4月14〜20日までスイスで開催された、時計の新作見本市ウォッチズ&ワンダーズ ジュネーブ 2026。今回、この見本市で発表された新作時計の中から、読者に「傑作No.1」を選んでもらった。選ばれた新作のうち、最も得票数の多かった上位5本を紹介する。

読者が選ぶ、2026年新作時計の「傑作No.1」とは?
4月14〜20日まで、スイスで時計の新作見本市ウォッチズ&ワンダーズ ジュネーブ2026が開催された。この祭典は2020年からスタートし、第7回目となる今年は、過去最多の65メーカー(とブランド)が参加。来場者の総数は、前年比9%増の約6万人となった。
今回、そんなウォッチズ&ワンダーズ ジュネーブで発表された新作時計の中から、読者にそれぞれの「傑作No.1」を自由回答形式で選出してもらった。集計期間は2026年4月19日から26日まで。この投票をもとに、最も得票数の多かった新作時計TOP5を紹介する。
なお、同一コレクション内に複数のバリエーションが存在する新作時計に関しては、「ひとつのコレクション」としてまとめて集計している。
同率5位:ショパール「L.U.C 1860」

自動巻き(Cal.L.U.C 96.40-L)。29石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約65時間。ルーセントスティール™製ケース(直径36.5mm、厚さ 8.20mm)。30m防水。421万3000円(税込み)。(問)ショパール ジャパン プレス Tel.03-5524-8922
第5位にランクインしたのは、ショパールの「L.U.C 1860」だ。
L.U.C 1860は、1996年にショパールが開発した初の自社製ムーブメントCal.L.U.C 1.96を搭載して翌1997年に登場したモデルだ。スイス・フルリエに設立された「ショパール マニュファクチュール」からムーブメントが生み出されて30年という節目にあたる2026年、ふたつのL.U.C 1860が登場。その2型のうち、直径36.5mmケースを備えたモデルに票が集まった。
同じケースサイズでCal.L.U.C 96.40-Lを搭載したL.U.C 1860は、2023年に登場したサーモンカラー文字盤のモデルでも知られているが、本作は18Kホワイトゴールド製の文字盤に深みのあるブルーをまとっていることが特徴だ。このブルーは、ショパール マニュファクチュールのほど近くを流れる、アリューズ川を着想源としていることから、ショパールではアリューズ・ブルーと題している。

また、このブルーの文字盤にはギヨシェによるサンバーストパターンが施されており、サテン仕上げのチャプターリングやポリッシュ仕上げのホワイトゴールド製シェブロン型アワーマーカー、そしてドーフィン針と相まって、奥行きのある意匠に仕上がっている。
ケースは成分の80%以上をリサイクル素材としたルーセントスティール™製。ラグジュアリーとサスティナビリティーを両立する時計ブランドであることも象徴する1本と言える。
同率5位:IWC「パイロット・ウォッチ・ベンチュラー・バーティカル・ドライブ」

自動巻き(Cal.32722)。21石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約120時間。セラミック×セラタニウムケース(直径44.3mm、厚さ16.7mm)。10気圧防水。407万9900円(税込み)。(問)IWC Tel.0120-05-1868
有人宇宙飛行での用途に向けて、IWCがゼロから開発したうえで生み出したのが「パイロット・ウォッチ・ベンチュラー・バーティカル・ドライブ」だ。前述したショパールのL.U.C 1860と同一得票数で第5位となった。本作は世界初の商用宇宙ステーション「Haven-1」での採用に向けた、公式認定を取得したモデルでもある。
目を引くのが、リュウズを持たないフォルムだ。リュウズの代わりを担うのが、特許出願中の回転ベゼルである。バーティカル・ドライブというモデル名にもなったこのシステムは、ケース9時側のロッカースイッチによって機能の切り替えを行う。この切り替えによって、主ゼンマイの巻き上げや時刻設定などといった操作を、ベゼルひとつで行うことができるのだ。本作にはGMTが搭載されており、時針のみを単独稼働させるのも、もちろんベゼルだ。宇宙飛行士が船外活動(EVA)中に、加圧グローブを着用したままでも操作できるように開発されている。

ブラック文字盤に組み合わされるのは、爽やかなホワイトカラーだ。ケースはホワイトの酸化ジルコニウム・セラミックスが使用されており、回転ベゼルとケースバックにはセラタニウム®が採用される。これらの素材によって、本作は堅牢性と耐傷性、そして温度変化への高い耐性を獲得した。直射日光下では100℃を超え、日陰では−150℃まで低下することもある宇宙空間において、不可欠な特性である。また、ホワイトのケース一体型ラバーストラップによって、優れた断熱性と耐紫外線性を確保している。
3位:カルティエ「ロードスター」

