2021年 パテック フィリップの新作時計まとめ

FEATURE2021年新作時計
2021.04.07

ノーチラス 5711/1A

ノーチラス 5711/1A

パテック フィリップ「ノーチラス 5711/1A」
片方向巻き上げ自動巻き(Cal.26-330 S C)。30石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約45時間。SS(10~4時位置の直径40mm、厚さ8.3mm)。12気圧防水。401万5000円(税込み)。

 ここ数年、急激に人気を高めていたノーチラス。長らく基幹モデルとして君臨していたのが、3ピースケースを持つRef.5711だった。しかし、シルバー・ホワイト文字盤に続いてブルー・ブラックのグラデーション文字盤も販売中止。パテック フィリップは新しいノーチラスをリリースするのではないか、と言われてきた。対して2021年に発表されたのは、その5711の色違い。文字盤にはまったく新しいオリーブグリーン・ソレイユ文字盤が採用された。

ノーチラス 5711/1A

 しかし、このモデルを単なる色違いと思うなかれ。パテック フィリップのリリースには次のようにある。「2021年はステンレススティール仕様のノーチラス5711/1Aモデルが製作される最後の年になる」。つまりこれは、5711のファイナルバージョンとなるようなのだ。なぜ文字盤にグリーンを選んだのかは不明だが、写真を見る限りで言うと、質感はいつもに同じく、かなり良好である。色をどうやって施したのかも分からないないが、写真を見る限りは、おそらくメッキだろう。グリーンをメッキで施すのはかなり難しいとされているが、パテック フィリップは安定して色を出せるという自信があるのだろう。少なくとも、これほど淡いグリーンは、なかなかお目にかかれないものだ。

 ムーブメントは、2019年以来Ref.5711が採用するCal.26-330 S Cである。ベースは名機Cal.324 S Cだが、自動巻き機構が改良されて耐久性が伸びたほか、規制バネではなく弾力性のある3番車を採用することで理論上の振り角は安定し、ストップセコンド機構が備わることで、時間合わせも容易になった。また、セラミックス製のベアリングでローターを保持するにもかかわらず、ローター音はらしからぬほど静かだ。残念ながらパワーリザーブは長くないが、巻き上げ効率が高く、デスクワークにも向く自動巻きである。

 単なる色違いとは言え、写真で見てもかなり魅力的な新しい5711。しかし残念ながら、人気殺到でお目にかかる機会はそうそうなさそうだ。仮に実物を見つけたら、クロノス本誌やwebChronosで、改めてリポートすることにしたい。

ノーチラス,ブレスレット




ノーチラス 5711/1300A

ノーチラス 5711/1300A

パテック フィリップ「ノーチラス 5711/1300A」
片方向巻き上げ自動巻き(Cal.26-330 S C)。30石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約45時間。SS+約3.6ctのダイヤモンド(10~4時位置の直径40mm、厚さ8.3mm)。12気圧防水。1086万8000円(税込み)。

 Ref.5711のファイナルを飾るもうひとつのモデルが、ベゼルにバゲットをあしらった本作である。パテック フィリップにバゲットダイヤは珍しくないが、このモデルはなんとケース素材がステンレス。32個のピュア・トップウェッセルトン・バゲットカット・ダイヤモンド(約3.6ct)を、隙間なくベゼルに埋め込んでいる。個人的な意見を言うと、スイスの時計メーカーで、最もダイヤモンドに長けている会社が、ロレックスとパテック フィリップだろう。とりわけ、バゲットダイヤモンドのあしらい方は群を抜いて上手い。これも実物は未見だが、かなり魅力的であることは間違いない。なお、基本スペックは上のノーチラス 5711/1Aに同じである。