初めての高級腕時計にも。30代の女性にお勧めしたいカルティエ5選

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2025.08.28

世界的な知名度を誇るカルティエは、30代の女性が高級腕時計を購入するにあたって、魅力的な選択肢のひとつだ。カルティエは宝飾ブランドとして知られる一方で、時計メーカーとしても長い歴史を持ち、ジュエリー製造で培われた審美性が息づくコレクションを多彩に展開している。本記事では、カルティエが擁する腕時計のラインナップから、30代女性におすすめしたいモデルを5本厳選して紹介する。初めて腕時計を購入するうえでも参考にしてみてほしい。

カルティエ サントス レディース

© Cartier © Denis Boulze
新居賢人:文
Text by Kento Nii
[2025年8月28日公開記事]


30代女性におすすめしたいカルティエの腕時計5選

 女性において30代は、キャリアやライフスタイルにおいて一定の経験を積み、持ち物に対してもお金をかけて長く愛用できるものを選ぶ年代ではないだろうか。自分へのご褒美やキャリアアップの記念など、初めての高級腕時計の購入を検討中の人もいるかもしれない。その選択肢のひとつとして、カルティエを選んでみてはいかがだろうか。

 カルティエの歴史は、1847年に創業者ルイ=フランソワ・カルティエがパリのジュエリー工房を継承したことに始まる。王侯貴族を主な顧客とし、息子、孫へと三代にわたって発展したカルティエは、やがて世界中でその名を知られるようになった。1904年には、後の英国王エドワード7世から「王の宝石商、宝石商の王」と称賛され、英国王室御用達に認定される。その後、スペイン、タイ、ロシアの王室御用達にも認められ、現在に至るまで、世界で最も高名なジュエラーのひとつとして知られている。

ストマッカー ブローチ

Vincent Wulveryck, Collection Cartier © Cartier
カルティエが1907年に製造した「ストマッカー ブローチ」。精緻な細工によって構成される“ガーランド スタイル”を、1895年に同社が創出したプラチナ加工技術を取り入れて実現した特別なハイジュエリーだ。

 また、3代目のルイ・カルティエは1900年代に入ると、ジュエリー製造と並行して時計製造を本格的に開始。世界初の量産型腕時計とされる「サントス」や、戦車のフォルムから着想を得た「タンク」など、斬新でアイコニックな腕時計の数々を打ち出した。ハイジュエラーとして大きく成長する傍らで、時計メーカーとしても確固たる地位を確立したのである。

 こうした歴史的背景を持つカルティエは、腕時計とジュエリーの両分野において、高いプレゼンスを示している。カルティエの製品を所有するということは、ユーザーにステータスと高品質であるがゆえの安心感を与え、日々使う度に愛着を深めてくれるだろう。

 さらにカルティエの腕時計は、機能美とジュエラーならではの華やかさが両立されている点も特徴だ。独創的であり端正でもあるその意匠は、一過性の流行に左右されず、どのようなシーンでも装いに品格を与えてくれる。現行のラインナップは多岐にわたり、サイズの種類も豊富であるため、女性のあらゆる個性やライフスタイルに合わせられるだろう。

 以下に、そんなカルティエが誇る多彩なラインナップから、おすすめモデルを5本紹介する。今回、初めての高級腕時計に選ぶことも考慮し、税込み100万円以下のモデルを中心にピックアップした。時計選びの参考にしていただければ幸いだ。また、扱いやすさを重視して、クォーツ式のものを選定した。

「サントス ドゥ カルティエ」スモールモデル Ref.WSSA0082

「サントス ドゥ カルティエ」は、1904年に飛行士アルベルト・サントス=デュモンのために製作された腕時計をルーツに持ち、そのデザインをより力強く、スポーティーに再解釈したスクエアウォッチである。

カルティエ サントス WSSA0082

Antoine Pividori © Cartier
カルティエ「サントス ドゥ カルティエ」スモールモデル Ref.WSSA0082
クォーツ。SSケース(縦34.5×横27mm、厚さ7.08mm)。日常生活防水。96万2500円(税込み)。

 同コレクションからは、Ref.WSSA0082をピックアップした。本作はラインナップの中でも、縦34.5mm、横27mm、厚さ7.08mmというスリムなシェイプを持つ。また、シルバーのサンレイダイアルには、同社を象徴するローマ数字のインデックス、レイルウェイミニッツトラックが配されており、テンパーブルーの時分針と相まって、シルバートーンの表情にアクセントを加えている。

 ケースからラグ、ベゼルからブレスレットへと流れるようなラインを描く造形や、ベゼル上に配されたビスは、本作のモダンでスポーティーな印象をいっそう強めるディテールだ。このビスは、飛行機の部品を固定するリベットから着想を得たものであり、サントスに共通するアイコンとなっている。また、リュウズにはモダンな多角形を採用しつつ、伝統にのっとったシンセティック ブルースピネルがセットされた。

 ブレスレットは、工具なしで簡単に着脱できる「インターチェンジャブル」システムを備えており、付属のダークブルーのカーフスキンストラップをはじめ、その日の気分やコーディネートに合わせて付け替えを楽しむことができる。

「サントス デュモン」スモールモデル Ref.WSSA0023

 世界初の量産型腕時計として知られる、初代サントスのデザインを色濃く継承しているのが「サントス デュモン」だ。サントス ドゥ カルティエに比べてクラシカルな印象のモデルが多くそろい、ビジネスやフォーマルな装いに合わせるドレスウォッチとしても高い適性を持つ。

カルティエ サントス デュモン

Vincent Wulveryck © Cartier
カルティエ「サントス デュモン」スモールモデル Ref.WSSA0023
クォーツ。SSケース(縦38×横27.5mm、厚さ7.3mm)。日常生活防水。68万7500円(税込み)。

