どれを買うべきか迷ったら。高級腕時計の人気ブランド10選

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2024.01.29

時計愛好家を魅了する定番腕時計ブランド5選

 高級腕時計を比較する上で外せない、定番の5ブランドを紹介する。人気を集める理由やコレクションの魅力をチェックしておこう。

高級腕時計の代名詞的存在「ロレックス」

 ロレックスは1905年にイギリスで誕生した時計ブランドだ。現在はスイスに本社を移している。

ロレックス「オイスター パーペチュアル コスモグラフ デイトナ」

ロレックスロレックス「オイスター パーペチュアル コスモグラフ デイトナ」
モータースポーツと深い関係を持つ本コレクション。誕生60周年を記念し、新開発のムーブメントCal.4131を搭載。さらに、ダイアルのディテールやケースのデザインがリファインされた。なお、トランスパレントバックの採用はコレクション初である。自動巻き(Cal.4131)。47石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約72時間。Ptケース(直径40mm、厚さ11.9mm)100m防水。要価格問い合わせ。

 創業当初より精力的に腕時計製造に取り組み、1926年には世界初の防水性・防塵性を備えた「オイスター」を発表。1945年にはダイアルの小窓で日付を表示する初の腕時計「デイトジャスト」で確固たる名声を得た。

 ブランドの代表作である「コスモグラフ デイトナ」「サブマリーナー」「GMTマスター」は、いずれも同ブランドの歴史的名作を進化させた主力コレクションだ。

ロレックス公式サイト - スイス ラグジュアリーウォッチ

抜群の知名度を持つブランド「オメガ」

 1848年創業のオメガは、世界的な知名度を誇る時計ブランドである。各種スポーツ競技でタイムキーパーを務めたり、NASAの公式装備品として認められたり、また、映画作品との結びつきの強さでも知られている。

オメガ「スピードマスター ムーンウォッチ マスター クロノメーター」

オメガ「スピードマスター ムーンウォッチ マスター クロノメーター」
NASAの公式装備品に認められた、通称“ムーンウォッチ”の第8世代。月へと降り立った第4世代のデザインを踏襲しながら、コーアクシャル脱進機および超耐磁性能を実現したマスター クロノメーターを導入することで、より実用的にブラッシュアップされた。手巻き(Cal.3861)。 26石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約50時間。SSケース(直径42mm、厚さ13.18mm)。50m防水。107万8000円(税込み)。

 ただ知名度が高いだけではない。オメガは1999年、74年にジョージ・ダニエルズ博士が発明したコーアクシャル脱進機の開発・量産化に成功し、技術力の高さも世間に示した。この画期的な脱進機は、摩擦を抑えることで耐久性が高まり、また、少ない注油で高い精度を発揮する。さらに近年では、このコーアクシャル脱進機搭載モデルを対象に、1万5000ガウスという極めて高い耐磁性能を要件としたマスター クロノメーター認定を標準装備としつつあることも、特筆すべき点だ。

 そんなオメガの代表作が「スピードマスター」と「シーマスター」だ。69年に人類初の月面着陸に携行されたスピードマスターは、「ムーンウォッチ」とも呼ばれている。

オメガ・ウォッチ: スイス高級時計メーカー | OMEGA JP

ドイツが誇るマニュファクチュール「A.ランゲ&ゾーネ」

「A.ランゲ&ゾーネ」は、1845年にドイツで誕生したブランドだ。時代の荒波に飲まれて一度は歴史から姿を消すが、1989年、東西ドイツの統一を受け、90年には再始動の計画が始まった。

A.ランゲ&ゾーネ「ランゲ1・ムーンフェイズ」

A.ランゲ&ゾーネ「ランゲ1・ムーンフェイズ」
同社のアイコンにムーンフェイズを搭載。Cal. L121.3では月の満ち欠けの周期を99.998%再現し、駆動させ続けた場合、122.6年間は手動で修正する必要がない。ムーブメントには伝統的な4分の3プレートを採用する。手巻き(Cal. L121.1)。43石。2万1600振動/時。 パワーリザーブ約72時間。18KPGケース(直径38.5mm、厚さ10.2mm)。©︎Lange Uhren GmbH

 優れた技術力で復活後間もなく他の名門と肩を並べるまでになり、現在は世界五大時計ブランドのひとつに数えられている。モデルごとにムーブメントを自社製造していることが、A.ランゲ&ゾーネの大きな特徴だ。

 復活後のファーストコレクション「ランゲ1」や、ドレスウォッチコレクション「サクソニア」「1815」が、同ブランドの代表作として支持を集めている。

A.ランゲ&ゾーネ

クロノグラフの先駆け「ブライトリング」

 航空業界と深い関わりを持つブライトリングは、1884年創業の時計ブランドである。創業当初からクロノグラフの研究・開発に尽力し、クロノグラフのパイオニアとして名高い。現在のコレクションでも、クロノグラフを主力製品としている。

ブライトリング「ナビタイマー B01 クロノグラフ 46」

ブライトリング「ナビタイマー B01 クロノグラフ 46」
航空会社の機長や航空愛好家に愛用されてきたパイロットウォッチ。パイロットが飛行に必要な計算をすべて行える、回転計算尺を備えたクロノグラフだ。誕生から70年の時を経て、よりカラーバリエーション豊かなダイアル、上質な外装を備えたモデルへと進化した。自動巻き(Cal.01)。47石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約70時間。SSケース(直径46mm、厚さ13.95mm)。121万5500円(税込)。

 そんなブライトリングは1915年に腕時計で初めて、独立したプッシャーを備えたクロノグラフを開発。また、1940年代には英国空軍をはじめ、世界屈指の航空産業向けの時計サプライヤーへと発展した。

