァシュロン・コンスタンタンが最初に工房を構えた地である。

またまた電車遅延で初っ端から遅刻。片山さん、本当に申し訳ありませんでした……。しかし片山さん、まったく怒らず製品を広げながら、GWDに出た経緯や趣旨を語ってくれた。今回大塚ローテックから新作時計は発表されていない。しかし、歴代製品が並べられており、日本はもちろん、なかなか実機を見ることができない海外勢にとって、今回のGWDの出展はまたとない好機となったことだろう。
大塚ローテックとは後日対談動画の撮影を予定していたため、30分ほどでおいとまする。その動画はwebChronoTVで公開予定なので、乞うご期待!


収録場所を求めて三千里
その後、時間が空いたので「ジュネーブ・ウォッチ・デイズ始まるってよ」の動画を収録。以下がその動画だ。細田が取材と並行して編集を頑張った。
この収録も、なかなかの苦労譚があるのでどうか聞いてほしい。
というのも、屋外での撮影であるため、交通量の多い場所では車の走る音などをマイクが拾ってしまい、ノイズになる。また、午前中のジュネーブはすでにピーカンで、逆光を背景に撮影すると顔が暗くなってしまう。「静かで逆光が気にならなくて、しかしジュネーブらしい背景で撮影できる場所」を探し求めて1時間ほど重い荷物を持って街中をさまよった。





結果、ジュネーブ・ウォッチ・グランプリ(GPHG)授賞式が開催される「バティマン・デ・フォルス・モルティス」へ。昨年の授賞式に参加した広田が動画を収録した場所でもある。

高台に登ると、ジュネーブの噴水が見晴かせる、絶好のスポットが。ここでの撮影に決定した。

オリスで『ザ・マペッツ』のゴンゾに癒され
昼飯をさっと食べて、その後ボーリバージュに戻り、オリスのブース取材へ。オリスはW&W Gのみならず、例年GWDでも新作時計をリリースしており、取材を楽しみにしていたブランドのひとつだ。
オリスのブースは5階にあるため階段では行くことができず、昔ながらの手狭なエレベーターに乗って向かう。



オリスの発表モデルの目玉は、「プロパイロット X キャリバー 115 ゴンゾ エディション」である。人形劇作品である『ザ・マペッツ』とコラボレーションしてきたオリスは、その第3弾となる新作モデルをGWDに合わせてリリース。スポーティーなフォルムのチタン製ケース・ブレスレットを備え、かつ約10日間ものロングパワーリザーブを持つムーブメント「キャリバー115」を搭載したモデルをベースに、『ザ・マペッツ』に登場するキャラクター、ゴンゾをイメージしたディテールが与えられているのだ。

文字盤からのぞくカラフルなブリッジが目を引くとともに、12時位置の主ゼンマイをフルに巻くと、ゴンゾの笑顔が現れるという仕掛けが施されていることに驚き。レーザー加工でゴンゾを主ゼンマイにあしらっているとのことだが、小さいながらかなりハッキリモチーフが浮かび上がる。上手に撮影できなかったので日記には掲載しないが、速報記事にて確認してほしい。
また、「ビッグクラウン ポインターデイト」に29mm径ケースの小ぶりなモデルが加わったことも特筆すべき点だ。29mm径ながらポインターデイトをはじめ、「ビッグクラウン」の意匠が受け継がれており、名作が凝縮されたと強く感じられた。




2年前にも思ったことだが、オリスのブースは居心地がよく、ついつい長居してしまったが迷惑だし次のアポイントメントがあるので、名残惜しくも撤退する。



飛田直哉との対談撮影→開会式→ブライトリングのイベントへ
オリスを出て向かったのは、NAOYA HIDA & Co.のブース。大塚ローテック同様、日本ブランドからGD初参加となったのがNAOYA HIDA & Co.だ。
前でも少し記したように、F.P.ジュルヌやラルフ ローレン ウォッチ アンド ジュエリーの日本代表を務めた飛田直哉氏が2018年に創業し、現在国内外の時計愛好家から熱い指示を集めるインディペンデントブランドである。GWD開催直前、「TYPE 8A」のGPHGでのノミネートが発表されたことでも話題になった。
そんなNAOYA HIDA & Co.を率いる飛田氏と細田が対談した動画を収録。貴重な話の数々を収められたので、こちらもぜひ期待していてほしい(動画担当の遠藤さんが頑張りますw)。

飛田氏との収録を終えて18時過ぎ、パビリオンへと向かう。開会式に参加するためだ。筆者は参加したことはなかったが、細田によると昨年は相当な混雑具合だったとのこと。確かに開会式への入場が開始される、18時30分の少し前に到着した時は、人であふれていた。




開会式は本当に賑わっていた。各国のジャーナリストやリテーラー、あるいは時計愛好家が集まって、酒を飲みながら会話を楽しんでいた。




まだまだ開会式にいたかったが、その後ブライトリングのイベントに顔を出すため、後ろ髪を引かれつつ移動。イベント名は「A TRIBUTE TO JAZZ LEGEND MILES DAVIS」だ。今年ブライトリングはGWDにて、マイルス・デイヴィス生誕100周年を祝して特別な「ナビタイマー」をリリースしたのだ。イベントも、マイルス・デイヴィスの世界感にあふれる凝ったものであった。





ブライトリングのこのイベントで、『WATCHNAVI』編集長の水藤氏と遭遇。今回のGWDは単独で回っているとのこと。全員かなり酔っ払っており、もはや何がなんだか分からない。
結局この日も遅くなり、23時過ぎに宿に到着。アンヌマスは良い街だが、コルナヴァンから30分弱はかかり、酔っ払いには少しこたえる。しかし酔っ払ったからと言って仕事は待ってくれないので、眠ってしまいそうになるのを頬を叩きながらこらえて、1時まで作業。気絶するように眠る。
「【ジュネーブ日記夏】3日目」へ続く!





