ジャガー・ルクルトのおすすめモデル3選。名門の歴史と魅力を探る

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2020.10.13

世界トップレベルの技術力を誇るジャガー・ルクルトは、優れた機能と端正なデザインから、多くの支持を集めている名門高級時計ブランドだ。ジャガー・ルクルトの歴史や魅力を理解し、人気モデルもチェックしておこう。

レベルソ

代表モデル「レベルソ」は、スポーツウォッチとして1931年に誕生した。


ジャガー・ルクルトの歴史

創業時から数々の発明を手掛け、多くのムーブメントを製作してきたジャガー・ルクルトの歴史を紹介する。時計製造の進化に貢献した実績を知っておこう。

ジャガー・ルクルトとは

アントワーヌ・ルクルト

1833年にジャガー・ルクルトを創業したアントワーヌ・ルクルト(1803-1881年)。

スイスの時計士のアントワーヌ・ルクルトが1833年にジュラ山脈で開いた小さな工房が、ジャガー・ルクルトのルーツだ。

その後、アントワーヌ・ルクルトの孫にあたるジャック・ダヴィド・ルクルトが、ムーブメント開発に定評があったエドモンド・ジャガーに超薄型ムーブメントの開発を依頼したことをきっかけに、両者が協力して1937年にブランドが誕生する。

正式にジャガー・ルクルトとなってからも、ブランド立ち上げ前からムーブメントを提供していたカルティエをはじめ、世界三大時計ブランド(パテック フィリップ、ヴァシュロン・コンスタンタン、オーデマ ピゲ)など、スイスの名だたるメーカーにムーブメントを提供し続けた。

歴史的と評される計器を発明

創業者のアントワーヌ・ルクルトは、0.001mm単位での測定が可能な計器「ミリオノメーター」を、1844年に史上初めて発明した。

時計製造において、より精密な部品を作ることが可能となったこの発明は、時計史における画期的な出来事だといわれている。

また、1847年には史上初のリュウズ巻き時計を発明した。巻き上げに鍵を使っていた当時において、リュウズと小さなボタンを使用する仕組みは、それまでの懐中時計の使い方を再定義したと言えるだろう。

これらの発明から生まれた計器や懐中時計は、1851年にロンドンで開かれた第1回万国博覧会で金賞を受賞している。


ジャガー・ルクルトの魅力とは

アンティークウォッチの修理工房

ジュウ渓谷に構えるマニュファクチュールに併設されたアンティークウォッチの修理工房では、約10人の時計職人が作業をしている。また、定期的にゲストを招待し、修復ワークショップも行う。

多くの時計愛好家に支持されているジャガー・ルクルトの魅力を紹介する。他の高級時計メーカーにはない特徴を理解しておこう。

時計業界きっての「機械屋」

ムーブメントや部品のほとんどを自社で作り出すジャガー・ルクルトは、創業当時から高品質のタイムピースを製造するためのスキルを磨いていた機械屋であった。

時計製造の歴史を変えたと言われるミリオノメーターを1844年に発明し、これにより構築した高い生産システムにより、1900年までに約350種類のムーブメントを製作した実績を持つ。

1902年からは、パテック フィリップにおけるムーブメントの大半を約30年間手掛け、オーデマピゲやヴァシュロン・コンスタンタンなどにもムーブメントを提供している。

カルティエの名作「サントス」のムーブメントを手掛けたのも、ブランドの立役者の1人であるエドモンド・ジャガーだ。

1000時間もの検査

製作した時計ごとに実施する1000時間もの検査も、ジャガー・ルクルトの大きな特徴の一つだ。

最も一般的な検査である「スイスクロノメーター検定」の検定期間が15日間であるのに対し、ジャガー・ルクルトの検査は約6週間にわたって実施される。

また、スイスクロノメーター検定はムーブメント単体が検査対象だが、ジャガー・ルクルトの1000時間検査は、防水性や耐磁性なども含んだ「完成品としての品質」を精査する。

