2026年6月30日(日本時間)、W杯決勝トーナメント1回戦でブラジルと対峙した日本代表。世界屈指の王国相手に先制するも、後半に逆転を許し、涙をのんだ。攻守に走り続けたMF(ミッドフィールダー)伊東純也は今年33歳。「自分から辞める選択肢はない」と力強く語る男が、オフのひと時に選んだ1本の腕時計に迫る。

Text by Yukaco Numamoto
編集:土田貴史
Edited by Takashi Tsuchida
[2026年7月5日掲載記事]
王国ブラジルを相手に、33歳・伊東純也が躍動した
チュニジア戦では後半にゴールも決めた伊東純也。負ければ即敗退となる決勝トーナメント初戦、日本時間6月30日(現地時間29日)のブラジル戦にもスタメンで名を連ねた。前半14分には敵陣中央でパスを受けると高速ドリブルで持ち込み、ボランチのカゼミーロをファウルでしか止められない状況に追い込んで警告を誘発。試合序盤から存在感を示したことは、あの時間、試合を見守った全員の脳裏に焼き付いていることだろう。前半29分には佐野海舟が代表初ゴールとなるミドルシュートを叩き込み、1-0で前半を折り返す上々の展開となる。
後半に入るとブラジルの猛攻を受け、日本は自陣に押し込まれる時間が長くなる。伊東も堂安律や菅原由勢と連携しながら粘り強い守備に奔走したが、後半11分にカゼミーロのヘディングで同点に追いつかれてしまう。後半78分、伊東は町野修斗と交代してピッチを退いたが、そのままアディショナルタイムにガブリエル・マルティネッリへ勝ち越しゴールを許し、1-2の逆転負け。ピッチ外で敗戦を見届けることとなった伊東は「ここで勝つために4年間やってきましたし、ここを越えて、もう1個(上へ)行くことを最低限、目指していましたけど、それを達成できなくて本当に残念」と悔しさをにじませた。
今大会が自身2度目のW杯となった伊東は、シャドーの一角として全4試合に出場し、攻守にわたってチームを牽引した。33歳という年齢を感じさせないスピードと推進力は今大会でも健在で、「個々の力はまだまだ足りないと思います」と冷静に力の差を認めつつも、ファンへ向けては「一緒に戦ってくれてありがとうございますと言いたいですし、結果を出せなくて本当にすみません」と感謝と謝罪の言葉を残している。今後の代表活動については「自分から辞める選択肢はない」と明言し、4年後について問われると「1年1年しっかりやっていこうと思う。使えなくなって呼ばれなくなるくらいがちょうどいいかな」と、変わらぬ現役志向を語った。
圧倒的なスピードを武器に、駆け上がってきた道のり
小学1年生でサッカーを始めた伊東純也は、中学時代を横須賀シーガルズジュニアユースで過ごし、公立高校に進学。複数の大学から推薦入学の誘いを受けるなか、神奈川大学へ進んだ。2013年には関東大学サッカー2部リーグで20試合に出場して17得点を挙げ、得点王とベストイレブンをダブル受賞。翌年も10得点12アシストを記録し、2年連続でベストイレブンに選ばれている。
以前から伊東のスピードに目をつけていたヴァンフォーレ甲府のスカウトの尽力もあって加入が決まると、2015年3月14日の名古屋グランパス戦でプロデビュー。続く鹿島アントラーズ戦では初めてスタメンに起用され、プロ初ゴールも記録した。デビューイヤーはフォワードとしてリーグ戦30試合に出場し、4得点をマークしている。
2016年に柏レイソルへ移籍すると、リーグ戦通算7得点をマーク。2017年には日本代表に初選出された。この年の清水エスパルス戦では70メートルもの距離を独走してゴールを決めるなど計6得点を挙げ、Jリーグ優秀選手賞を受賞している。2019年にはベルギー1部・ジュピラー・プロ・リーグのKRCゲンクへ期限付き移籍。14試合に出場して3ゴール2アシストを記録し、8シーズンぶりのリーグ優勝に貢献した。
