2024年放送のTVドラマ「全領域異常解決室」の映画化が決定し、主演の藤原竜也に再び注目が集まっている。15歳で蜷川幸雄に見出されて以来、数々のヒット作で確固たる地位を築いた演技派俳優だが、実は芸能界でも屈指の時計愛好家のようだ。自身のインスタグラムではオーデマ ピゲの「ロイヤル オーク オフショア クロノグラフ」を着用する姿が確認でき、ほかにロジェ・デュブイ、エルメスやカルティエなども所有。そのセレクションからは、時計への深い造詣がうかがえる。

Text by Yukaco Numamoto
土田貴史:編集
Edited by Takashi Tsuchida
2025年8月24日掲載記事]
フジテレビ制作「全領域異常解決室」の続編が2026年に映画公開決定
神隠しやあやかし、狐憑きといった超常現象として世間を騒がす不可解な事件を、内閣官房から直接要請を受けて解決に導く「全領域異常解決室」の活動を描く本作。映画版はドラマの続編として完全オリジナルストーリーで制作され、藤原竜也、広瀬アリスらドラマの主要キャストが再集結する。SNS上には映画化を楽しみに待つファンの熱い声が次々と挙がっている。
藤原竜也が演じるのは、常識では考えられず、最先端科学でも解明不可能な事件を解決する世界最古の捜査機関「全領域異常解決室」(通称ゼンケツ)の室長代理。異常なまでの知識、記憶力、洞察力を兼ね備え、その力を生かして事件解決を導くスペシャリストだ。
映画化発表を受けて、ファンからは「映画化ありがとうございます!!!生きる楽しみが増えました!!!」「すごく面白いドラマだったので、続きが観たいです!!」「このドラマのおかげで日本神話に興味を持ち、ハマってます!」といった熱いコメントが寄せられている。「キングダム」「グランメゾン・パリ」の脚本家・黒岩勉、「リーガルハイ」「メイちゃんの執事」など数多くのヒットドラマを手掛けた監督・石川淳一がタッグを組み、ドラマのその後の様子が描かれていく。
映画化について藤原竜也は「謎だらけのドラマ最終話を経て、我々“ゼンケツ”はついに映画に乗り込みます! キャストスタッフ全勢力が全身全霊をかけ、勝負に出ます。お祭りのような映画になればいいなと思います」と意欲を示しつつ、「続編をやらせてもらえるってことは役者冥利に尽きますし、本当にありがたい。感謝しています」とファンの熱に後押しされたことへの喜びを語っている。
ストイックな演技派として確固たる地位を築く
藤原竜也は15歳で故・蜷川幸雄に見出されて舞台デビューを果たした。その演技力の高さから天才新人と評され、早くから注目を集めたのである。代表作「バトル・ロワイヤル」や「デスノート」「カイジ」シリーズといった数々のヒット作に出演、その度に演技力と存在感を高めていった。
テレビドラマ初出演は1997年。それから27年の時を経て、「全領域異常解決室」でフジテレビ制作の連続ドラマ初主演を務めることとなった。故・蜷川幸雄が語る藤原竜也は「集中力があって、真面目で努力家。ストイックで、役のことしか考えられない」という人物像だったそうだ。学校帰りに稽古場を訪れた際、蜷川幸雄と唐十郎の会話を聞いて「小説を読んでいるような高貴な言葉の連続で、僕が学ぶべき場所は高校じゃなくて稽古場なんだ」と感じ、高校をわずか4日で中退したエピソードは有名だ。
またギャンブルを題材にした映画「カイジ 人生逆転ゲーム」では、役作りのため10kgの減量を敢行し、世界観を味わうために自腹でパチンコ店に通ったという徹底ぶりも、彼の役者としてのストイックさを物語っている。
そんな演技一筋の藤原竜也だが、最近のインスタグラムを見ると、ある時計を着用している姿が確認できた。Tシャツやデニムといったラフなスタイルに合わせているその時計は、オーデマ ピゲの人気モデルとして知られる「ロイヤル オーク オフショア クロノグラフ」だ。複数枚の投稿で同モデルを身につけていることから、お気に入りの一本であることがうかがえる。
#タツラジ TikTok更新🔥
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📣 いちご🍓に変身する藤原竜也
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🔗https://t.co/zdYjZ8NAZQ#藤原竜也 pic.twitter.com/dn6rvT8zNP— 藤原竜也のラジオ (@tatsuradio1008) June 12, 2025
スポーツウォッチの金字塔「ロイヤル オーク オフショア」
彼が愛用している「ロイヤル オーク オフショア クロノグラフ」は、1993年に発売された当時としては珍しい直径40mm超えの大型ケースに、大型プッシュボタンやリュウズガードを備えたスタイルが特徴的なモデルだ。このデザインはその後のラグジュアリースポーツウォッチの一つの潮流を作り上げた記念すべきアイコンでもある。

自動巻き(Cal.4401)。40石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約70時間。Tiケース(直径43mm、厚さ14.4mm)。100m防水。616万円(税込み)。
ラバーストラップと力強いケースとの一体感、ラグ幅や厚みまで追求され、リンクに合わせたストラップの溝のデザインに至る細かな部分まで計算された造形、そしてタフさの中にもエレガンスを感じさせる仕上げが多くのファンを魅了している。
藤原竜也が着用しているモデルはRef.26420IO.OO.A009CA.01と推定できる。ケースサイズ43mm、搭載ムーブメントはCal.4401。グレーのチタンケース、グレーセラミックベゼル、視認性を高めるメガタペストリーダイアルと交換可能なラバーストラップを備えるスポーティなモデルだ。Tシャツやデニムなどのラフなスタイルをより力強くスパイスアップしてくれる一本で、藤原自身もカジュアルな服装に合わせることが多いようだ。
確かな審美眼を持つコアな高級時計ファン
ちなみに和田アキ子のインスタグラムに写る藤原竜也が着用していたのは、ロジェ・デュブイの「エクスカリバー スパイダー ピレリ オートマティック スケルトン」である。これはモータースポーツ界で大きな存在感を持つピレリ社とロジェ・デュブイがタッグを組んだモデルで、世界最高峰のモータースポーツで優勝を勝ち取った実際のタイヤラバーを使用した特別なモデルだ。
また、カルティエの「バロン ブルー」やエルメスの時計も所持すると伝えられており、ラグジュアリースポーツウォッチからエレガントなドレスウォッチまで幅広いモデルを楽しんでいる様子がうかがえる。
前述の「ロイヤル オーク オフショア クロノグラフ」がチタン製であり、ロジェ・デュブイもブラックDLCチタンケースであることから、スポーティなモデルにおいては軽さと堅牢性を兼ね備えたモデルを好む傾向が見て取れる。しかし一方でカルティエやエルメスといったブランドも愛用していることから、TPOに応じて使い分ける確かな審美眼を持っていることがわかる。
演技に対するストイックな姿勢を貫く藤原竜也だが、時計に対してもまた真摯に向き合うコアなファンなのだろう。高校を4日で中退してまで演技の道を極めようとした彼の探求心は、時計選びにも表れているのかもしれない。機能性とデザイン性を兼ね備えたスポーツウォッチから、伝統と格式を重んじるエレガントなモデルまで、その幅広いセレクトは、そのまま彼の美意識に対する守備範囲の広さを感じさせる。
2026年公開予定の映画「全領域異常解決室」では、再び謎めいた事件に挑む姿を見せてくれることだろう。演技と同様、妥協を許さない姿勢で選び抜かれた藤原竜也の時計が、これからどんな物語を紡いでいくのか……。その双方に目が離せない。