パネライは「ウォッチズ&ワンダーズ 2026」において、1950年代の歴史的モデルから着想を得た「ルミノール」コレクションの新作を発表した。傑作リファレンス「6152/1」のケース構造を参照したモデルや、長年使い込まれたような風合いを放つ「ブルニート」仕上げのケースなど、同ブランドのルーツを色濃く反映したレトロなアプローチが際立っている。本記事では、手巻きムーブメントとドーム型風防を備えた注目の新作群を『ウォッチタイム』アメリカ版編集者のゼン。ラブが詳しく紹介する。

パネライ、レトロな魅力を持つ新作で「ルミノール」コレクションを拡充
パネライは「ウォッチズ&ワンダーズ 2026」にて、ルミノール・コレクションに多数の新しいバリエーションを追加した。同ブランドのリリース戦略によく見られるように、コレクションを象徴する特徴を維持しつつ、デザイン要素を巧みに再構築している。特筆すべきは、1950年代のリファレンス「6152/1」を明確に参照したケース、大きくドーム型に膨らんだ風防、そして手巻きムーブメントの採用など、レトロ路線に焦点を当てたアプローチである。
新作には、約3日間のパワーリザーブを備えた存在感のある47mmモデルと、44mmモデルが含まれている。中でも我々にとって最大のハイライトと言えるのが、「ブルニート(Brunito)」仕上げを施した新モデル、Ref.PAM01733である。
ルミノール 8 ジョルニ(Ref.PAM01733)
時計業界において、ケースの仕上げ方法は実はそれほど多くない。通常、その違いはデザインにおける実行と適用のされ方に現れる。パネライの珍しい「ブルニート」仕上げがこれほどまでに魅力的な理由はそこにある。この仕上げはパネライのキャラクターによく合致しており、高級感を保ちながら、同時に無骨なツールウォッチのルックスを見事に表現している。

手巻き(Cal.P.5000)。21石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約8日間。SS(ブルニート仕上げ)ケース(直径44mm)。10気圧防水。168万3000円(税込み)
ブルニート処理自体は新しいものではなく、これまでにもいくつかのパネライ ウォッチに採用されてきた。「ブルニート(Brunito)」とはイタリア語で「磨かれた(バーニッシュ)」を意味する。ブラックPVDコーティングの層を手作業でブラシ掛けして落とし、「小さく制御された変化」を与えることで、「わびさび」を感じさせる外観を実現しているのだ。
その効果は自然であるが、実際には非常に意図的なものであり、エッジが摩耗し表面に暗い仕上げが残る、長年使い込まれた金属の外観を模している。このモデルでは、人気のサンレイ仕上げのダイヤルと同様に光に反応する、円状のヘアライン仕上げ(サーキュラーブラッシュ)が施されたグレー文字盤と見事なコントラストをなしている。その結果生じる輝きが、ケースの無骨な外観と興味深い対比を生み出している。

ケースバックからの眺望にも同様のコントラストが見られるが、こちらには直線のヘアライン仕上げが多く施されている。搭載されているのは手巻きのパネライ自社製Cal.P.5000であり、ふたつの香箱によって約8日間という長大なパワーリザーブを誇る。今年6月発売予定である。
ルミノール(Ref.PAM01731)& ルミノール デストロ(Ref.PAM01732)
お馴染みの外観を持ちながら、1950年代のリファレンス6152/1から着想を得たケース構造を特徴とする、ふたつの新しいバリエーションも登場した。ブランドによれば、このレトロな外観が47mmではなく44mmケースに採用されたのは今回が初めてであるという。

手巻き(Cal.P.6000)。パワーリザーブ約3日間。SSケース(直径44mm)。10気圧防水。136万4000円(税込み)
(右)パネライ「ルミノール」Ref.PAM01731
手巻き(Cal.P.6000)。19石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約72時間。SSケース(直径44mm)。30気圧防水。136万4000円(税込み)。
大きく盛り上がったドーム型のサファイアクリスタルは、そのヴィンテージスタイルの重要な要素である。内部には、約3日間のパワーリザーブを持つ手巻きムーブメントCal.P.6000が搭載されている。PAM01731はブラウン文字盤で通常のリュウズ位置、一方のPAM01732はブルー文字盤でリュウズがケース左側に配置された「デストロ(レフトハンド)」仕様である。価格はともに136万4000円(税込み)だ。
ルミノール(Ref.PAM01735)& ルミノール フォージド チタニウム(Ref.PAM01629)

手巻き(Cal.P.3000)。21石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約72時間。SSケース(直径47mm)。10気圧防水。184万8000円(税込み)。
今回の取材時、残念ながらフォージド・チタニウム(鍛造チタン)モデルを撮影することは叶わなかったが、「アイボリーグレーディエント(グラデーション)・マットグレイン」文字盤を備えたPAM01735の姿は収めることができた。

手巻き(Cal.P.3000)。21石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約72時間。Tiケース(直径47mm)。10気圧防水。352万円(税込み)。
ダマスカス鋼と似た外観と製造技術を持つPAM01629の鍛造チタンケースは、熱と圧力をかけて結合されたふたつの異なるグレードのチタンで作られており、生産される個体ごとに全く異なる独自のケースパターンを生み出す。
これらのモデルは47mmのケースを採用し、内部にはパネライの自社製手巻きムーブメントCal.P.3000(約3日間パワーリザーブ)を搭載している。価格は、PAM01735が184万8000円(税込み)、フォージド・チタニウム(PAM01629)が352万円(税込み)である。



