40代の大人におすすめしたいグランドセイコー。洗練された名機3選

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2020.12.09

40代の腕元には、若手の羨望を集める高級腕時計が似合う。今後、海外市場でもますます活躍していくグランドセイコーは、日本が誇れる時計ブランドだ。グランドセイコーの洗練された名機3選を紹介する。


セイコーから分離。世界へ挑むグランドセイコー

ブランド誕生から60周年を迎えるグランドセイコーは、2017年にセイコーから独立して以降、ますます世界市場での存在感を強めている。独立の経緯や、グランドセイコーの強みであるムーブメントについて見ていこう。

スイスの高級時計と並び称される国産時計

初代グランドセイコー""

1960年に発売された初代グランドセイコー。その無駄のないデザインと高い品質へのこだわりは、現在まで引き継がれている。

1961年の腕時計の輸入自由化を控えた60年、初代グランドセイコーはスイス製高級腕時計に比肩する国産最高級腕時計を目指して発売された。

スイス・クロノメーター検定優秀級相当の精度を備えた初代モデル以降、抜群の高精度と信頼性を誇るムーブメントと腕時計を立て続けに発表し、日本発のマニュファクチュールとして国際的な評価を高めていく。

2017年には、セイコーから独立。ダイアル12時位置にあった「SEIKO」ロゴも「Grand Seiko」に統一された。これはブランド認知をより高め、2010年に始まった海外進出をより加速させる意思表明でもある。

ムーブメントはクォーツ・機械式・スプリングドライブの3種

グランドセイコーは「9F クォーツ」「9S メカニカル(機械式)」「9R スプリングドライブ」という3種類の駆動方式を使い分ける。

9Fクォーツは、クォーツの弱点であったトルクの弱さを克服。ツインパルス制御モーターの搭載により、省エネルギーをながら機械式のように太い針を動かせるのだ。精度は年差±10秒で、クォーツとしては珍しい精度調整用の緩急スイッチも備える。

9S メカニカルは、最大約80時間のパワーリザーブや毎時3万6000振動のハイビートなどが特徴だ。高精度の実現のために、ムーブメントの心臓部である脱進機のパーツには先端技術のMEMS製法を採用。0.001mm単位の精度で加工されている。

9R スプリングドライブは、主ゼンマイによる大きなトルクとIC・水晶振動子による高精度を両立した、グランドセイコーのみが製造する新機軸のムーブメントである。携帯精度は平均月差±10~15秒ほど。


40代の男性におすすめな理由

40代の男性の時計選びで重要なのは、年齢や社会的地位に見合った選択、あるいは目的に合った実用性を見極めることだ。グランドセイコーの性質が40代に相応しい理由を見ていこう。

機能性が高く実用的

腕時計の実用性は、精度・パワーリザーブ・視認性・着用感に大きく左右される。

9F クォーツや9R スプリングドライブは前述のとおり高精度で、9S メカニカルもスイス公式クロノメーター検定協会(C.O.S.C.)基準を上回る「新GS規格」をクリアする。

9S メカニカルのパワーリザーブは最大約3日間、9R スプリングドライブには最大約8日間のものまである。9F クォーツでは約3年間電池交換の必要がない。

搭載する複雑機構はクロノグラフやGMTなどに限定され、無駄のないデザインで視認性は良好だ。ブレスレットは取り回しがよく、総合的に日常的な実用性の高さが目指されている。

