A.ランゲ&ゾーネのアイコンウォッチ「ランゲ1」、その進化と変遷をモデルと共にたどる

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2023.02.15

コンコルソ・デレガンツァの最優秀賞受賞者に贈られる「ランゲ1・タイムゾーン “コモ・エディション”」

ランゲ1・タイムゾーン “コモ・エディション”

2018年の「ベスト・オブ・ショー」受賞者に贈られた「ランゲ1・タイムゾーン “コモ・エディション”」。

 A.ランゲ&ゾーネは2012年以来、イタリアのコモ湖畔で行われる名高いクラシックカー・コンテスト「コンコルソ・デレガンツァ」を協賛している。このコンテストの「ベスト・オブ・ショー」受賞者には、特別に製作された「ランゲ1・タイムゾーン “コモ・エディション”」が贈られる。

 この時計はレースの開催場所へ敬意を表し、回転式都市リングの中央ヨーロッパの時間帯が示される位置に、従来のベルリンではなくコモと記されている。2018年には1958年製フェラーリ 335 スポーツが「ベスト・オブ・ショー」に選ばれ、ホワイトゴールドケースの「ランゲ1・タイムゾーン “コモ・エディション”」が贈呈された。


誕生25周年を祝う“25th アニバーサリー”モデル

ランゲ1・トゥールビヨン “25th アニバーサリー”

A.ランゲ&ゾーネ「ランゲ1・トゥールビヨン “25th アニバーサリー”」
手巻き(Cal.L961.4)。51石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約72時間。18KWGケース(直径38.5mm、厚さ9.8mm)。30m防水。価格要問い合わせ。

 2019年、誕生25周年を迎えたランゲ1は、数多くの限定モデルでこのアニバーサリーイヤーを祝った。登場した10種類の限定モデルは、いずれもホワイトゴールドケースに純銀製文字盤、ブルーのインデックスやアウトサイズデイト、そしてグレーのステッチ入りのブルーアリゲーターストラップという共通した仕様となっている。

 最初に登場したのは、250本限定のホワイトゴールド製のランゲ1 “25th アニバーサリー”で、その他の9つのアニバーサリーモデルは25本限定となっている。


新型ムーブメントを搭載した「ランゲ1・タイムゾーン」

ランゲ1・タイムゾーン

A.ランゲ&ゾーネ「ランゲ1・タイムゾーン」
手巻き(Cal.L141.1)。38石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約72時間。18KPGケース(直径41.9mm、厚さ10.9mm)。30m防水。771万1000円(税込み)。

「ランゲ1・タイムゾーン」誕生から15年が経った2020年、A.ランゲ&ゾーネは同モデルに新型ムーブメントを搭載した。新しいランゲ1・タイムゾーンは、ふたつのタイムゾーンがひと目で認識でき、ひとつはアウトサイズデイトを含むホームタイム、もうひとつは世界中の24のタイムゾーンを示す。新しいリング状の昼夜表記はより分かりやすくなり、サマータイムも追加されている。もちろん、すべてがクラシックなランゲ1のデザインを踏襲している。

 文字盤左にある、このモデルに特徴的なオフセンターの文字盤が現在位置またはホームタイムの時間を、クラシックなランゲ1ではスモールセコンドが配されている右下の小さなサブダイアルが第2時間帯を表示してくれる。

ランゲ1・タイムゾーン

新しい自社製ムーブメントを搭載した「ランゲ1・タイムゾーン」。

 文字盤縁の都市リングが、参照する地球の24の時間帯を示し、第2時間帯の文字盤において、どのタイムゾーンが表示されているかを確認できる。ランゲ1・タイムゾーンの機能性は、独立して調整できる第2時間帯表示において大きな飛躍を見せており、ワールドタイマーという表示はないが、世界中の全てのタイムゾーンを反映させることができるのである。

 2005年のファーストモデルと比較すると、都市リングは現在のタイムゾーンの変更に対応している。例えば「モスクワ」は「リヤド」に、「カラカス」は「サンティアゴ」に代わっている。昼夜表示とサマータイム表示は全体が再設計され、サマータイムは文字盤外周の選択した都市を示す第2時間帯表示文字盤の矢印でわかるようになっている。全てを司るのは、自社製手巻きキャリバーL141.1だ。

L141.1

トランスパレントバックより鑑賞可能なキャリバーL141.1。

 キャリバーL141.1はフリースプラングテンプを採用し、シングルバレルで約72時間のパワーリザーブを保持する。第2時間帯は既存モデルからの踏襲だ。8時位置のボタンを押すと、都市リングはタイムゾーンひとつ分を先送りする。同時に小さなサブダイアルの時針も1時間単位で進んで、ゴールドの矢印が示すシティリング上の選択された都市のタイムゾーンの時刻を表示する。大きなサブダイアルではホームタイムまたは任意に選択したゾーンの時間を表示させることができる。


永久カレンダー搭載の「ランゲ1・パーペチュアルカレンダー」

ランゲ1・パーペチュアルカレンダー

A.ランゲ&ゾーネ「ランゲ1・パーペチュアルカレンダー」
自動巻き(Cal.L021.3)。63石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約50時間。18KWGケース(直径41.9mm、厚さ12.1mm)。30m防水。価格要問い合わせ。

 2021年にランゲ1のポートフォリオを補完すべく「ランゲ1・パーペチュアルカレンダー」が発表された。文字盤には、時分表示、アウトサイズデイト、レトログラード式曜日、閏年、そして昼夜表示が組み込まれたムーンフェイズが配され、外周にはリング状の月表示があしらわれている。

 カレンダーのさまざまな要素はコレクターで一度に、もしくは個々に調整可能だ。一度きちんと合わせれば、プログラムされたメカニズムが2100年まで正確に対応していく。これを担保するのが、同社が67番目に開発した自動巻きキャリバーL021.3だ。このムーブメントには、片巻きのプラチナ製錘を備えたゴールドローターが搭載されている。


2022年に薄型化した「グランド・ランゲ1」

グランド・ランゲ1

A.ランゲ&ゾーネ「グランド・ランゲ1」
手巻き(Cal.L095.1)。42石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約72時間。18KPGケース(直径41mm、厚さ8.2mm)。30m防水。638万円(税込み)。

 2022年、A.ランゲ&ゾーネは「グランド・ランゲ1」のケースをわずか8.2mmの厚さに抑えた。直径は従来と変わらず41mmである。このモデルにはホワイトゴールドケースとピンクゴールドケースの2種が展開され、手巻きキャリバーL095.1が、シルバー無垢製のグレーダイアルの内側で駆動し続けている。



Contact info: A.ランゲ&ゾーネ Tel.0120-23-1845


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