高い精度を実現する振動数
多くのクロノグラフが9時位置にレイアウトしているスモールセコンドを6時位置に配しているのは珍しい点だ。キャリバー69000系におけるその他の変更点としては9時位置の12時間積算計だが、「ポルトギーゼ・クロノグラフ」にそれはなく、また3時位置のデイト表示もない。この時計の歴史的背景とデザインの調和を追求した結果、新モデルでも30分積算計を12時位置に設け、インデックスや針には夜光塗料を施していないのだ。

時計を裏返して、4本のネジで固定されたサファイアクリスタルから内部をのぞいてみよう。すると、そこにはコート・ド・ジュネーブやサテン仕上げ、サーキュラーグレインや「PROBUS SCAFUSIA」のエングレーブを施したスケルトン加工のローターといった、IWCのムーブメントに採用される典型的な特徴が見て取れる。もちろん今回のテスト機においても、自動巻きムーブメントが同様のクオリティで仕上げられていることが確認できた。動作は非常に良く、バランスのいい結果を出している。完全巻き上げ時には、着用した場合と測定器上でほぼ同じ測定結果に。クロノグラフの計時も申し分なく、日差約1秒という数字を示した。
モダンかつタイムレスな「ポルトギーゼ・クロノグラフ」
ストップウォッチ機能は、マッシュルーム型のプッシュボタンを押して操作できる。クリック感のあるスムーズな押し心地で、コラムホイールは確実に作動。ノッチの付いたリュウズは使いやすく、時刻合わせの際にも引き出しやすくなっている。これらの特徴は、横から眺めたときに円錐形となっている「ポルトギーゼ」のクラシカルなケース形状を補完するものだ。
そして、スリムでポリッシュ仕上げが施されたベゼルをミドルケースの延長線上にセットしたことで、ダイアルには十分なスペースを確保した。サテン仕上げが施されたミドルケースは、ラグに向かって角度が設けられている。これらの要素に加え、実用的なバタフライフォールディングクラスプや質の高いアリゲーターストラップを組み合わせることで、装着感は実に快適だ。

「長年の友人」が鮮やかなカラーをまとっているので、手首に目を遣るたびにうれしさを感じてしまう。反射防止加工が施されたドーム型のサファイアクリスタル製風防を通してダイアルを眺めると、それはどんな角度からでも同じグリーンではなく、ダークグリーンからブラックに近い色合いに変化し、このクラシカルな時計に控えめなエレガンスを与えている。偶然なのか、または意図するところなのか、ポルトギーゼ・クロノグラフには、IWCが得意とし、また評価されている一因でもある、時間を超越した現代性が見られるのだ。
技術使用
| リファレンスナンバー: | IW371615 | 
| 機能: | 時、分、秒(秒針停止機能付き)、秒・30分積算計を備えたクロノグラフ | 
| ムーブメント: | 自社製Cal.69355、自動巻き、2万8800振動/時、27石、緩急針と偏心ネジによる微調整、パワーリザーブ約46時間、直径30mm、厚さ7.9mm | 
| ケース: | ステンレススティール製ケース、ドーム型サファイアクリスタル製風防(両面無反射加工)、ステンレススティール製裏蓋(サファイアクリスタルによるトランスパレント)、30m防水 | 
| ストラップ&バックル: | ダブルフォールディングクラスプ付属のブラックアリゲーターストラップ | 
| サイズ: | 直径41mm、厚さ13.13mm、重量90g(実測値) | 
| 価格: | 90万7500円(税込み) | 
精度安定試験 (T24の日差 秒/日、振り角)
| 完全巻き上げ時 | 24時間後 | |
| 着用時 | +1.6 | |
| 文字盤上 | +3.1 | +1.4 | 
| 文字盤下 | +2.5 | 0 | 
| 3時上 | -0.5 | -3.5 | 
| 3時下 | +4.1 | +4.4 | 
| 3時左 | +0.3 | +0.8 | 
| 最大姿勢差: | 4.6 | 7.9 | 
| 平均日差: | +1.8 | +0.6 | 
| 平均振り角: | ||
| 水平姿勢 | 321° | 292° | 
| 垂直姿勢 | 296° | 267° | 
Contact info: IWC Tel.0120-05-1868
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