普及用の高級時計に実施する検査としては、ジャガー・ルクルトの1000時間検査は業界トップレベルである。


おすすめモデル

ジャガー・ルクルトには、「レベルソ」と「マスター」の2大モデルが存在する。それぞれの特徴とおすすめモデルを紹介しよう。

レベルソ・クラシック・ミディアム・スモールセコンド

レベルソ

レベルソの最もスタンダードなモデル。「ポロの衝撃にも耐え得る腕時計を」という依頼から生まれたオリジナルモデル同様に、ケースを反転するとダイアルを格納できる。アールデコ洋式を取り入れたケースは厚さ7.5mmで、ドレスシャツの袖口にもふさわしい。「レベルソ・クラシック・ミディアム・スモールセコンド」手巻き(Cal. 822/2)。19石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約42時間。SS(縦42.9×横25.5mm、厚さ7.5mm)。3気圧防水。64万円。

「レベルソ」とは、文字盤が反転する特徴を持つ、ジャガー・ルクルトの代表モデルだ。1931年に誕生して以来、進化を続けながら現在も高い人気を誇っている。

レベルソは、さまざまな派生モデルが展開されており、最も伝統的でスタンダードなモデルが「レベルソ・クラシック」である。

自社製手巻きムーブメントを搭載するこのモデルは、厳密な幾何学模様やギヨシェ彫りの中央部分など、レベルソの伝統を継承したクラシカルなスタイルが特徴だ。

レベルソならではの反転式ケースの裏面には手彫り装飾を施すことが可能であり、自分だけの1本を所有できる。

レベルソ・トリビュート・ムーン

レベルソ・トリビュート・ムーン

裏表に配された文字盤が、同一のムーブメントによって駆動するデュオ。表面の6時位置にはムーンフェイズと日付表示が備わる。裏面には任意の第二時間帯を表示でき、6時位置のデイ/ナイト表示によって感覚的に一目で昼夜の確認ができる。「レベルソ・トリビュート・ムーン」手巻き(Cal.853A)。19石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約42時間。SS(縦49.7×29.9mm)。3気圧防水。137万円。

オリジナルモデルから着想を得た、レベルソのトリビュートモデルだ。表ダイアルと同一のムーブメントで動く裏ダイアルは、第2時間帯の時刻を表示する。

表面のシルバーダイアルには、ブルーのインデックスが手作業で配置され、裏ダイアルの周囲にはギヨシェ仕上げ、中央部分にはオパーリン仕上げが施されている。

表面のシルバーダイアルには、ブルーのインデックスが手作業で配され、裏ダイアルの周囲にはギヨシェ仕上げ、中央部分にはオパーリン仕上げを施している。

マスター・コントロール・デイト

マスター・コントロール・デイト

2020年にリニューアルされたマスター・コントロールコレクション。最新世代の自動巻きムーブメントCal. 899ACを搭載する。シリコン製脱進機の採用などにより、パワーリザーブは約70時間に引き上げられた。日付窓やインデックスの仕上げも際立っている。「マスター・コントロール・デイト」自動巻き(Cal. 899AC)。32石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約70時間。SS(直径40mm、厚さ8.78mm)。5気圧防水。72万4000円。

マスターシリーズは、レベルソに並ぶジャガー・ルクルトのフラッグシップだ。シンプルかつオーソドックスな丸型フォルムを基本としている。

マスターもさまざまな派生モデルを展開しており、中でも「マスター・コントロール」はシリーズの原点とも言えるモデルである。

高い性能を誇る自動巻ムーブメントは、調整時に安定性をもたらす可変慣性テンプを備えている。

シンプルながら視認性が高く、ドレスウォッチの模範として支持を集めている1本だ。


ジャガー・ルクルトを着けてみよう

名門ブランドの一つに数えられるジャガー・ルクルトは、高い技術力と信頼性により、業界屈指の職人集団として評価を集めている高級時計メーカーだ。

レベルソとマスターシリーズを中心に、機能やデザインのバリエーションも豊富に揃っている。ワンランク上の腕時計を求めるなら、ジャガー・ルクルトも選択肢の一つに加えてみよう。

川部憲 Text by Ken Kawabe


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