パテック フィリップ ブティック 東京・表参道が2月14日にオープンした。日本では4店舗目のブティックで、パテック フィリップ ブティックとしては世界で最も広い床面積を持つ“旗艦店”の誕生である。

Edited by Yuto Hosoda (Chronos-Japan)
[クロノス日本版 2026年5月号掲載記事]
《希少なハンドクラフト》の世界観を取り入れた世界最大のブティック
青山通り(国道246号)と表参道の交差点にほど近い、東京都港区北青山の一等地でその偉容を誇る「パテックフィリップ ブティック 東京・表参道」。地上12階建て新築ビルの1階と2階を占めており、総面積は約391㎡。現在、パテック フィリップのブティックとしては世界最大だ。

まず目を引くのがブティック入り口とファサードの外壁。日本の切り紙工芸にインスパイアされた、“KIRIGAMI” というモチーフで装飾されている。
パテック フィリップのエンブレムであるカラトラバ十字と日本の切り絵を融合したこの紋様は、今後、世界中のパテックフィリップ ブティックのファサードに採用される予定だ。ラグジュアリーブランドの大型店が軒を連ねる目抜き通りにあって、この新店舗の存在感は一頭地を抜く。

エントランスを入ると、リボンのようなユニークな形状をしたらせん階段と大型シャンデリアが目に飛び込んでくる。高さ約8mの天井から吊るされたシャンデリアは、ベネチア・ムラーノ島の工房で職人が一枚一枚手づくりした755枚のガラスプレートを使っている。

アトリウム右手の、背後に大きな屏風が置かれたカウンターではコンシェルジュがゲストを迎える。床は2種類の大理石で構成・デザイン。すべての来訪者を歓迎する心遣いを優雅な曲線で表現している。1階にはアトリウムのほか、時計やパテック フィリップの歴史を伝える品々が展示されるギャラリーと、セールススペースがある。特筆すべきは見られる時計の多さ。ウォッチギャラリーには常時50本から60本が並ぶ。フラッグシップブティックならではの充実した陳列だ。

セールスルームは、赤色をテーマとした女性的な色合いと、青色をテーマにした男性的な色合いのふたつを備える。ギャラリーとセールススペースは完全に分離されており、ゲストは1階のすべての空間でパテック フィリップのラグジュアリーな世界観を体感することができる。
繊細なきらめきを放つシャンデリアを間近に眺めながら、らせん階段を上がり2階へ。そこには半円形のカウンターとシャンデリア、屏風を備えたバーラウンジやVIPルーム、広いダイニングルームがあった。2階は基本的にイベントスペースとして使用されるとのこと。豪奢かつ重厚な雰囲気は外観や1階同様だ。

ちなみにブティック内や各部屋に飾られているガラス製品は、すべてベネチアンガラスおよびムラーノ島の職人により手づくりされたもの。また、各所には人間国宝が手掛けた陶磁器(九谷焼・有田焼・鍋島焼など)が飾られている。来客用トイレは福岡県大川市の木工職人による組子が壁面を飾っている。
信念を持って仕事をする誇り高き職人の匠の技=稀少なハンドクラフト。それらへの敬意・情熱が “美事” に表現されている、さながら美術館のような空間だ。
バーラウンジで行われた発表会見でパテック フィリップ ブティック 東京・表参道 代表取締役の角田修一朗氏はこう語った。
「約四半世紀、パテック フィリップの仕事に携わってきました。このブティックは最後の大仕事という意気込みで、世界中のものづくりを手掛ける職人、企業、そして私のさまざまな工夫と知恵、そして知識も含めた技術が詰まった造りとしました。パテック フィリップの時計には創業以来の知恵・知識・歴史・人々の手による技術と、それを継承する “気持ち” が備わっています。それがこのブティックの空間には反映・再現されていると思います。置かれている小物や装飾品はすべて、受け継がれてきた匠の技により独立した会社・職人が手づくりしたものです」
お披露目イベントに合わせて来日していたパテック フィリップ本社のティエリー・スターン社長(角田氏と同じ56歳)は、満面に笑みを浮かべながら深く首肯。角田氏と固い握手を交わしていた。

住所:東京都港区北青山3-5-27
電話番号:03-5468-1188
営業時間:11:00~19:00(年中無休)
※完全予約制。来店予約は下記から
https://patekphilippe-boutique.com/contact