 Ref.WSSA0023は、サンブラッシュ仕上げのサンレイエフェクト シルバーダイアルと、アリゲーターストラップを備えるモデルだ。テンパーブルーの時分針と、リュウズトップに配されたカボションカットのシンセティック ブルースピネル、そしてネイビーブルーのストラップという組み合わせが、洗練された調和を表情に演出している。なお、このパール状の飾りを持つリュウズは、初代モデルのそれを忠実に再現したものである。

 ケースは縦38mm、横27.5mmという小ぶりなサイズ感であり、厚みは7.3mmに抑えられている。傾斜を付けたポリッシュ仕上げのベゼルと、ツヤを抑えた仕上げのケースとが視覚的な対比を生んでおり、薄型ながら立体感を備えるとともに、ビスの存在がいっそう際立って見える。

 ドレッシーな品格を保ちつつ、華美さを抑えたデザインを持つ本作は、ビジネス、プライベートを問わないシーンで愛用できる1本となってくれるだろう。

「パンテール ドゥ カルティエ」スモールモデル Ref.WSPN0013

「パンテール ドゥ カルティエ」は、カルティエを象徴する豹(ヒョウ)の名を冠したコレクションである。カルティエが展開する同名のジュエリーのように、豹をモチーフとしつつ、きらびやかさも特徴としている。

カルティエ パンテール ドゥ カルティエ

Vincent Wulveryck © Cartier
カルティエ「パンテール ドゥ カルティエ」スモールモデル Ref.WSPN0013
クォーツ。SSケース(縦30×横23mm、厚さ6mm)。日常生活防水。73万1500円(税込み)。

 Ref.WSPN0013はラインナップの中でも、オーソドックスな魅力を持つ1本だ。そのスクエアデザインはサントスを彷彿とさせるが、ベゼルにビスを持たず、エッジには丸みが与えられるなど、より柔和でフェミニンな意匠を持つ。また、ケース全体にはポリッシュ仕上げが多用されており、クラシカルなダイアルが艶やかな輝きで囲まれている。

 パンテール ドゥ カルティエコレクションを象徴する、豹のしなやかさを表現したブレスレットにも注目だ。そのひとつひとつのリンクは、優美な丸みを持つよう丹念にポリッシュで仕上げられており、手首の動きに合わせて滑らかに光をとらえる。また、ピッチの短いコマで構成されたこのブレスレットは、柔軟に動くことで、良好な着け心地をも実現しているのである。

 ケースは縦30mm、横23mm、厚さ6mmと至って小ぶりなサイズ感だ。輝きを放つブレスレットとケースの組み合わせは、ハイクラスの腕時計と呼ぶにふさわしい佇まいを見せている。

「タンク フランセーズ」スモールモデル Ref.WSTA0129

「タンク」は、1917年に戦車のフォルムから着想を得て誕生した、カルティエを代表するスクエアウォッチである。その派生である「タンク フランセーズ」は、ケースとブレスレットをシームレスなラインでつなぐことで、幾何学的なタンクの魅力を際立たせたコレクションだ。

カルティエ タンクフランセーズ

Antoine Pividori © Cartier
カルティエ「タンク フランセーズ」スモールモデル Ref.WSTA0129
クォーツ。SS(縦25.7×横21.2mm、厚さ6.8mm)。日常生活防水。61万6000円(税込み)。

 本記事で取り上げるRef.WSTA0129は、2023年にデザインが刷新された現行のスモールモデルである。縦25.7mm、横21.2mmのケースにシルバーのサンレイダイアルを採用。ダイアル外周にはポリッシュ仕上げのローマンインデックス、内周にはレールウェイミニッツトラックを配しており、テンパーブルーの時分針が、時計全体のシャープな印象に彩りを添えている。

 刷新を経たケースデザインも本作の特徴だ。ケースとブレスレットの表面はサテン仕上げが多用され、シャープな印象を増している。また、ケースの縦枠には先端にシンセティック ブルースピネルをあしらったリュウズが埋め込まれており、徹底した直線美の哲学を感じさせる仕上がりである。都会的でスタイリッシュな選択肢として、おすすめしたい1本だ。

「タンク アメリカン」ミニモデル Ref.WSTA0116

 同じく「タンク アメリカン」も、タンクの派生コレクションのひとつだ。1921年に登場した「タンク サントレ」から影響を受けており、直線的なタンクのデザインに曲線美を取り入れた、優雅な佇まいを魅力としている。

カルティエ タンク アメリカン

Antoine Pividori © Cartier
カルティエ「タンク アメリカン」ミニモデル Ref.WSTA0116
クォーツ。SS(縦28×横15.2mm、厚さ6.5mm)。日常生活防水。53万9000円(税込み)。

 そのカーブを描くケースフォルムは人間工学に基づくものであり、良好な着用感にも期待ができるのもタンク アメリカンの特徴だ。また、先端にシンセティック ブルースピネルがあしらわれた多角形のリューズを持ち、曲線美を全面に押し出した本コレクションにおいて、これが効果的なアクセントとなっている。

 Ref.WSTA0116は、シルバーダイアルに光沢のあるシャイニーブルーのアリゲーターレザーストラップを組み合わせた1本だ。ケースサイズは、縦28mm、横15.2mmで、コレクションの中でも最小のミニモデルに分類される。そのダイアル上には、ケースに合わせて縦方向に引き伸ばされたローマンインデックスが配置されており、エレガントなケースにふさわしい優雅な表情を見せている。

 普段使いはもちろん、パーティーなど華やかなシーンにも映える1本だ。



Contact info:カルティエ カスタマー サービスセンター Tel.0120-1847-00


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