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ロイターが報じた、ビバー氏 LVMHウォッチ退陣の裏側(1/1)

LVMH WATCH & JEWELRY
ロイター伝が報じたビバー退陣の裏側

45年以上にわたってスイスの時計業界を牽引してきたジャン-クロード・ビバー。しかし今年9月、彼はLVMH時計部門の責任者を辞し、アドバイザーへと転じることを公表した。

Photograph by Eiichi Okuyama
Text by Masayuki Hirota (Chronos-Japan)

 去る9月20日、ロイター通信社は次のようなニュースを発信した。「LVMHウォッチの責任者、経営の役目から降りる」。以下、一部を抜粋したい。

 ウォッチ部門の責任者であるジャン‐クロード・ビバー氏は、この木曜日、ロイターの電話インタビューを通じて、業務上の役割から降りることを報じた。
 今年69歳を迎えるビバーは、こう語った。「私はオペレーションの責任を持たないことにした。しかし、私はLVMHウォッチユニットとその3つのブランド、タグ・ホイヤー、ゼニス、そしてウブロの、社外取締役会長には留まる」。

 ここ数カ月間、健康上の重大な問題に苦しんでいるビバーはこう述べた。「私はもはや、玉ねぎを切ることはなく、早朝からキッチンで嘆いている。しかし、準備が整ったかどうかを確認するために、私はここに戻ってくる」。彼は体調が良くなっていると語ったが、まだ完全に回復していなかった。スイスの時計業界で最もよく知られ、最も成功を収めたマネージャーの一人であるビバーは、彼の率いるウブロが買収された2008年に、LVMHグループに参画した。彼は14年にLVMHウォッチ部門の責任者に任じられ、17年にはLVMHのウォッチ・ジュエリー部門は38億ユーロ(45億ドル)を売り上げた。これは通貨の変動と買収を考慮しない場合、前年比で12%の増加だった。ジュエリー部門は別に管理されており、ビバーの職掌外にある(後略)

  2017年、ビバーはLVMHと契約を結び、LVMHウォッチ部門を長期にわたって牽引する予定だった。事実、彼は筆者に対して「あと仕事を10年続ける」と言い、「そのために痩せた」と語った。しかし、実際のところ、彼は自ら痩せたのではなく、病気で痩せたのである。彼と30年以上の親交があるジャーナリストのギズベルト・L・ブルーナーは、自身のブログで「ビバーは朝5時からメールやSNSに返事をしていた。(リタイアするという)彼の決定は受け入れられるどころか、十分理解できる」と記す。

 複数メディアの報道によれば、今後ビバーはアドバイザーとして、LVMHのウォッチ部門に関わる予定とのこと。彼の後継者となるのは、香水会社でCEOを務めたステファン・ビアンキである。また、LVMHグループ会長の息子であるフレデリック・アルノーが、タグ・ホイヤーのストラテジー&デジタルディレクターに就任する。ちなみにアルノーはすでに同社に在籍しており、現在はコネクテッド・テクノロジー、つまりスマートウォッチの責任者を務めている。

 もっともビバーの退陣は、体調だけが理由ではないという見方もある。あるジャーナリストは匿名を条件にこう語った。「ビバーは時計部門のポストが、時計関係者以外に占拠されることを好んでいなかった」。推測の域を出ないが、まったくの荒唐無稽とは言えないだろう。

 ともあれ、45年にわたって時計産業をリードし、今やLVMH時計部門の責任者となった彼の退陣は、業界に大きな波紋を巻き起こすだろう。少なくとも、製品開発からマーケティングまですべてに口を出した彼の不在は、多かれ少なかれ、ゼニスとタグ・ホイヤーの方向性を変えるに違いない。フランスのジャーナリストであるジャン‐フィリップ・タロットは筆者にこう語った。「今後、何かは分からないが、大きな変化が起こるに違いない」。筆者も同感だ。今後、何が起こるのかは、注意深く見ていくことにしたい。

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