高級感のあるデザイン性

44GS

グランドセイコーのデザインコード「セイコースタイル」の礎を築いた、1967年発売の「44GS」。

グランドセイコー独自のデザインは、1967年に発売された「44GS」によって「セイコースタイル」として確立されている。

ゆがみやねじれのない平面を基調とし、インデックスや針の配置・サイズ・角度が光と影を適切にコントロールするため、洗練されたスタイルと良好な視認性が得られるのだ。

ケースは「ザラツ研磨」による下地処理の後に鏡面仕上げを施し、インデックスと針にも多面カットが採用される。

優れたコストパーフォーマンス

グランドセイコーは2017年以降、100〜400万円台ほどの高級モデルを拡充させているが、30〜80万円台ほどの中価格帯のモデルも多い。

ムーブメントの機能性や品質は高く、ビジネスシーンに映える高級感のあるデザイン性も備えるため、むしろ今までが安すぎたという見方もできる。

価格帯のシフトや海外市場からの評価でステータス性が向上することも想定されるため、比較的手に入れやすいモデルは狙い目とも考えられるだろう。


40代の男性におすすめのモデル3選

趣味としての腕時計ならば好みのモデルをチョイスすればよいが、着用シーンなどの条件によってフォーカスを絞るなら、選ぶべきモデルは限定される。40代の男性に相性がよいモデル3選を紹介しよう。

シンプルでバランスのいいSBGR315

SBGR315

グランドセイコーの実用の美を堪能できる、スタンダードな1本。シルバーで統一されたその佇まいは、スーツはもちろんジャケットを着用するようなシーンにも馴染む。ケースバックはトランスパレント仕様。グランドセイコー「SBGR315」。自動巻き(Cal.9S65)。35石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約72時間。SS(直径40mm、厚さ13mm)。10気圧防水。48万円(税別)。

ヘリテージコレクションの「SBGR315」は、シンプルで飽きのこないデザインとムーブメントの高機能性を両立した、末長く使っていける自動巻きモデルである。

反射を抑えた上品なシルバーカラーは、ビジネスシーンとの相性がよい。ケース径40mmというほどよいサイズ感で、取り回しのよいブレスレットを備えているため、日常的な着用に活躍するだろう。

搭載するCal.9S65は9Sメカニカルを代表するスタンダードなムーブメントで、日差+5秒〜−3秒の精度を保持し、パワーリザーブは最大約72時間(約3日間)である。金曜の夜に外しても、月曜には問題なく動作するのも魅力だ。

若々しさもあるSBGX337

SBGX337

GSダイバーズの中で最も薄いモデル。海中での視認性を担保する大ぶりなインデックスは、日常使いでも腕元にインパクトを与える。セイコーデザインを踏襲しながらもケースに縦筋目仕上げを施すことで、より男らしい仕上がりだ。グランドセイコー「SBGX337」。クォーツ(Cal.9F61)。年差±10秒。SS(直径43.6mm、厚さ13mm)。200m潜水用防水。42万円(税別)。

スポーツコレクションの「SBGX337」は、200m防水と逆回転防止ベゼルを備えた、本格的なダイバーズウォッチだ。

9Fクォーツムーブメントは耐磁性も高いため、電子機器やバッグの留め金による磁気帯びが起こりずらい。

メリハリのあるカラーや大ぶりなインデックスは若々しくもあり、アクティブなシーンでの使用や腕本にインパクトが欲しい人におすすめだ。

クラシカルでおしゃれなSBGW257

SBGW257

初代グランドセイコーのデザインを復刻したモデル。ケース径を35mmから38mmにサイズアップさせてモダナイズし、ケースバックもトランスパレント仕様に変更した。ムーブメントは手巻きで約72時間のパワーリザーブを実現した薄型のCal.9S64を搭載。グランドセイコー「SBGW257」。手巻き(Cal.9S64)。2万8800振動/時。Pt(直径38mm、厚さ10.9mm)。日常生活用防水。440万円(税別)。

1960年に登場した初代グランドセイコーを、現在の技術でデザイン復刻。クラシックな中にも高い視認性を誇り、おしゃれな大人の魅力を引き出す自動巻きモデルだ。

当時、ごく少数のみ製造されたプラチナモデルに則って、素材にはプラチナ950を採用。12時位置のロゴも初代モデルと同じ書体だ。

ドレスウォッチのお手本のようなモデルだけに、スーツの袖口を上品に演出するだろう。


年齢に合った腕時計を

40代の大人の手元には、20代や30代が憧れる高級腕時計を着用したい。本物を選ぶ審美眼が求められる年代ともいえるだろう。

機能性や品質に申し分ない、海外でもさらなる飛躍を目指すグランドセイコーは、まさに40代向けの高級腕時計だ。

川部憲 Text by Ken Kawabe


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