2017年新型ムーブメント搭載機ランキング/新しい心臓を持った精鋭

FEATURE時計ランキング
2017.08.10

篠田哲生(41歳) 嗜好品ライター

「ムーブメントは時計の魅力に寄与するか?」
ムーブメントが新しくなったからといって、諸手を挙げて賛成はできない。それが価格上昇の言い訳に使われていればなおさらだ。ムーブメントの進化は往々にしてブランド側の都合が大きく、ユーザーの都合などお構いなしだ。そこで今回は、デザインやメカニズムなどユーザーメリットが明確な新型ムーブメントを選択してみた。

1 パネライ/LAB-ID™ ルミノール 1950 カーボテック™ スリーデイズ-49mm
2 ゼニス/デファイ エル・プリメロ 21
3 ブライトリング/スーパーオーシャン ヘリテージ Ⅱ
4 ミドー/コマンダー アイコン
5 カシオ/オシアナス OCW-G2000S バーゼルワールド2017 スペシャル
6 ロンジン/コンクエスト V.H.P.
7 A.ランゲ&ゾーネ/ランゲ1・ムーンフェイズ
8 リシャール・ミル/RM 27-03 トゥールビヨン ラファエル・ナダル
9 ウブロ/MP-09 トゥールビヨン バイ-アクシス 5デイズ パワーリザーブ
10 ヴァシュロン・コンスタンタン/レ・キャビノティエ・セレスティア・アストロノミカル・グランド・コンプリケーション 3600


髙木教雄(51歳) ライター

「少数精鋭の新型ムーブメント」
市況の影響なのだろう。新型ムーブメントの数はそれほど多くはなかったが、少数精鋭だった印象。新素材を駆使し、あるいは伝統的な丁寧なモノ作りの手法で、精度や利便性、美観を高めた新型ムーブメントは、どれも興味深いものばかりだった。見た目の派手さはないが、革新性にも富んでいて、機械式時計の可能性を広げた10作を選びました。

1 ブレゲ/マリーン エクアシオン マルシャント 5887
2 ハジメアサオカ/ハジメアサオカ クロノグラフ
3 F.P.ジュルヌ/ヴァガボンダージュⅢ
4 A.ランゲ&ゾーネ/1815 アニュアルカレンダー
5 ブルガリ/オクト フィニッシモ オートマティック
6 パテック フィリップ/《パテック フィリップ・アドバンストリサーチ》アクアノート・トラベルタイム Ref.5650
7 パネライ/LAB-ID™ ルミノール 1950 カーボテック™ スリーデイズ-49mm
8 ゼニス/デファイ エル・プリメロ 21
9 ラルフ ローレン/RL オートモーティブ ダブルトゥールビヨン
10 ボヴェ/リサイタル20 アステリウム


広田雅将(42歳) 『クロノス日本版』編集長兼アートソルジャー

「既存ムーブメントの改良にこそ面白みがある」
萎縮した印象のある2017年のSIHHとバーゼルワールド。しかしそういう状況下でリリースされたムーブメントは、実に興味深かった。共通するのは、耐久性への配慮。ブライトリング「ナビタイマー ラトラパンテ」の載せたCal.B03が好例だろう。

1 アジェノー/アジェン・グラフ搭載機全般
2 ハジメアサオカ/ハジメアサオカ クロノグラフ
3 A.ランゲ&ゾーネ/トゥールボグラフ・パーペチュアル“プール・ル・メリット”
4 ブライトリング/ナビタイマー ラトラパンテ
5 オメガ/“オメガ 1957 トリロジー” レイルマスター マスター クロノメーター 60周年リミテッド エディション
6 シャネル/プルミエール カメリア コレクション スケルトン
7 パテック フィリップ/《パテック フィリップ・アドバンストリサーチ》アクアノート・トラベルタイム Ref.5650
8 ボヴェ/リサイタル20 アステリウム
9 カルティエ/ドライブ ドゥ カルティエ ムーンフェイズ
10 タグ・ホイヤー/オウタヴィア ホイヤー02 クロノグラフ


ランキングの集計ルール
●選考委員は、各号のテーマに沿った腕時計を10本選び、順位をつける。 ●選考委員ひとりあたりの所持ポイントを110点とし、これを1位20点、2位18点…… 10位2点として選考モデルに振り分ける。 ●選考された時計が順位無しの場合は、所持ポイントを10等分して、各モデルに11点を与える(選考本数が10本に満たない場合でも、1モデルあたり11点とする)。 ●獲得点数が同点となった場合は、選考者数の多いモデル、その中で選考順位の高いモデルの順で優位とする。 ●最低有効得票数を2票とする。※パネライはディストリビューターの都合により、得票があった場合でも順位に含まれません。