 パイロット向けの回転計算尺を備えた「クロノマット」や、クロノマットをルーツに持つ「ナビタイマー」は、今なおブランドの代表作として君臨している。

 現在、ブライトリングは空だけでなく、海・陸でもその優れたパフォーマンスを発揮する。プロフェッショナルダイバー向けの「スーパーオーシャン」や、それぞれ名車の名を冠した「トップタイム」などを展開する。

Breitling | Swiss Luxury Watches of Style, Purpose & Action

ドイツ仕込みの質実剛健な時計作り「IWC」

 IWCは1868年、スイスに誕生した時計ブランドだ。ドイツ語圏であるシャフハウゼンに拠点を構えており、ドイツらしい質実剛健な時計を生産している。

IWC「ポルトギーゼ・クロノグラフ」

IWC「ポルトギーゼ・クロノグラフ」
1930年代にふたりのポルトガル人商人がオーダーしたモデルがオリジナルとなる、IWCの基幹モデル。当時は、マリンクロノメーターと同等の精度を持つ腕時計を実現させるために、軍用の懐中時計のムーブメントを搭載していた。そのために大ぶりケースを持つが、一方でドレッシーというキャララクターも確立している。自動巻き(Cal.69355)。27石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約46時間。SSケース(直径41mm、厚さ13mm)。3気圧防水。117万7000円(税込)

 なお、IWCは、どれだけ古くとも自社で製造した時計であれば、修理を受け付ける「永久修理」を掲げている。他の高級時計ブランドで永久修理に対応しているのは、パテック フィリップやジャガー・ルクルトなどと、数は多くない。この永久修理からは、IWCのウォッチメイキングへの、強い自信が感じられる。

 洗練されたデザインと繊細な仕上げも、IWC時計の大きな特徴だ。代表コレクションとして「ポルトギーぜ」のほか、「ポートフィノ」「ポルトギーゼ」「アクアタイマー」を展開している。

スイス製高級腕時計 | IWCシャフハウゼン


世界が認める日本の高級腕時計ブランド

 高級時計ブランドは確かにスイスに多い。しかし、日本にも世界に誇れるトップブランドが存在する。グランドセイコーとシチズンの魅力を確かめておこう。

国内腕時計ブランドの雄「グランドセイコー」

 グランドセイコーは、セイコーの「世界最高級の腕時計を作り出す」という決意から誕生したブランドだ。1967年には、現在に続くグランドセイコーのデザイン理念を確立した「44GS」、88年にはグランドセイコーの名をクオーツで復活させた「95GS」など、優れたモデルを生み出してきた。

グランドセイコー「エボリューション 9 コレクション SLGH005」

グランドセイコー「エボリューション 9 コレクション」SLGH005
グランドセイコースタジオ 雫石の周辺の白樺林を型打模様のダイアルで表現したモデル。ハイビートと約80時間のパワーリザーブを両立した次世代自動巻きムーブメントは、「快適な使い心地と上質な感性価値を高次元で両立する」ことを目指して新開発されたもの。また、本作は2021年のジュネーブ・ウォッチメイキング・グランプリ(Grand Prix d’Horlogerie de Geneve=GPHG)で、メンズウォッチ部門賞を受賞した。自動巻き(Cal.9SA5)。47石。3万6000振動/時。パワーリザーブ約80時間。SSケース(直径40mm、厚さ11.7mm)。10気圧防水。115万5000円(税込み)。

 1999年以降は独自ムーブメント「スプリングドライブ」で評価を高め、2017年にブランドとしてセイコーから独立した。スプリングドライブは、主ゼンマイで駆動し、水晶振動子で制御する、いわば「第3のムーブメント」だ。

 グランドセイコーの時計は、機械式・クォーツ式ともに国内生産されている。エントリーモデルなら「SBGX263」など、すポーチーなモデルなら「SLGA015」などがおすすめだ。

グランドセイコー公式サイト

伝統と最先端技術の融合「ザ・シチズン」

 1930年創業のシチズンも、国内の時計市場をけん引する存在である。世界トップレベルの性能と長く愛用できるデザインを特徴に持ち、幅広い層のユーザーに支持されてきた。このシチズンの理想を体現したザ・シチズンも、高級腕時計を購入する際には押さえておきたい。

ザ・シチズン「メカニカルモデル 限定モデル」NC0206-18E
2021年にザ・シチズンがリリースした高精度機械式ムーブメントCal.0200にデイト窓を搭載させたのが、本作で用いられるCal.0210である。外装は日本の甲冑に着想を得た。ダイアルには光の反射を抑えるクラリティ・コーティングを施すことでいつでも時刻をはっきりと読み取ることができる。自動巻き(Cal.0210)。26石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約60時間。SS(直径40mm、厚さ11.2mm)。10気圧防水。特定店限定モデル。88万円(税込み)。

 ザ・シチズンのみならず、シチズンの製品の最大の特徴は、他を圧倒する精度の高さだ。同社が誇るエコ・ドライブ ムーブメントCal.0100は、年差±1秒という極めて高い精度で時を刻み続ける。

 フラッグシップモデル「ザ・シチズン」以外にも、超薄型光発電ムーブメントを搭載した「エコ・ドライブ ワン」、チタニウムウォッチの「アテッサ」を代表作としてラインナップしている。

シチズンウオッチ オフィシャルサイト


ブランドの伝統と品格でステータスを高めよう

 人気の高級時計ブランドを深く知ると、いずれも歴史や技術力に支えられていることが分かる。各ブランドの時計が愛好家の信頼を獲得することで、ブランドの信用につながっているのだ。

 主要ブランドの特徴や魅力を知ることで、手に取ったモデルへの愛着も湧きやすくなる。お気に入りの1本を探し出し、伝統と品格を身にまとおう。


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