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第2回「時計を買う際、何を見ればいいのか? その2」(1/2)

筆者が考える正しい腕時計の装着方法。前腕と手関節の間ではなく、尺骨(しゃっこつ)と橈骨(とうこつ)の凹みにひっかかる位置が理想的だ。


広田雅将(クロノス日本版):文
Text by Masayuki Hirota(Chronos-Japan)

装着感を左右する5つの条件

 時計の付け心地の良し悪しは、自動車のコーナリング性能に似ている。重くてもコーナリング性能に優れた日産GT-Rのような車もあれば、軽いのにコーナリングがいまいちの車もある。時計の着け心地を左右する条件は大きく6つある。

・正しく時計を付けているか
・時計は軽いか重いか
・時計の重心は高いか低いか
・腕との接触面積は大きいか低いか
・肌にあたる部分はきちんと整形されているか
・アレルギーに対応した素材かどうか

 車を運転する場合、まず正しいドライビングポジションに着かないと、きちんとコーナリングできない。時計も同じで、正しく腕に装着しないと、メーカーが想定した装着感は決して得られない。前腕と手関節の間ではなく、尺骨(しゃっこつ)と橈骨(とうこつ)の凹みにひっかかる位置が理想的である。その際、ストラップやブレスレットをどの程度きつく締めるかには、さまざまな意見があるが、基本的には買う人の好みだろう。ただし重心の高い時計は、ストラップをきつく締めた方が装着感は改善される。

側面から見た日産GT-R。車重は1760kg(GT-R Pure edition)もあるが、エンジンを低く置くことで、重心を大きく下げている。また4WDシステムとメカニカルLSDをトランスミッションと一体化して車両後方に搭載することで、車両前後の重量バランスを改善した。


 装着感を重視したい人は、とにかく軽くて薄い時計を買うことをお勧めする。車重が軽くて車高の低いライトウェイトスポーツカーが、軽くコーナリングできるのと同じ理屈だ。何をもって重い・軽いとするかは簡単には言えないが、時計の世界では、50gまでは軽く、100gまでは普通、200gに近い時計は重いと考えられている。軽い時計は百難隠す、とはいえるだろう。ただし軽い時計は、強い衝撃を受けると壊れる可能性がある。なお薄さの基準は以下の通りである。ケースの厚さが7mmを切れば極薄、10mmを切れば薄型、12mmから15mmは標準、それ以上は厚いと考えていい。筆者の私見をいうと、厚さが10~12mm程度で、重さが100gを切った時計の装着感は良好で、デスクワークの邪魔にもなりにくい。もっともどれくらいの重さと厚さを好むかは、買う人の好みによって大きく変わる。

 ポルシェの911や重い日産GT-Rが優れたコーナリング性能を持つのは、エンジンの位置を低くして、車の重心を下げたためだ。時計も同様で、仮に大きく重くても重心が腕に近い位置にあれば、腕を振ってもグラグラしにくい。重心の位置を見分けるポイントは、大きくふたつある。まずは時計を操作するリュウズの位置。裏蓋から遠い位置にあれば、エンジンにあたるムーブメントは腕から遠く離れた場所に置かれているはずで、腕を振るとぐらつきやすくなる。逆にリュウズの位置が裏蓋側に近ければ、ムーブメントは腕に近い位置にあるはずで、つまり時計の重心は低くなる。そのような重いが着け心地が優秀な時計の例として、パネライの「PAM00372」などがある。

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