ロック福田が選ぶBEST5。優勝は〝異形〟の超複雑時計!【ウォッチズ&ワンダーズ 2026 新作】

2026.04.26

日本、そして世界を代表する著名なジャーナリストたちに、ウォッチズ&ワンダーズ ジュネーブ 2026で発表された時計からベスト5を選んでもらう企画。動画連載「ロック福田の腕時計魂!」のMCであり、長年スイスの見本市を取材してきたジャーナリストの福田豊氏は、優勝1本、1位を2本として選出する。


優勝:ユリス・ナルダン「スーパーフリーク」

異形=FREAKの傑作「フリーク」の誕生25周年を記念し、さらに超複雑に進化させた、まさにスーパーな「フリーク」。しかも会場のブース正面にはルートヴィヒ・エクスリン博士の巨大な顔の展示。もはや敵なし。これは優勝でしょう!

ユリス・ナルダン「スーパーフリーク」Ref.2520-500LE-3A-BLUE/3A

ユリス・ナルダン「スーパーフリーク」Ref.2520-500LE-3A-BLUE/3A
自動巻き(Cal.UN-252)。42石。1万8000振動/時。パワーリザーブ約72時間。18KWGケース(直径44mm、厚さ16.54mm)。30m防水。世界限定50本。5594万6000円(税込み)。


1位:カルティエ「サントス デュモン」

1926年にオーダーメイドされた「サントス」をモチーフに、ブレスレット仕様にしたラージサイズモデル。1.15mmのコマを15連に全394個連ねたブレスレットは、まるでシルクのようなしっとりとした着け心地。本気で欲しいです。

サントス デュモン

© Cartier
カルティエ「サントス デュモン」Ref.CRWGSA0123
手巻き(Cal.430 MC)。18KYGケース(縦43.5×横31.4mm、厚さ7.3mm)。日常生活防水。予価858万円(税込み)。2026年6月発売予定。


1位:ブルガリ「オクト フィニッシモ」直径37mmケース

37mmに小型化するための新開発キャリバーなど見どころ多数。しかし世界最薄のギネス記録を一休みし、ケース厚などをごく普通にした、ノンシャランな佇まいが好ましい。そのリラックス感がブルガリの新しいステージを感じさせる好作だ。

ブルガリ「オクト フィニッシモ」Ref.104351

ブルガリ「オクト フィニッシモ」Ref.104351
自動巻き(Cal.BVF100)。毎時2万1600振動。パワーリザーブ約72時間。Tiケース(直径37mm)。30m防水。予価270万6000円(税込み)。2026年9月発売予定。


2位:A.ランゲ&ゾーネ「サクソニア・アニュアルカレンダー」

16年ぶりに開発されたアニュアルカレンダーの新キャリバーは、昨年の「1815」34mmに続いて、小さく、かつロングパワーリザーブに進化させたところが見どころ。10時位置のプッシュボタンも個人的には嬉しいポイント。これも本気で欲しいです。

A.ランゲ&ゾーネ「サクソニア・アニュアルカレンダー」Ref.331.033E

A.ランゲ&ゾーネ「サクソニア・アニュアルカレンダー」Ref.331.033E
自動巻き(Cal.L207.1)。56石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約60時間。18KPGケース(直径36mm、厚さ9.8mm)。要価格問い合わせ。


3位:パルミジャーニ・フルリエ「トンダ PF クロノグラフ ミステリューズ」

「トンダ PF GMT ラトラパンテ」に続く「トンダ PF ミニッツ ラトラパンテ」の発表時に「同じデザインと機構で違う時間の表現をする」「第3弾もある」と予告していた、そのモデル。発想も機構も秀逸。素晴らしい傑作だと思う。

パルミジャーニ・フルリエ「トンダ PF クロノグラフ ミステリューズ」

パルミジャーニ・フルリエ「トンダ PF クロノグラフ ミステリューズ」
自動巻き(Cal.PF053)。41石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約60時間。要価格問い合わせ。


総評

 今年は超複雑機構が少なく地味だという声を多く聞いた。そんななか、ぶっちぎりの超複雑機構を見せつけたのが「スーパーフリーク」。その他を圧倒するほどの存在感に、もしかしたら「フリーク」25周年記念を祝福して各ブランドが複雑機構を遠慮したのではないか、などと妄想してしまったぐらいだ。

 でもまあ、そんな地味さの本当の理由は、きっと世界的な不景気ゆえなのだろう。だが逆に、先鋭的なメカメカしい機構で他社と競うのではない、ごく普通ななかにブランドらしさのある新作が目立ったのが個人的には好印象。その代表が「サントス デュモン」と「オクト フィニッシモ」だ。

 そして「サクソニア・アニュアルカレンダー」も、A.ランゲ&ゾーネにしては控えめな、実用モデルであるところが美点。「トンダ PF クロノグラフ ミステリューズ」は「複雑機構をシンプルに」というブランド哲学が徹底されたところが美しい。

 ほかにも気に入ったモデルはもちろん数多い。だから今回のベスト5はあくまで「いまの気分」。明日には大きく入れ替わるかもしれない。

 ところで、タグ・ホイヤーは昨年のマクラーレンMP4/4に続いて、今年はポルシェ917をブースに展示。これって反則というかズルいよね。だってある意味、どんな時計より魅力的なのだから。と言いつつ、来年はどんなクルマが飾られるのか、いまから楽しみでもあるんですけどね。



選者のプロフィール

ロック福田

福田豊

ライター、編集者。もともとは建築家であったが、ひょんなことから、出版界に移籍。『エスクァイア日本版』広告営業、編集部の後、現職。『LEON』『ENGINE』『GQ』『クロノス日本版』などの雑誌やwebで、ファッション、時計、クルマ、旅など、男性のライフスタイル全般について執筆。webマガジン『FORZA STYLE』で時計を担当。動画連載「ロック福田の腕時計魂!」に出演中。https://www.instagram.com/fukuda1959/?hl=ja


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