自動巻き(Cal.1847 MC)。SSケース(縦47.2×横38.7mm、厚さ10.06mm)。10気圧防水。予価167万6400円(税込み)。2026年10月発売予定。(問)カルティエ カスタマー サービスセンター Tel.0120-1847-00
いよいよTOP3の発表。第3位は、復活なったカルティエの「ロードスター」だ。
ロードスターは2002年からカルティエが製造していたスポーティーなコレクションで、1950年代のスポーツカーがその名の由来となる。しばらくの間生産終了していたものの、2026年に復刻。流線型のケースフォルムや突き出されたリュウズなどといったオリジナルのデザインを踏襲しつつ、今や外装も自社製造するカルティエのマニュファクチュールの技術力が生きた、質の高い仕上がりを伴って登場している。また、ラグのねじ止めを廃す代わりにベゼル四隅にリベットを与えるなど、ディテールはよりモダンなデザインへと変更された。

自動巻き(Cal.1899 MC)。SS×18KYGケース(縦42.5×横34.92mm、厚さ9.7mm)。10気圧防水。予価302万2800円(税込み)。2026年10月発売予定。
ラージモデル(ケースサイズ縦47.2mm、横38.7mm)とミディアムモデル(ケースサイズ縦42.5mm、横34.92mm)がラインナップされており、それぞれに文字盤カラーや素材のバリエーション展開が行われている。
2位:ジャガー・ルクルト「マスター・コントロール・クロノメーター」全般

自動巻き(Cal.738)。39石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約70時間。SSケース(直径39mm、厚さ8.9mm)。5気圧防水。299万2000円(税込み)。(問)ジャガー・ルクルト Tel.0120-79-1833
第2位は、ジャガー・ルクルトの「マスター・コントロール・クロノメーター」だ。ポインターデイトおよびパワーリザーブ表示を備えたモデル、パーペチュアルカレンダーモデル、3針+デイト表示モデルの3種がラインナップしており、全般として集計した(ちなみにモデル指定ありの得票だと「マスター・コントロール・クロノメーター・デイト」が1位で、全体の中では第3位)。
これまでの「マスター」、そしてジャガー・ルクルトでは珍しいブレスレットを備えたモデルで、また、ケースと一体型となるフォルムを有している。このブレスレットのデザインは、インデックスの形状に合わせられている。
また、「1000時間コントロール」テストとともに誕生したコレクションとしても知られており、今回ジャガー・ルクルトはその厳格さをいっそう推し進め、本コレクションにHPG(High Precision Guarantee、高精度保証)認証を与えることとなった。

自動巻き(Cal.868)。パワーリザーブ約70時間。18KPGケース(直径39mm、厚さ9.2mm)。5気圧防水。要価格問い合わせ。

自動巻き(Cal.899)。32石。パワーリザーブ約70時間。18KPGケース(直径38mm、厚さ7.9mm)。5気圧防水。924万円(税込み)。
この認証は姿勢差や温度変化、あるいは衝撃といった、さまざまな環境下での精度保証を行うものだが、ユニークなのがそのテスト項目の中に「高度」があるということだ。ジャガー・ルクルトのマニュファクチュールが位置する標高1004mの地、あるいは海抜0mの地での気圧変化を考慮し、優れた精度を発揮させることを目的としている。
1位:グランドセイコー「Evolution 9 Collection スプリングドライブ U.F.A. Ushio 300 Diver」

自動巻きスプリングドライブ(Cal.9RB1)。33石。パワーリザーブ約72時間。ブライトチタンケース(直径40.8mm、厚さ12.9mm)。300m防水。165万円(税込み)。(問)セイコーウオッチ(株) お客様相談室(グランドセイコー) Tel.0120-302-617
第1位は、グランドセイコーが昨年リリースしたU.F.A.を、ダイバーズウォッチ仕様に仕立てて用いた「Evolution 9 Collection スプリングドライブ U.F.A. Ushio 300 Diver」だ。ちなみに昨年の読者ランキングで、「Evolution 9 Collection スプリングドライブ U.F.A.」は4位であった。
U.F.A.は、新型スプリングドライブムーブメントだ。1969年に発表された「グランドセイコー V.F.A.(Very Fine Adjusted)」から名前を取り、「U.F.A.(Ultra Fine Accuracy)」と名付けられたCal.9RB2は、年差±20秒という高精度を極めたものであった。また、パワーリザーブ約72時間というスペックはそのままに、小径薄型化されたことで、ケース直径37mm、厚さ11.4mmという小ぶりなサイズ感となっていたことも特筆すべき点だ。

自動巻きスプリングドライブ(Cal.9RB1)。33石。パワーリザーブ約72時間。ブライトチタンケース(直径40.8mm、厚さ12.9mm)。300m防水。165万円(税込み)。
そんなU.F.A.を搭載した新作時計は、グランドセイコーのダイバーズウォッチで最小となる直径40.8mm、厚さ12.9mmのケースサイズとともに打ち出された。本作もブライトチタン製であるため、小ぶりなうえに軽量だ。なお、キャリバーナンバーが9RB1に改められているのは、ダイバーズウォッチ仕様となったためとのこと。
潮の流れをモチーフとした型打ちが施されるグラデーションカラーの文字盤はブルーまたはグリーンが用意されており、いずれもグランドセイコーの技術力が感じられる最新モデルであることは間違いない。