2022年、フランス1部のスタッド・ランスへ完全移籍を果たすと、2024-25シーズンには米紙「The Athletic」が発表したチャンス創出数の個人ランキングで欧州5大リーグトップに輝く活躍を見せた。しかしチームの成績は振るわず、2025年に2部降格。伊東はかつて所属したKRCゲンクと2028年6月末までの3年契約を結び、移籍金280万ユーロ(約4億8200万円)で復帰することとなった。
伊東純也のInstagramに発見した、ロレックス「デイトナ」
そんな伊東純也のInstagramをのぞいてみると、ロレックスの「デイトナ」を着用した1枚を発見した。“寝正月”のハッシュタグとともに投稿されたのは2026年1月1日。窓の外に雪が積もる様子から、どこか温泉旅館のような宿でゆったりと年始を過ごしていたのだろう。
W杯イヤーの幕開けということもあり、コメント欄には今大会での活躍を期待するファンの声が多く並んでいた。お茶を片手に寛ぐ伊東の左手には、ロレックス「オイスター パーペチュアル コスモグラフ デイトナ」がしっかりと確認できる。
伊東は2024年3月31日、フランスのスタッド・ランス在籍時、遠征中に自宅が空き巣被害に遭い、腕時計やバッグ、現金1万ユーロを盗まれるという苦い経験をしている。被害に遭った時計の全容は明らかになっていないが、現在身につけている時計やバッグの多くは、その後、買い戻したか新たに購入したものと考えられる。一方で、もしこのデイトナが被害を免れたものだとすれば、遠征にも欠かさず連れて行くほどのお気に入りなのだろう。
現行ロレックス「コスモグラフ デイトナ」の魅力とは?
ロレックス「コスモグラフ デイトナ」の現行モデルは、誕生60周年を迎えた2023年にフルモデルチェンジを受けている。セラクロムベゼルには縁取りが加わり、インデックスとインダイアルがより繊細になったほか、「SWISS MADE」の表記部分に王冠マークが配置されるようになった。これはディープシーやサブマリーナーにも共通する変更点であり、現行ロレックスに通底する最新仕様と言える。
搭載ムーブメントもCal.4130からCal.4131へと進化。クロナジー・エスケープメントとパラフレックス・ショックアブソーバーを備え、ボールベアリングも改良されたことで巻き上げ効率と耐久性が大幅に向上し、ローターの回転もよりスムーズになった。さらに2023年以降のデイトナはケース厚が従来モデルより0.5mm薄くなり、クロノグラフでありながらスマートな佇まいを保ち、普段使いにも馴染む1本に仕上がっている。
伊東が着用している18Kゴールドモデルは、セラクロムベゼルとオイスターフレックスブレスレットを備える。特許取得済みのこのブレスレットは、メタルブレスレットならではの堅牢性とエラストマーストラップの快適な着け心地を両立させたもの。ブレスレット内側にはクッションを備え、誤って開いてしまうのを防ぐセーフティキャッチ付きオイスターロッククラスプも装備されており、快適性と安全性を兼ね備えている。グライドロックエクステンションシステムによってブレスレットの長さを微調整できる点も、旅先での気温や体調の変化に対応する魅力的な機能だ。

自動巻き(Cal.4131)。47石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約72時間。SSケース(直径40mm、厚さ11.9mm)。100m防水。
W杯の結果は、サッカー王国を相手にした惜敗という形で幕を閉じたが、伊東純也は「1点取って迎えた後半の入りは本当に集中しなければいけないところ。ああいうところで失点してしまうのは、本当にもったいない」と冷静に反省点を口にした。それでも「自分から辞める選択肢はない」という言葉には、この悔しさを次への糧に変えていこうとする強い意志が伝わってくる。
燃え尽きるまでサッカーを続けると誓う33歳が、腕元のデイトナとともに、これからどんな景色を見せてくれるのか。伊東純也の次なる挑戦を、変わらず熱く見守っていこうではないか。



