クロノグラフの購入に迷っているのなら、チューダーのクロノグラフモデルはどうだろう。デイヴィッド・ベッカムやオールブラックスの選手が愛用している「ブラックベイ クロノ」は特に有名だ。そこでチューダーのクロノグラフにはどのような種類や魅力があるか見てみよう。
チューダーのクロノグラフの特徴
チューダーのクロノグラフの魅力のひとつに「伝統の継承」がある。ただ、昔の形を模しているのではなく、現代の技術やデザインを取り入れ、実用性を高めたうえで継承していることが特徴だ。
歴史をたどると、どのように継承されているのかがわかるだろう。
チューダーのクロノグラフの歴史

チューダー初のクロノグラフは1970年に発売された「オイスターデイト クロノグラフ」。手巻き式クロノグラフムーブメントであるバルジュー7734を搭載し、オリジナリティに溢れたデザインで人気を博した。特に独特な文字盤に特徴があり、チューダーファンの間では「ホームベース」と呼ばれている。
1971年には本体の色にブルーを初めて採用した「モンテカルロ」と呼ばれているモデルが登場。1976年、チューダーのクロノグラフはバルジュー7750を搭載して自動巻き式になり、通称「ビッグ・ブロック」が発表される。ムーブメントの変更を経て、インダイアルが3つ、日付表示窓は3時の位置になり、ダイアル上の表記から「クロノタイム」とも呼ばれた。
その後、バルジュー7750を搭載したホームベース型のインデックスを持つ「Ref.70330N」やブルーのカラーリングが印象的な「Ref.70330B」、「ファストライダー ブラックシールド」などを発売。
そして2017年には、チューダー初の自社製クロノグラフムーブメント「MT5813」を搭載した「ブラックベイ クロノ」を発表し、汎用手巻きムーブメントから自社製ムーブメントへ移行する。
自社製のムーブメント

自社製クロノグラフムーブメント「MT5813」は、約70時間のロングパワーリザーブ、シリコン製バランススプリングなど、最新技術をふんだんに取り入れて開発された。また、ブラックベイ クロノは200mまでの防水性能も実現しているため、チューダーが得意なダイバーズとクロノグラフが邂逅を果たしたモデルともいわれている。
チューダーのクロノグラフの種類
現在、チューダーのクロノグラフは大きく分けて「ブラックベイ クロノ」と「ヘリテージ クロノ」の2種類が公式サイトに存在する。どちらも伝統を継承しつつ、新しく進化し続ける「ブラックベイ」と、細部までこだわりぬかれたデザインの「ヘリテージ」。それぞれ、どのようなモデルなのかを紹介しよう。
BLACK BAY CHRONO

自動巻き(Cal.MT5813)。41石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約70時間。SS(直径41mm)。200m防水。64万6800円(税込み)。
60年以上もの歴史を持つ、チューダーのダイバーズウォッチ。その中にラインナップされているクロノグラフ搭載モデルが、2017年に登場した「ブラックベイ クロノ」だ。
ブラックベイのデザインにクロノグラフ機能を加え、スポーティーな雰囲気がさらにアップ。水陸を融合した新しいブラックベイの形として注目された。
特徴は厚みのあるケースや個性的なスノーフレーク針。このスノーフレーク針は、チューダー・ダイバーズウォッチを象徴するエレメントとしても有名である。
すべてのブラックベイ クロノには自社製ムーブメント「MT5813」を搭載。45分の積算カウンターや、6時位置にカレンダーを配している。また約70時間のパワーリザーブや耐磁性シリコンバランススプリングを採用。200mの防水性能も携えた、実用性の高いモデルである。
BLACK BAY CHRONO S&G

自動巻き(Cal.MT5813)。41石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約70時間。SS(直径41mm)。SS×18KYGブレスレット。200m防水。88万4400円(税込み)。
2019年にデビューした「ブラックベイ クロノ S&G」もまた、クロノグラフとダイバーズウォッチの伝統が融合したコレクションだ。
「ブラックベイ クロノ」同様、ムーブメントはMT5813を搭載している。
3時の位置には45分積算計、6時位置にデイト表示、9時位置にスモールセカンドを備え、チューダーのアイコンでもある「スノーフレーク針」を採用。200mの防水性能もあり、クロノグラフとしての性能も充実している実用性の高いモデルだ。
HERITAGE CHRONO

自動巻き(Cal.T401)。パワーリザーブ約42時間。SS(直径42mm)。150m防水。51万2600円(税込み)。
1970年代初期に誕生したクロノグラフモデルに着想を得た「ヘリテージ クロノ」。
約42時間のパワーリザーブを備えた機械式自動巻クロノグラフムーブメントを搭載。スモールセコンドは3時位置に、45分積算カウンターは9時位置にレイアウトされ、水深150mまでの防水性能も備えている。
ブラック&グレーダイアル、グレー&ブラックダイアルのいずれも、フォールディングクラスプ付きスチール製ブレスレット、もしくはバックル付きのファブリックストラップを選択できる点も特徴のひとつ。ヘリテージ クロノのダイアルと同様の独創的で美しいカラーを反映しているファブリックストラップは、つけ心地の快適さも追求している。
HERITAGE CHRONO BLUE

自動巻き(Cal.T401)。パワーリザーブ約42時間。SS(直径42mm)。150m防水。51万2600円(税込み)。
ヘリテージ クロノのモデルの中にある「ヘリテージ クロノ ブルー」はその名のとおり、ダイアル部分に青色(ブルー)を採用。1971年に発売された「モンテカルロ」を彷彿させるモデルである。
色以外の仕様はヘリテージ クロノと同様。フォールディングクラスプ付きスチール製ブレスレットか、バックル付きのファブリックストラップも選択可能だ。
チューダーのクロノグラフの魅力
チューダーのクロノグラフは、どれを選んでも性能やデザインに遜色なく、それぞれ魅力ある印象だ。今後「ブラックベイ クロノ」「ヘリテージ クロノ」ともに、伝統の継承を取り入れたどのような新作が発表されるかにも注目したい。

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