2022年 ロレックスの新作まとめ

FEATURE2022年新作時計
2022.04.01

Photograh by Yu Mitamura

オイスター パーペチュアル GMTマスター Ⅱ

オイスター パーペチュアル GMTマスター Ⅱ

ロレックス「オイスター パーペチュアル GMTマスター Ⅱ」
自動巻き(Cal.3285)。31石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約70時間。SS(直径40mm)。100m防水。122万4300円(税込み)。

 ロレックスは、9時位置のリュウズとデイト表示、グリーンとブラックのベゼルインサートが特徴の「オイスター パーペチュアル GMTマスター Ⅱ」を追加した。

 GMTマスター Ⅱは、パン・アメリカン航空からふたつのタイムゾーンを同時に確認できる腕時計の開発を打診されたことをきっかけに発表されたモデルであり、これは民間パイロットに向けた初のプロフェッショナルモデルとされている。特徴的なGMT針とベゼルは、航空機の運行時に基準となるグリニッジ標準時(ただし現在はUTCが用いられる)を表示し、ベゼルを回転させることで異なるタイムゾーンの時間を読み取ることを想定している。GMTマスター Ⅱは、現在でもパイロットに愛用されるほか、旅行者のためのトラベルウォッチとしても選ばれるようになった。それに伴って、ベゼルインサートの品質向上とカラーバリエーションの追加が行われてきた。

 今作のセラミック製ベゼルインサートは、GMTマスター Ⅱ初のグリーンとブラックの組み合わせである。このロレックス自社製のセラミック製ベゼルインサートは、耐傷性に優れるほか、腐食する事がなく、発色も非常に鮮やかだ。また、塗装の剥がれのような劣化の心配もない。この印象的なグリーンに合わせて、今作のGMT針もグリーンとなる。

オイスター パーペチュアル GMTマスター Ⅱ

 そして今作の最大の特徴は、9時位置のリュウズとデイト表示である。近年のロレックスでは異例ともいえるスタイリングは、デザインコードに極めて保守的な同社としては非常に珍しい。右手に着用するのに適するほか、左手に着用する場合でも大型のリュウズが手の甲を攻撃しないため、良好な着用感が期待できる。また、9時位置にデイトを配置するために、デイトリングも新たに用意された。

 その他、従来どおりセーフティキャッチ付オイスターロッククラスプが与えられ、イージーリンク(エクステンションリンク)によって、着用感の微調整も容易に行うことができる。




オイスター パーペチュアル エアキング

オイスター パーペチュアル エアキング

ロレックス「オイスター パーペチュアル エアキング」
自動巻き(Cal.3230)。31石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約70時間。SS(直径40mm)。100m防水。81万6200円(税込み)。

 ロレックスは、ケースサイドを直線的に改め、リュウズガードを備えることを特徴とした新しい「オイスター パーペチュアル エアキング」を発表した。

 エアキングは、航空機の性能が飛躍的に発展した1930年代におけるロレックスの貢献を象徴したモデルとして登場した歴史を持つ。ロレックスの現行モデルの中では最も古いペットネームであり、同社の空との深い結びつきがうかがい知れる。

 今作では、他の多くのプロフェッショナルカテゴリーのモデルと同様に、ケースサイドを直線的で切り立ったデザインとし、加えてリュウズガードを与えることでエアキングのカテゴライズがより明確となった。また、従来同様オイスターケースとねじ込み式リュウズの組み合わせにより、100mの防水性能を備えている。

 さらに、暗所でも正確な測時が必要なプロフェッショナルのために、ダイアルデザインも細やかな改良が加えられた。従来モデルは針と12時位置の三角形のアワーマーカーのみ蓄光塗料を塗布していたが、今作では「3」「6」「9」のインデックスにも施された。この蓄光素材には、今作から明るさがより長く持続するクロマライトが採用される。また、ミニッツスケールの5分の位置は、“05”の表記に改められ、他の数字とのデザインバランスが見直された。

オイスター パーペチュアル エアキング

 オイスターブレスレットも改良を受けており、主にセンターリンクの幅が広くなった点が特徴である。さらに、エアキングでは初のセーフティキャッチ付オイスターロッククラスプが与えられた。イージーリンク(エクステンションリンク)も備えており、着用感の微調整も容易に行うことができる。

 ムーブメントは最新世代のCal.3230となった。脱進機は、ニッケル・リン合金製で高いエネルギー効率と信頼性を両立するクロナジー エスケープメントであり、磁場の影響を受けにくいものだ。ブルー パラクロム・ヘアスプリングにはロレックス オーバーコイルが装備されており、姿勢差の影響を低減している。これらの要素によって、約70時間のパワーリザーブを備え、時計組み立て完了後の平均日差-2~+2秒を保証するロレックス高精度クロノメーターの検査をクリアする性能を獲得している。




オイスター パーペチュアル デイデイト 40

オイスター パーペチュアル デイデイト 40

ロレックス「オイスター パーペチュアル デイデイト 40」
自動巻き(Cal.3255)。31石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約70時間。Pt(直径40mm)。100m防水。

 ロレックスはプラチナ製ケースに、プラチナ製としては初のフルーテッドベゼルを組み合わせた「オイスターパーペチュアル デイデイト 40」を追加した。

 フルーテッドベゼルは、ロレックスの伝統的なデザインの要であり、オイスターパーペチュアルコレクションの一部のクラシックモデルにのみ採用されてきた。これまでフルーテッドベゼルは18Kゴールド製のみであったが、今作からプラチナ製のフルーテッドベゼルが追加される事となった。明るい輝きが特徴のプラチナは、特に仕上げ加工が難しい素材であり、多数の面が複雑に組み合わさったフルーテッドベゼルを製造する事が難しかった。今作ではその問題を解決する加工技術の向上が図られ、採用にいたっている。

オイスター パーペチュアル デイデイト 40

 ダイアルは、ロレックスのプラチナ製モデル専用のダイアルカラーであるアイスブルーが組み合わせられる。このダイアルカラーは、ゴールドやプラチナといった貴金属でのみ製造されてきたデイデイトコレクションの中でも、今作が特別なモデルであることを示すアイコンとなっている。ダイアル11時位置から1時位置にかけて切られた弧状の小窓には、フルスペルの特徴的な曜日表示を備える。

 ブレスレットは18Kゴールドまたはプラチナ製モデルのみに使用される3列リンクのプレジデントブレスレットで、エレガンスなコンシールドタイプのクラウンクラスプが組み合わされる。